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初バトル

いよいよ、バトルフィールドへと足を踏み入れるクラウドとヴァン。


クラウドの戦闘センスは如何に!?


 北門を出ると、外は見渡す限りの草原が広がっていた。


「草原フィールドだ。この辺は雑魚モンスターばかりだ。出現するのは、ウルフ、ワイルドボア、ゴブリンだな。稀にそれ以外のモンスターも出現するみたいだ。詳しくはまだ分からないが時間や出現条件があるんだろう。」

 ヴァンが丁寧に解説してくれるから助かるぜ。


「成る程ね。見える範囲に敵はいないみたいだな。少し歩くか。」


「そうだな。」


 他のプレイヤーも草原フィールドを歩き回っていたるのが目に留まった。


 これだけプレイヤーがいたら、モンスターの取り合いになるんじゃないのか?


「こんなにプレイヤーがいたら、モンスターも直ぐに倒されちまいそうだな。」


「そうだな。ただ、モンスターは倒されても直ぐに別の場所に出現するから大丈夫だろ。」

 ヴァンと話をしながら歩いていると、少し先の方に灰色の毛並みをしたウルフが姿を現した。


「出た!」

 これがウルフってモンスターか。


 ウルフの上には、緑色でモンスター名が表示され、HPゲージが満タンで表示されている。


「どうする? 最初は一人で戦ってみるか?」


「そうする。……危なそうだったら助けてくれよな。」

 俺は石剣(ストーンソード)を構える。


「あいよ。」

 ヴァンは少し後方で待機する。


 俺が間合いを詰めると、ウルフの名前が赤色へと変化する。


 名前が赤色になった時は、戦闘へと移行した証である。


「オォォーーン!!」

 ウルフは雄叫びを上げながら、俺へと突進する。


 俺は体捌きで、ウルフの突進を回避する。


 俺に攻撃を避けられたことで腹を立てたのか、ウルフは怒りの表情を浮かべながら、再び突進してくる。


 突進するしか芸が無いのか?


「はあーー!!」

 俺は、ウルフの突進に合わせるように、石剣を横振りした。


 ウルフの身体に横線が走り、二つに分離してそのまま光のエフェクトを発生させて消滅した。


「胴あり一本!! 初バトルで一撃か。クリティカル判定も出ていたからだな。流石剣道高段者だ。」

 ヴァンが右手を上げて、俺の勝利を宣言した。


 俺の視界右上に、獲得した経験値とお金が表示され、しばらくすると消えた。


「このくらいの敵なら楽勝だな。」

 もっと強い敵と戦ってみたいぜ。


「まぁ最初の雑魚モンスターだからな。ただ、ゲームと分かっていても、怖くて戦えない人や、戦闘センスの無い奴は苦戦するそうだぞ。」


「これに苦戦かぁ。確かに子供がプレイするとなると難しいのかも知れないな。でも、ゲームのアシスト機能もあるんだから、運動神経がそれ程良くなくても何とかなるんだろ?」

 運動神経が悪い人には不向きですってゲームなら、批判が凄そうだし。


「そりゃアシスト機能はあるし、レベルが上がればステータスも上昇して、戦い易くなるんだから、運動神経が良くなくても大丈夫だけど、いいに越したことは無いぜ。」


「だな。次は、ヴァンの戦い方を見せてくれよ。」

 盾で殴るとは聞いたけど、実際どんな戦闘をするのか見ておかないとな。


「了解。あそこにワイルドボアが出現したな。俺の闘いぶりを見ていてくれ。」

 ヴァンは盾を正面に構えながらワイルドボアへと近づいて行く。


 お手並み拝見。


「来い、イノシシやろう。」

 ヴァンを声を掛けたタイミングで、ワイルドボアの名前が赤色へ変化した。


 ワイルドボアも先程のウルフ同様に、突進を繰り出すが、ウルフよりもガタイの良いワイルドボアが突進をしている姿は、中々に迫力がある。


「ぐっ。負けるかーー。おりゃ!」

 ヴァンは、石盾(ストーンシールド)でワイルドボアの突進を受け止めると、盾を少し後ろに引いて、表面でワイルドボアを殴りつける。


「見せてやるぜ。俺の必殺技!!」

 何だと!? 盾の必殺技!? 一体どんな攻撃が!!


「喰らえ! 『盾突撃(シールドアタック)』!!」

 ヴァンは、盾を正面に構えて、ワイルドボアへと突撃する。


「え?」

 突撃とか、カッコいい技名なのに、ただ盾を構えて突っ込むだけかよ!!


「フゴッ!?」

 ヴァンの突撃を直撃したワイルドボアは、そのまま後方へ吹き飛ばさ、光のエフェクトを発生させて消滅した。


「どうだ見たか俺様の必殺技!!」

 ヴァンは俺に振り返り、飛び切りの笑顔を向けている。


「……凄い威力だ。」

 俺は、なんとかヴァンの必殺技の褒められるところを探して発言した。


「だろ!! まぁ、レベル差もあるからな。でも、防御しながら攻撃も出来るんだぜ。盾最強!!」


「確かに、盾も結構使えるんだな。」

 今後は、盾の攻撃ももっとバリエーションが増えてくるんだろうな。


 あれ? 視界の端にレベルアップの表示がされている。


「さっきのでレベルが上がったみたいだ。」

 俺の視界には、隅の方に俺の名前とHP、それとレベルが示されており、先程まで1レベルだったのが、2レベルに上昇していた。


 ヴァンとパーティーを組んでいるため、戦っては居なかったが経験値が入ったのだろう。


「最初の方は簡単にレベルが上がるんだよ。まぁこの調子でレベル上げしようぜ。ある程度上がったら、クエストを受けよう。」


「そうだな。次は、二人で戦ってみるか。」

 せっかくパーティーを組んでいるのだから、連携した闘いを身につけないとな。


「りょうかーーい。」


 次に見つけたモンスターは、ウルフ1体だった。


「俺が盾でウルフの動きを止めるから、仕留めてくれ。」


「了解。」

 俺達は、ウルフへと近づき戦闘へと突入する。


 俺達に気が付いたウルフが突進してくる。


 ヴァンは、俺の前に出ると腰を落として石盾をしっかり構えた。


 俺は、ヴァンの背後に移動し、合図を待つ。


 ドンッ!!


 ウルフが石盾にぶつかる音が響く。


「今だ!!」


「はあーー!!」

 ヴァンが盾でウルフを弾き、ウルフの動きが止まっているうちに、俺はヴァンの背後から飛び出し、石剣を上段から振り下ろす。


 俺の一振りで、ウルフの体は一刀両断され、ウルフは消滅した。


「良い感じだな。これならダメージを受けずに、サクサク敵を倒してレベルアップ出来るぜ!」


「そうだな。……なぁヴァン。お前、武器が盾だと敵を倒すのに時間が掛かるから俺を誘ったんじゃ無いだろうな?」


「ははは。何言ってんだよ。そんな訳ないだろ? 次行ってみよう。」

 ……コイツ。


 まぁ、楽しいから良いけどな。


 その後も、俺とヴァンは回復薬を使いつつ何度もバトルをして経験値を稼ぎ、俺のレベルが4、ヴァンのレベルも1つ上がり6になった時である。


「うわぁぁーー!!」

 俺達の耳が悲鳴を捉えたのだった。

二人の耳が捉えた悲鳴の正体とは?

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