復讐の準備
一昨日の夜からスマホが圏外に陥り、不機嫌だった作者です(;´Д`A
なんとか、自力で圏外から脱出出来ました(−_−;)
バックアップして、SIMカード入れ直して、ネットワーク接続をリセットして、何とか復旧です(・_・;
たまに圏外になるので、結局修理に出した方が良さそうですけど(ーー;)
作者の話は、どうでも良いですねσ(^_^;)
まだ、男女のドロドロのお話は続きますm(._.)m
あと少しで、100PTになりそうです(^^)
応援ありがとうございます(^人^)
俺は、ケアと別れてから草原フィールドへと足を運んだ。
「ここでレベル上げをすればいいんだな。」
手当たり次第にモンスターを殺しまくって、さっさとレベル上げしてやる。
この時の俺は、この世界のことを何も分かっちゃいなかった。
「……。」
俺は、何度目になるか分からない程の蘇生を繰り返していた。
何故だ? 何故、武器で杖を選択し、職業も魔法使いなのに魔法が一つも使えないんだ!?
俺は、最初の戦闘でワイルドボアとか言う、イノシシ型のモンスターと遭遇し、魔法を発動しようと、杖の先端をワイルドボアへと向けた。
しかし、何も魔法は発動されることは無く、ワイルドボアの突進で、俺はdead。
次に遭遇したのはウルフだ。
1度目の失敗を反省し、杖で撲殺しようと杖を振り上げたまでは良かったのだが、俺が杖を振り下ろしたのは、ウルフが突進してくる前……つまり、空振りしてしまい、敢え無くdead。
3度目の正直だと、意気込んで遭遇したのはゴブリンだった。
良くあるゲームの雑魚キャラだ。こんな奴には流石に負けないだろうと思い、ゴブリンへと駆け出した俺は、見事に石に躓いてゴブリンの目の前にダイブしてしまい、ゴブリンに背中から刺し殺されてしまった。
「くそっ!! 何で俺は杖を選択してしまったんだ!」
自分の運動神経が悪いため、近接武器を避けてしまった結果である。
その後も何回も草原フィールドへ出ては、直ぐにdeadされて、街に戻るを繰り返していた。
終いには、複数のゴブリンと出くわして袋叩きにされて殺されたのは、恐怖でしかな無かった。
こんな惨めな思いをする羽目になったのも、全部アイツらの所為だ! 絶対に許さない!
「……それにしても、何なんだこのクソゲーは!?」
俺は地面に転がる石を思いっ切り蹴飛ばす。
「何処かのパーティーにでも入れてもらうしか無いのか。」
俺が、何処かのパーティーに入れてもらおうか悩んでいると、不意に背後から肩を叩かれる。
「お兄さんお困りなのかな?」
ルキに声を掛けてきたのは、青髪短髪の面構えの良い青年だった。
何だコイツは?
「困ってはいるが、俺には変な奴に構っている時間が無い。」
さっさと強そうな奴に頼んで、レベル上げを手伝ってもらおう。
「レベル上げたいんじゃ無いのか?」
コイツ!? 何でそのことを知っているんだ!?
「……何故そう思うんだ?」
俺はなるべく冷静を装う。
「そんなに警戒するなよ。簡単な事だ。お兄さんの武器は杖だから、恐らく接近戦が苦手。そして、レベル5になるまでスキルポイントが手に入らないから魔法も使えない。よって、レベル1からいつまで経っても上に行けない。何より、お兄さん今日だけで何回も死に戻りしてるだろ?」
コイツの話からすると、俺と同じように、杖を選択してレベル上げすら出来ないプレイヤーが大勢いると言うことか。
「……だったら何だって言うんだ?」
確かにコイツの言う通りだが、何が言いたいんだ。
「俺がレベル上げを手伝ってやるよ。こう見えてもレベル13だから、この辺じゃやられないよ。」
何とも有難い提案なのだが、何か裏がありそうだな。
「……何が望みだ?」
俺みたいなカモに声を掛けるってことは、こういう輩は、大抵見返りを求めている筈だ。
「おーー、鋭いね。こっちの望みは一つ、お金だよ。」
「金? 俺なんて、ゲームを始めたばかりだから金なんて……リアルの金の話か?」
コイツも俺がゲーム内のお金を持っていないことくらい分かっている筈、だったら俺から取れるお金は現実世界のお金しかない。
「察しがいいな。俺の目的は現実世界の金だ。」
……現実世界の金か。金ならそれなりにあるから金額次第だな。
「……いくらだ?」
「10万円だ!」
じゅ、10万円だと!? コイツ馬鹿にしてるのか!
「ふざけているのか? レベル上げに10万なんて払う奴がいる訳ないだろ?」
相当な金持ちなら、払うかも知れないが、俺は金持ちじゃない。
まぁ、払えない金額では無いが。
「そんなこと言わないで。本来ならレベル1から5まで10万円のところを、レベル10までで10万円にしとくからさ! 戦闘も臨時でパーティーを組んでいれば、お兄さんにも経験値が入るから、戦闘をする必要は無い。」
何ともサービスしているように話しているが、本当にサービスしているのかどうか、俺には分かりようが無い話だ。
しかし、パーティーを組めば戦闘をしなくても良いのは有難いな。
この話が聞けただけでも、コイツに絡まれた価値はあったな。
「これは言い難いんだけど、お兄さんは俺の話を断って、誰かにパーティーを組んで貰えば良いとか考えると思いますけど、それは難しいですよ。」
「え?」
「だって、現時点でレベル1の魔法使いとパーティーを組もうなんて考えるパーティーは居ませんから。」
コイツの言ってることは、間違っていないだろう。
俺が既にこのゲームをプレイしていたとしたら、わざわざレベル1の魔法使いを仲間にして育てようとは思わない。
「察しの良いお兄さんなら、今の話、分かりますよね。」
「はぁーー、仕方ないか。前払いか?」
「いやいや、途中で逃げられたとか言われたく無いからな。取り敢えず、前金で1万、レベル5になったら4万、レベル10になったら残りの5万を払ってくれたら良い。」
何とも良心的なことだ。
これならコイツがレベル上げに付き合わずに、トンズラしても俺の被害は1万円で済む訳だ。
「分かった。」
「毎度あり。俺は、バードだ。」
「ルキだ。よろしく。」
こうして、俺とバードの二人で草原フィールドへ出て、俺のレベル上げが始まったのだった。
今回のおまけ
ルキ:さっさとレベル上げして、復讐するんだ!
ワイルドボアが現れた。
ルキ:よし。俺の魔法で仕留める!
ワイルドボア:?
ルキ:あれ? 魔法が発動しない? 何でだ?
ワイルドボアの突進
ルキ:げっ!? dead
ルキ:クソ! リベンジだ!
ウルフが現れた。
ルキ:来い犬っころ!
ウルフはブチ切れた。
ルキ:この杖で、頭をカチ割ってやる! うりゃ!
ルキの杖は、ウルフの頭の前を通過して、地面にぶつかる。
ウルフ:ガァウ!
ルキ:dead
ルキ:次こそ!
ゴブリンが現れた!
ルキ:やぁーー! 痛っ!?
ルキは石に躓いた。
ゴブリン:ギィ? ギィーー!
ゴブリンは、ルキを跨いで立つと、剣を突き刺した。
ルキdead
ルキ:こんなクソゲー二度とやらない!
ルキはログアウトした。
バード:あーー、狙ってたのに。俺の金が。......根性ねぇな。次探すか。




