復讐する者
前回に引き続き、男女のドロドロ回は続きます!
皆様のお陰で、本作も6,000PV突破となりました(๑╹ω╹๑ )
ありがとうございますm(_ _)m
また、ブクマ&評価の支援魔法を多く掛けていただきありがとうございます!
支援魔法に限りはありませんので、随時受付中です!笑
まだまだNMは続きますので、今後も本作の応援をよろしくお願いします!
※昨日昼から、携帯が圏外になりました(T . T)
iPhone7のブッ壊れモデルでした。
修理しないと自宅以外でネットを使えず投稿出来ません_| ̄|○ しばらく更新が止まる可能性があります(-_-;)
俺がNMを起動すると、目の前が真っ白になる。
「何だこの白い空間は?」
少しすると、チュートリアルをする場所であることが説明された。
チュートリアル? アバターの設定か。
俺は自らの容姿を、千夏に気付かれないようにするために、千夏の好きだった俳優に似た顔を作り上げる。
「こんな簡単に、なりたい顔や身体を作れるのか。」
このゲームには、美男美女しか居ないんじゃないのか?
誰が好き好んで、ゲームの中でブサイクな面にするんだよ。
「武器も色々あるんだな、剣、槍、斧、弓、杖、注射器、手錠、チェーンソー……。」
俺はリアルで身体を動かすのが苦手だから、剣などの接近戦をする武器は向いていないため、杖を選択した。
「属性選択とか言いつつ、一つしかないじゃ無いか。」
属性は、呪い(レア)しか表示されていない。
「選択の余地は無いってことか。まぁ、呪いなんて俺の為にある属性みたいなもんだしな。」
職業についても、復讐者という職業しか表示されなかった。
「くっくっくっく。このゲームは俺のことを分かっているじゃないか!」
俺は歓喜しながら、チュートリアルを終えた。
「へぇ、ここがゲームの中なのか。リアルとの違い何て分からないな。」
こんな凄いゲームだったなんてな。
もっと早く始めていれば良かった。
「取り敢えず、アイツを探すか。」
俺は、千夏の部屋に置かれていた写真のオレンジ髪の美女を探し始めたのだった。
「ちくしょう。見つからねぇな。」
この街が広すぎるんだよ!? それにこんなに人がいる中から1人を見つけるなんて不可能だ。
ガンッ!
俺はヤケになって、道端に立て掛けられていた看板を蹴飛ばした。
「ちょっとお兄さん。荒れてるわね。」
今、機嫌が悪いんだよ! 話しかけてんじゃねぇぞ!
「あ〜?」
俺はイラつきながらも、女の声がした方を振り向くと、モデル並みの美女の姿があった。
これがブスだったら、ボコボコにしていたかも知れないが、美女なら話は別だ。
「そんなにツンツンしないの。お姉さんが話し聞くわよ。」
美女は俺に近付いて来ると、俺の前で前屈みになり、優しく声を掛けて来る。
デカッ!? 何だその胸は? こんな美女が俺に優しくしてくれるなんて。
「こっちにおいで。」
俺は美女に手を取られて、建物内へと入る。
美女に連れられた俺は、そのままベッドのある部屋へと連れて来られた。
「私はケアよ。お兄さんのお名前は?」
どうやらこの巨乳美女の名前は、ケアというらしい。
「俺は、ルキだ。」
「ルキね。それで、ルキは何であんなに荒れていたの? 嫌なことでもあった?」
随分ストレートに聞いてくるんだな。
まぁ、俺も誰かに話を聞いてもらいたい気持ちはあった。
このやり場のない怒りを共有したかったんだと思う。
「……実は、俺には交際していた女が居たんだが、急に別れ話を切り出されたんだ。理由を聞いたら、他に男が出来たって。」
話していると、また千夏に対する怒りが込み上げて来る。
「そんなことがあったの!? 可哀想に。ルキが居るのに他の男を作るなんて。」
「ケアは俺の気持ちが分かってくれるのか!?」
「勿論だよ。」
俺の気持ちを理解してくれている。
その後は、千夏に対する愚痴を俺が永遠と口にし、その都度ケアは俺の話に同意してくれた。
「ホント、千夏って女は最低だね。私許せないよ。」
「ああ。アイツは本当に最低な女だった。」
「それで、その千夏って女がこの街にいるの?」
「ここにいるか分からないんだ。探したんだけど見つからなくて。」
これだけ探しても見つからないってことは、もしかしたら既にログアウトしているのかも知れない。
ケアと話して冷静さを取り戻した俺は、その可能性に気が付けた。
「この街は大きいし、人も多いからね。特徴が分からないと見つけようがないよね。」
「いや、特徴なら分かるんだ。多分だけど、オレンジ色のロングヘアーにモデル並みのスタイルをしているチナツって奴なんだけど。」
自分で特徴を話していて思うが、モデル並みのスタイルをしている人は、沢山いるし、髪の色も被っている人は沢山いるのだ。
「……もしかしたら、千夏って女のこと、私知ってるかも。」
「何だと!?」
俺は、ケアの言葉に血が沸き立つのを感じ、両手でケアの両肩を強く掴んでいた。
「っ!? 痛いよルキ。」
「あっ!? ご、ごめん。」
「大丈夫だよ。それで、ルキの話していた特徴に似ている子が、ここ最近毎日のように、男を連れて、この風俗街に来ているのを見たわ。今日も数時間前に見かけてるし。」
千夏が男を連れて、風俗街に……だと。
「いつも、行く場所って分かるか?」
「うん。分かるよ。」
俺は、ケアから千夏と思われる人が現れる時間帯、利用する場所、一緒にいる男の特徴を聞いた。
ケアから聞いた、今日の目撃した時間は、俺が千夏の部屋に忍び込んだ時間の少し前であることも分かった。
「絶対に許さない。……必ず見つけ出してやる。」
俺は、まだ千夏がその場所にいるかも知れないと考え、部屋から出て行こうと動き出す。
「ちょっと、待ってよルキ。」
「 時間が無いんだ!」
こうしている間にも、千夏が他の男と一緒にいると考えるだけで、怒りが爆発しそうだった。
「……このまま千夏のところへ行ってどうするの?」
「……。」
「今、千夏のところへ行っても、貴方は返り討ちにされるわ。」
「は?」
俺が千夏に返り討ちにされるって? いくら運動神経が鈍い俺でも、女に負けるとは思えない。
「ルキ、この世界はレベルとステータス、スキルがモノを言うんだよ。今の貴方が行っても、千夏にも勝てないだろうし、一緒に居る男に瞬殺されるわよ。」
ケアの言葉が頭の中を駆け巡る。
「千夏や一緒に居る男の方が、俺より強いから、今の俺が行っても無駄ってことか?」
「うん。そう言うことだよ。」
「じゃぁ、俺の怒りはどうすればいいんだよ!?」
「簡単だよ。ルキが強くなればいいの。」
一瞬ポカンとしてしまったが、ケアの言いたいことが分かった。
「敵を倒してレベルを上げるんだな。」
「そう。そうすれば、千夏にも男にも邪魔されないよ。ルキのしたいように出来る。」
「……俺のしたいように。」
ケアには感謝しなければならない。
俺が考えなしに千夏のところへ行って、返り討ちにされていたら、俺は本当に終わっていたと思う。
「ありがとうケア。」
ケアにお礼を述べて部屋から立ち去ろうとすると、俺の腕が掴まれる。
「……まだ何か?」
「頑張ってねルキ。ルキのやるべきことが終わったら、ここに来て。サービスするから。」
「ああ。必ず。」
俺は、千夏と千夏を奪った男に復讐するために、自分を鍛え始めたのだった。
今回のおまけ
クラウド:俺達の出番が無い......だと!?
ヴァン:落ち着けよクラウド。
クラウド:落ち着けだと!? 主人公の俺の登場が無いんだぞ!
ヴァン:お前......主人公だったのか?
クラウド:え? 違うのか?
ヴァン:当たり前だろ。主人公は、スカイだぞ。
クラウド:な!? え!? スカイ!? は?
ヴァン:今は一人旅に出ているが、奴は伝説の魔法使いとなり、俺達のパーティーに戻って来るのさ。
クラウド:そ、そんな馬鹿な。
ヴァン気を落とすなよ。
クラウド:どうすれば、どうすれば俺が主人公になれるんだ!
ヴァン:おーーい、帰ってこーーい!
クラウド:そうだ! 俺が主人公に相応しいと作者に認めさせれば良いんだ!
ヴァン:何言ってんだよ。
クラウド:そうと決まれば早速レベル上げた! 最強の勇者となって、主人公になるんだ!
ヴァン:まぁ、なんだ、頑張れよ。




