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魔獣の森〜素材集めとごめんなさい〜

無事に毎日更新出来るのも、本作を読みに来て下さっている皆様のお陰ですm(_ _)m

これからもよろしくお願いします!


気に入っていただけた方は、ブクマしてもらえると嬉しいです(^^)


 俺達の目の前には、何処を見渡す限りの、木、木、木。


 そう、ここは洞窟型ダンジョンが発見された東にある森である。


 草原フィールドのモンスターは、既に俺達の敵ではない為、あっさりと突破し、俺達は東にある森、別名を魔獣の森へと足を踏み入れたのだ。


 何故、この森が魔獣の森と言われているかと言うと、魔獣が多く生息していることは勿論のこと、草原フィールドや鉱山のモンスター達よりも、強いモンスターが現れるのである。


 因みにだが、同じモンスターでも、生息場所が変わればレベルも変わってくる。

 生息場所の他のモンスターが強いため、強くなければ奴らも生き残れないからだそうだ。

 そのため討伐ランクは、生息場所毎に異なっている場合がある。

 実際に、この世界の討伐ランクの設定はあくまでも目安であり、全ての個体に適合する訳ではない。


 それと、この森が解放されたのは先日のイベント後であり、ある程度プレイヤーのレベルが成長した段階で解放されたエリアなのである。


「スノウ達は、この森に来たことがあるのか?」

「私とシグレは一度来てます。」

「どんなモンスターが出るんだ?」

「う〜んと、新しいのだとキラービー、グリズリー、ホーンラビットね。勿論ゴブリン、ウルフ、ワイルドボアも出てくるけど、草原フィールドの個体よりも少し強く設定されてたよ」

 スノウの説明によると、キラービーは蜂型のモンスターで、黄色と黒の身体に太くぶっとい針がお尻にあり、ブンブン飛び回っているそうだ。


 蜂って、あの黄色と黒色が嫌な色してるよな。

 それであのブーンって音が耳元で聞こえると怖いんだよな。


 注意すべきは、スピードと毒針を飛ばすことらしい。

 毒に侵されるとHPが徐々に減少するため解毒薬が無いと、そのままお陀仏になる。


「キラービーが出ても私が居れば大丈夫だよ。」

 シャインによると、前回のイベントの報酬で得たスキルポイントで状態回復魔法の『キュア』を覚えたらしい。


 更に、余ったポイントで光属性の攻撃魔法『ライトレーザー』を覚えたため、回復だけでなく遠距離からの攻撃も可能となっていた。


 本当に頼りになるヒーラー()だ。


 次にグリズリーは、灰色の熊であり、大きな身体に爪と牙があり、太い腕の一振りは、直撃するとかなりのダメージを受けるそうだ。


「それなら俺に任せとけ。」

 ヴァンもシャイン同様に、前回のイベント報酬で得たスキルポイントで、『ビッグシールド』という技を覚えたそうだ。


 盾を巨大化させ、防御範囲を広げられるらしい。


 頼りになる盾役(タンク)だ。


 最後がホーンラビットだが、見た目は頭に角の生えた兎だそうだ。


 見た目は可愛らしいが、油断していると、先端の尖った角が、身体を貫き、一撃でプレイヤーを葬るらしい。


 ……ホーンラビット怖い。


「私に任せときな。どんな小さい的でも命中させるわ。近付かれる前に仕留めればいいのよ。」

 シグレはスキル技が無くても、凄腕の弓使いであり、動く的でも命中させる腕前だ。


 更に、レベルアップで得たスキルポイントを使って、『ホーミングアロー』と言う追尾する矢を放つスキルを覚えたようだ。


 どんなに逃げても、矢が物に当たるまで追尾を続けるそうだ。


「よし。回復薬の素材を回収して、調合を終えたらダンジョンに挑もう。」

 こうして俺達の回復薬、素材集めがスタートした。


 道具屋の婆ちゃんの話だと、キノコがなっているのは木の根元らしい。


 俺達はキノコを見逃さないように、目線を下にして森の中を歩いていた。


「あったよーー!」

「こっちにもありました。」

「これね。」

 女性達が次々とキノコを発見していく。


「おいクラウド。俺達はまだ一つも見つけてないぞ!」

「そうだな。俺達、運がないのかな?」

 それ程散らばらないで探しているのだが、何故か女性達ばかりがキノコを発見していた。


 俺とヴァンは、少し離れたところも探すことに決め、行動範囲を広げた。


「おっ!? 綺麗な花だな。そうだ。コレをシャインさんにプレゼントしよう!」

 ヴァンは、黄色の花びらを綺麗に咲かせている花を見つけ、花に吸い寄せられるように近付いて行く。


「ん? おいヴァン。あんまり離れるなよ。」

 聞こえてないのか? あっちに何かあったんだろうか。


「もう少しだ。」

 ヴァンガ花に手が届きそうな時、恐怖を与える羽音を耳が捉える。


 ……ブーン


「え?」


 プスッ!


「いってぇーー!?」

 ヴァンの右太ももには、キラービーの大きな毒針が突き刺さっていた。


「この野郎!? ヴァンは盾を構えて、追撃に備える。」


 しかし、キラービーは追撃することなく、上空に待機したまま動かない。


「攻撃して来ないのか? 俺には遠距離攻撃も無いし、あの高さには届かないな。」


 ヴァンの装備は盾であり、魔法攻撃も覚えていない為、上空にいるキラービーに攻撃する手段が無いのである。


「くぅ!? 毒の影響か!?」

 ヴァンは毒の影響でHPの減少が止まらず、毒の痛みで盾が下がる。


 その時を待っていたかのように、キラービーが毒針をヴァンに向けて、発射する。


「不味い!? 『ビッグシールド』!」

 ヴァンは咄嗟にビッグシールドを発動し、盾を巨大化することで毒針を弾くことに成功する。


「……あぶねぇ。どうすっかな。」

 難を逃れたヴァンであったが、再びキラービーは様子見に入ったかの様に動かない。


 カサカサカサカサ


 状況は更に悪化する。


「おいおい。トコトンついてねぇな。」

 何とか難を逃れたヴァンであったが、キラービーの他に、背後にホーンラビットまで現れてしまった。


「俺なんか悪いことしたか? ……あるとすればあれか。」

 ヴァンは、現実世界で(じん)が冷蔵庫に入れていた()()()を食べてしまったことを思い出していた。


(じん)にはバレてなかったが、(かみ)様は見てたってことなのか。」

 自分の日頃の行いを反省していると、背後から現れたホーンラビットが角をヴァンの背中に狙いを付けて動き始めた。


「どっちを喰らっても死にそうだ。」

 既にヴァンのHPは風前の灯火だ。

 ヴァンは、諦めてキラービーに向けて盾を構えたままでいた。


 もう、すぐそこまでホーンラビットの角が背中に迫っている。


(じん)のアイス食べちゃってごめんなさい!」

 ヴァンは、自分がやられる前に懺悔する。


「『サンダーブレット』!」

 その時、クラウドの雷魔法がホーンラビットに直撃し、ホーンラビットを消滅させた。


「おいヴァン大丈夫か?」

 ヴァンの悲鳴が聞こえて来れば、キラービーとホーンラビットに襲われていたのか。


「クラウド〜。俺が悪かったよ。」

「何の話だ?」

「へ? 今の聞こえてなかったのか?」

「今のって?」

「……いや、何でもない。」

「……そうか。ヴァン。」

「な、何だ?」

「明日アイス買って来いよ。」

「聞こえてたんじゃねぇーーかよ!?」

「お前が勝手に吐いたんだろ。」

「マジでついてねぇーー。」

 やれやれ、人のアイスを勝手に食べやがって。

 ちゃんとアイスの袋に名前を書いておけば良かった。

 まさか食べる奴がいるとは、油断していたよ。


 俺は、ブンブンと羽音がうるさい蜂に目を向ける。


「キラービーか。お前じゃ相性が悪すぎだろ。」

「全然向かって来ねぇんだよ。」

「シャイン! ヴァンが毒を受けたようだ。回復を頼む。」

「分かった。『キュア』」

 シャインも騒ぎに気付いて近くに来ていたので、直ぐにヴァンに状態回復魔法を施す。


 すると、ヴァンの表情が和らぎ、体内から毒が無くなりHPの減少が止まる。


「助かったよシャインさん」

「後はHPね。『ヒール』『ヒール』『ヒール』。」

 シャインの連続ヒールにより、死亡ギリギリまで失われていたヴァンのHPが完全回復した。


「さて、ヴァンの仇を取らなきゃな。喰らえ『サンダーブレット』!」


 ブーン


「チッ!? 速いな。避けられるとは。」

 キラービーは、サンダーブレットを避け、毒針を放って来た。


「私がやるわ。『ホーミングアロー』!」

 シグレが後方から追尾する矢をキラービーに向けて放つ。


 キラービーはサンダーブレット同様に回避しようと、高速で移動するが、ホーミングアローはその動きに合わせて軌道を変え、遂にキラービーへと命中した。


「トドメよ。」

 スノウは、落下するキラービーへと突撃し、横一閃でキラービーの胴体を真っ二つに切り裂いた。


 モンスターの討伐を終え、その後もキノコを大量に確保した俺達は、川辺にあるという赤色の草を探しに移動を開始したのだった。



今回のおまけ


黒姫:いつも兄がお世話になっていますので、その御礼です。みなさんで召し上がって下さい。


神:気を遣わなくてもいいのに。


黒姫:これからも兄のこと、よろしくお願いしますね。


神:ああ、分かったよ。


黒姫:物がアイスなので、気を付けて下さいね。


神:分かった。休憩中に食べさせてもらうよ。



神:みんな差し入れ貰ったぞ。


風雅:ん? 差し入れ? ブツは何だ?


神:アイスだよ。


風雅:いいねぇーー! って、このアイスめっちゃ有名なヤツじゃんかよ!? 誰からの差し入れだ?


神:これか? 姫ちゃん、田黒姫からだよ。


風雅:な、なんだってーー!? 黒姫が来ていたのか!?


神:さっきまで受付にいたぞ。


風雅:何故呼んでくれなかった!?


神:寧ろ、何故呼ばなければならない。


風雅:ちくしょーー!


神:人数分あるな。番匠みんなに分けてくれ。


番匠:了解っス! うひょーー黒姫からの差し入れっス! ちょーーうれしーース!


巌地域課長(初登場):雲河原係長、ちょっといいかな?


神:分かりました。アイスは冷蔵庫に入れとくか。


神が部屋から出て行くと、風雅はブツブツと喋り出す。


風雅:......黒姫が来ていた。呼んでくれなかった。黒姫からの差し入れ。神、お前のアイスは俺が戴く!


番匠:あっ!? 桃木部長それ係長のっスよ!


風雅:これは罰だ! 俺には食べる権利がある!


番匠:へ? 後で怒られるっスよ。


神が部屋へ戻り冷蔵庫を開ける。


神:あれ? アイスが無い?


風雅:......。


神:なぁ風雅俺のアイス知らない?


風雅:さっき部屋を出る前に食べてただろ?


番匠:いや、それは無理があるんじゃねーースか?(小声)


神:そうだったっけ? あんまどんな味だったか覚えてねぇや。課長の話が長過ぎて疲れたよ。


風雅:お疲れさん。


神:はぁーー。課長の所為で味が思い出せん。


番匠:いや、係長食べてないっスから!?(小声)

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