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復讐のためのレベルアップ

おはようございます(^^)

携帯治ってませんが、何とか更新出来ました(^◇^;)



「ハッ!」

 バードの槍が、ワイルドボアを一突きで絶命させる。


 俺と言えば、バードの近くに立ってただ眺めているだけ。


 俺はモンスターを倒すことができず、何度も死に戻りを繰り返していたと言うのに、バードの奴は簡単にモンスターを倒していやがる。


 まぁ、そのお陰で俺にはワイルドボアの経験値が入り、レベルが上がる。


 ……俺って寄生虫みたいだな。


「どうだ? レベル上がったか?」

「ああ。順調だよ。今のでレベル5だ。」

 俺は戦いに参加することなく、レベル5になっていた。


「お!? やっとスキルポイントが手に入ったな。」

 バードに言われたように、俺はスキルポイントをゲットし、スキルを覚えることが出来るようになっていた。


 俺は、自分の覚えられるスキルを確認することにした。


 ……金縛り? 俺が獲得したスキルポイントで覚えられるスキルは、呪術『金縛り』のみ。

 一応詳細説明を見ると、相手の動きを封じると書かれている。


「何を覚えたんだ?」

「金縛り。たぶん敵の動きを封じることが出来るのかな?」

「サポートタイプの能力だな。戦闘の役に立ちそうだ。」

 俺が金縛りを覚えたので、バトルで使ってみようという流れになった。


 そして、ゴブリンが俺の目の前に現れる。


 ゴブリンには、剣で刺し殺されたり、集団でボコボコにされたりと、怨みしかない。


「ギィ!」

 戦闘圏内に入ったため、ゴブリンが俺に向かって駆け出してくる。


「『金縛り』!」

 俺がゴブリンへ手をかざしてスキルを詠唱すると、ゴブリンの動きが固まる。


「コレは凄いな!?」

 バードは俺の金縛りにかなり興奮している。


 現在このゲーム内で、ルキが発動した金縛りのスキルを覚えているプレイヤーは居ない。


 バードは、かなりこのゲームについて調べており、相手の動きを封じるスキルなど聞いたことも無かった。


「オラッ! 死ねゴブリン! よくも俺を殺してくれたな!」

 俺は、金縛りで動けなくなったゴブリンに対して、杖で何度も身体や頭を叩き続けた。


 いくら攻撃力の弱い魔法使いと言えど、レベルも5に上がり、更にこれだけ攻撃したので、ゴブリンは消滅した。


「……凄いなルキ!」

「ああ。だが、まだまだ俺が殺された数の方が多い。やられたら倍返ししなきゃな。」

 こうして、俺が覚えた金縛りでモンスターの動きを封じて、自分で仕留めたり、バードが仕留めたりというパターンで、敵を次々と倒し、遂に俺のレベルは10に到達した。


「かなり効率良く戦闘出来たから、到達するのが早かったな。」

「ありがとなバード。お前のお陰で強くなれたよ。」

 俺もレベル10になる頃には、雑魚モンスターは金縛り無しでも倒せるようになり、更にゴブリンソードなどには、金縛りを駆使して勝利した。


 そしてバードと契約したレベル10まで到達したため、俺たちは街へと戻った。


 金曜日の夜からログインしっぱなしで、ひたすらレベル上げしていた所為で、かなりの時間が経過していて驚いた。


「なぁルキ。一つ提案があるんだけど。」

「何?」

 今更、支払う金を増やそうってんじゃないだろうな!? 最初の契約金より払うつもりはないぞ。


「俺達のパーティーに入らないか?」

 ……マジか? これは予想外なことを言われたな。

 俺にはやるべきことがあるんだが。


「何で俺なんだ? 俺より強い奴なんて沢山いるだろ?」

 最初にバードが言っていたように、俺は出遅れ組だから、俺より強い奴なんてごまんと居るだろうに。


「確かにルキよりレベルが高い奴は大勢いる。ステータスが高い奴も大勢いるだろう。でも、ルキの金縛りのような強力なスキルを持っている奴は多くないんだ。」

 そういうことか。俺自身、金縛りの能力はかなり強力だと感じていた。


 金縛りを発動中は、相手の動きを封じつつ、自分自身が行動出来るのである。


 勿論、無限に動きを封じれる訳では無い。

 金縛りの持続時間は、俺のMPに依存している。


 俺が金縛りを発動すると、MPが徐々に減少して行き、MPが0になると金縛りが解ける。


 MPは時間経過に伴い、少しずつ回復するが、戦闘中に回復したい場合には回復薬が必要だ。


 バードによると、俺がこのゲームを始める少し前に、どっかの馬鹿が回復薬を買い占めたらしく、エアストの街の回復薬が枯渇したらしい。


 しかし、バードは調合キットなる物を購入し、回復薬を調合していたので、俺のMPが減ると回復してくれていた。


 バードの回復薬のお陰で、俺のレベル上げが早く済んだようなものだ。


 バードの回復薬の代金については、請求額に含まれてるから構わないと言われた。


 このことからもバードは、融通の利くいい奴だと思う。


「バードには世話になったからな。……俺のやるべきことが終わった後なら、パーティーに入ってもいい。」

「本当か!?」

「ああ。」

 バードは、俺の返事に満足したのか、かなり舞い上がっていた。


「ん? パーティー仲間になるなら、今回のレベル上げの支払いは無しってことに。」

「ちょ!? ちょっと待てよルキ! それはそれ、これはこれだろ!?」

 ちょっと冗談のつもりで言ったのだが、バードは慌てていて、見ていて面白かった。


 バードと馬鹿話をしていたが、そろそろ俺の本題である、千夏捜しを再開しなくてはな。


 俺はバードにレベル上げのお金を支払い、やることが終わったら、連絡すると告げた。


「それじゃまたな。」

「おう。」


 出会いは唐突に訪れた。


 俺の目の前に、オレンジ色のロングヘアーをした美女、千夏の部屋にあった写真と同一人物が現れた。


 こんなところで出くわすとはな!


「おーーい、チナツ!」

 俺の背後から、バードの声が響き渡る。


 は? 何でバードがチナツの名前を知っているんだ?


「なにやってたのよバード? メッセージ送ったのに、見てくれてないの?」

 チナツとバードは知り合いだったのか?


「メッセージ? 本当だ!? ごめんごめん

 。ルキのレベル上げを手伝ってて気が付かなかったよ。」

「ルキ? ルキって誰よ?」

「そこにいるのがルキだ。ルキは優秀な魔法使いだ! パーティーに入ってくれるそうだ

 ! ルキ紹介するよ。彼女はパーティー仲間のチナツだ。」

「仲間じゃなくて、彼女って言いなさいよ!」

 ゴンッ!

「イッテェ!? 何すんだよチナツ!」

 ああ、そう言うことかよ。

 バードがお前の言ってた、新しい彼氏ってことか。


「ああ、ごめんごめん。私はチナツよ。よろしくねルキ。」

「よろしくチナツ。」

 俺はこの時、千夏の手を握り返すか悩んだが、今後の為に手を握り返した。


「ねぇねぇ、これから飲みに行こうよ。新規メンバーの加入祝いに。」

「そうしたいが、ルキは何やらやるべきことがあるらしいと。」

「喜んで参加させてもらうよ。」

 俺がチナツの提案に即答した為、バードが目を見開いて驚いていた。


「いいのかルキ?」

「加入祝いしてくれるんだろ? 断ったら失礼だ。」

「……ルキ。チナツはやらないぞ。俺の女だ。」

「……そうか。ラブラブで羨ましいよ。」

 ……俺の女ね。


 その後、二人は腕を組みながら俺の前を歩き、残りのパーティーメンバー二人を呼び出していた。


「ここ?」

 加入祝いがカフェ? 店名は……シロップ。

 何とも場違いな気がするんだが。

 まぁ、何でもいいさ。


「それじゃあ、ルキのパーティー加入を祝して、かんぱーーい!」

「「「かんぱーい。」」」

 ここは、カフェなんだよな? 普通に酒盛りを初めているが、いいのだろうか? それに料理もカフェっぽくない。

 ここは酒場か?


 加入祝いの場では、俺のレベル上げをバードが手伝ったこと、俺が金縛りという強力なスキルを持っていること、チナツとバードが毎日の様に風俗街に足を運んでいることが話題の中心だった。


「ごめん。ちょっとトイレに行ってくる。」

 俺は一度宴会の席から立ち上がり、部屋から出て行った。



「お待たせ。新しい酒も貰って来たよ。」

 俺の両手には大量の酒が抱えられている。


「遅いぞ〜ルキ〜。」

「そうだそうだ〜、てかこのゲームでトイレ行く必要あったのか〜?」

「細かいことは気にすんなよ。ホレ。」

 酔った影響で思考回路がまともでない連中に、適当に受け答えして、お酒を手渡したのだった。


 俺のスペシャルドリンクを。

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