まさか!? 素性判明
本日も無事に更新することが出来ました( ^ω^ )
男女のもつれがキッカケで、仮想世界内で発生した事件、しかし、仮想世界での事件は現実世界の罪に問われることは無い。
そして、仮想世界に復讐相手がログインしないことから、現実世界で裁きを下すことを決意したバードこと羽鳥。
相手に復讐することで幕を閉じました。
今回は、ゲーム世界の予定でしたが、ゲームに戻る前に、もう少し現実世界のお話です。
バードこと羽鳥を逮捕し、落ち着いてから、俺と大野さんは、休憩室で一息付いていた。
「止められなかったな。」
「……はい。」
もう少し早く、あの場に辿り着くことが出来ていれば、羽鳥が古橋を殺さずに済んだ。
後悔しても結果はかわらない。
羽鳥は、自分を苦しめ、チナツを死に追いやった古橋を殺せて満足していると、犯行の理由や動機について、包み隠さず話しているそうだ。
現実世界の恨みを仮想世界で晴らした古橋。
仮想世界で受けた、恐怖、苦しみ、恨みを現実世界で晴らした羽鳥。
古橋は法で裁かれないことを、羽鳥は分かっていたそうだ。
最初は、仮想世界で受けた恨みを仮想世界で返そうとしていた羽鳥だが、仮想世界でいくらルキを探してもルキこと古橋は、あれ以降ログインしていなかったのか、見つからなかったらしい。
そのため、葬儀の場に現れるかも知れない古橋を殺すことを決意し、葬儀場に行ったそうだ。
「そう言えば、係長はどうして羽鳥が現れると思ったんですか?」
「ああ、それなら、NMの世界で、羽鳥の友達って人から話を聞いて、羽鳥が古橋を殺す可能性があると思ったからだよ。」
ドッグの話が無ければ、気付くことも出来なかっただろう。
「え?」
「ん? どうしたんだ?」
「もしかして、クラウドですか?」
何で、大野さんは俺のゲーム名を知ってるんだ? と言うよりも、今の会話で分かったってことは。
あの時、あの場に居たってことか?
「……もしかして、スノウ?」
俺のパーティーの女性は、妹のシャインと剣を扱うスノウ、弓のシグレだ。
剣の腕前から言って、スノウ一択である。
「はい。と言うことは、やっぱり係長がクラウド……何ですね?」
「そうだ。」
まさか、こんな身近な人と仮想世界でパーティーを組んでいたとは、驚きだ。
「それじゃあ、もしかしてヴァンって、桃木部長ですか?」
「正解。」
「職場も同じで、仮想世界でも一緒になるなんて、凄い偶然ですね。」
「そうだな。」
何だか、普段の自分じゃない姿を知られているって言うのは、恥ずかしいもんだな。
「風雅には、秘密にしておくか。」
「どうしてですか?」
「その方が面白そうだから。」
俺が笑みを浮かべると、大野さんも笑顔? いや顔はよく見えないんだが、笑顔を見せている気がした。
「ってことは、シグレって日影なのか? あいつの名前は時雨だったよな。」
「どうでしょうか? 私はシグレと偶然ゲーム内で出会っただけなので、時雨からゲームをしているとは聞いていません。」
ただ名前が一緒ってだけだから、別人の可能性の方が高いよな。
「そっか。流石に、それはないよな。」
「そうですよ。」
俺達は、他愛ない話を続ける。
「なんか、仮想世界の自分を知られてるってのは、恥ずかしいもんだな。」
「そ、そうですね。」
「いい歳して、若くてカッコイイアバターにしてるから、痛い人みたいだよな?」
知り合いにバレるんだったら、現実世界のままの姿か、もうちょっとイケメン度を抑えておけば良かったよ。
「そんなことないですよ。係長はカッコイイです!」
「そ、そう? あ、ありがとな。」
いきなり、大野さんが身を乗り出して大声を出すから驚いてしまった。
「え、えっと、今のは、その、そ、そう。係長は中身が素敵なので、見た目は関係無いです! ん? これじゃ変ですね? 係長は中身だけじゃなくて、見た目も素敵です。」
何で、俺は大野さんにこんなに褒め殺されているんだろうか? いやお世辞とは分かるんだけど、めっちゃ照れるんですけど。
「お世辞でも嬉しいよ。ありがとね。」
「……い、いやお世辞では。(私何言ってんのよ!? 恥ずかしい。)」
会話が気不味い方向になっちゃったな。
「大野さんの剣の腕が上がったのは、ゲームの影響だったんだね。」
俺は何とか話題を変えようと試みる。
「そ、そうですね。ゲーム内ではイメージが大切になるので、それの影響なのか、現実世界での動きもスムーズになった気がします。」
「まぁ、体力や筋力は付かないから、そこは鍛えないとだけどね。」
「そうですね。」
そんなたわい無い話を終えて、俺達は帰宅したのだった。
俺は、帰宅中の車内で、スノウと大野さんが同一だった事実を思い返していた。
「まさか、大野さんがスノウだったとはな。確かに、今思うとスノウの剣筋は大野さんに似ていたな。」
大野さんが素性を知った上でも、パーティーを組んで一緒に行動するかは、分からないが。
大野さんも職場も一緒で、仮想世界でも一緒じゃ、息抜き出来ないだろうし。
「そう言えば……。」
俺は、シグレの妹である、メイプルのお店での出来事を思い返していた。
「俺と大野さんって、……キスしちゃったんだな。」
アレは完全に事故なのだが、何とも言えない感情が胸の中で、モヤモヤしてしまい、運転に集中出来なくなった俺は、途中でコンビニに寄り、落ち着くまで車内で悶々とすることとなった。
「ねぇ、あの人大丈夫かな? ハンドルに頭を何度もぶつけてるけど。」
「関わっちゃダメよ。見て見ぬ振り。」
雲河原の車内での奇怪な行動を、多くの人に目撃されていたようだが、目撃者の配慮により、不審者での110番通報をされることは無かった。
大野も自宅である独身寮に帰るために、自転車に乗っていた。
「係長がクラウドだったなんて、驚いたな〜。」
大野も、雲河原同様に、先程の会話のやり取りを思い出していた。
「でも、リアルの素性を知ってるから、今後はパーティーを解消されちゃうかな?」
係長の余暇の時間を邪魔しちゃうのは悪い気がするし。
そんなことを考えながら、自宅に戻った大野は、身体の汗を流すためにお風呂へと向かう。
脱衣場には、綺麗に畳まれた衣服が置かれ、風呂からは、シャワーの音が聞こえる。
「ふあぁ〜、今日は疲れたな。」
大野は前髪を左右に払い、素顔を晒して鏡に映る自分を見る。
そこには、仮想世界のスノウの顔が映されている。
ふと、大野は自分の唇へと視線を落とす。
そして、人差し指で唇をなぞる。
「私、係長としちゃったんだ。……キス。」
大野は頬を紅潮させ、胸のドキドキが止まらなくなる。
その後、湯船へと移動した大野は、そのことが頭から離れなくなり、のぼせるまでまで、湯船に浸かってしまったのだった。
現実世界のスノウの素顔です↓
今回のおまけ
クラウド;今日も恒例の「今日は何の日?」コーナーです!
ヴァン;よっ! 待ってました!
スノウ;それで今日は何の日何ですか?
クラウド;今日は色々あるぞ!「文化財防火デー」
1949年に、日本最古の壁画が火災により焼損したことをきっかけに、文化財を災害から守る目的で、1955年に文化庁と消防庁が制定したらしいぞ。
ヴァン;へぇー。
スノウ;へぇー。
クラウド;反応が薄いな。
ヴァン;寧ろ、反応しにくい、「今日は何の日」を選ぶなよ。
クラウド;なら、これでどうだ!「有料駐車場の日」「コラーゲンの日」「携帯アプリの日」だ!
ヴァン;ふーん。
クラウド;くっ!? それなら最期の手段だ!
スノウ;最期の手段?
クラウド;26日は、「風呂の日だ!」
ヴァン;なんだって!?
クラウド;食い付いたな。東京ガスが1985年に「家族でお風呂に入ろう。」と制定した日なんだ!
スノウ;そんな日があるんですね。
シグレ;家族みんなで入れる大きなお風呂なんて無いわよ。
ヴァン;す、素晴らしい!!
クラウド;ヴァン?
ヴァン;家族みんなでお風呂! 最高じゃないか!
シャイン;そうですね。では、クラウド私とお風呂に入りましょう。
クラウド;しまった!? そうなるのか!
ヴァン;ちょっと待った! パーティーは仲間! 仲間は家族! ここは、みんなでお風呂に入ろうではないか!
クラウド;は?
スノウ;何でそうなるんですか!?
シグレ;裸の付き合いもいいかもしれないわね。
シャイン;ちょっとシグレ!?
ヴァン;ノリノリじゃねぇか! レッツお風呂ーー!




