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ダンジョン前のトラブル!?

おはようございます!

ブクマが増えました(^^)ありがとうございます(^ω^)

勝手になろうのランキングは、24位となりました(°▽°)!

ありがとうございますm(_ _)m


今回のおまけ分は、お昼頃に追加します(^^)

 俺とヴァンが事件を解決し、ギルドへ顔を出すと、知り合いを見つけた。


「スノウとシグレじゃないか? 」

「あっ!? クラウドとヴァン。」

「丁度良いところに!」

 丁度良いってどう言うことだ?


「何かあったのか?」

「東の森の中から洞窟型ダンジョンが見つかったそうなのよ。」

 シグレの話だと、ギルドで何か依頼をこなそうと訪れたところ、受付にいたプルクラさんから、ダンジョン発見の報告を受けたそうだ。


「どうせ暇なんでしょ? 一緒にダンジョン攻略しましょうよ。」

「どうせ暇ですよ。まぁ面白そうだな。行くかヴァン。」

「おうよ。俺の新技も試せるぜ。」

「決まりね。スノウ、勝手に決めちゃったけど良いわよね。」

「うん。」

 なら、この四人でダンジョン攻略に挑むのか。

 俺は前衛も後衛も一応出来るし、ヴァンとスノウは前衛、シグレは後衛だから、バランスは悪くないけど、回復役の後衛が欲しいところだな。


「……クラウド。私を置いて行く気?」

 うわぁ!? びっくりした。いきなり背後からひょっこり現れるなよなシャイン。


「置いていかないよ。シャインの力が必要だからな。」

「え? 私が必要。……そ、そうだよね。」

「シャインがいれば回復もバッチリだね。」

「ああ。頼りにしているぞ。」

「任せてよ。」

 これなら、俺とヴァンとスノウが前衛で、スノウとシグレが後衛と、バランスが良いな。



「それでは、皆さまで『ダンジョン調査』のクエストを受けられると言うことでよろしいでしょうか?」

「はい。」

 プルクラさんから、クエストの詳細を教えてもらうと、今回発見されたダンジョン内のマッピング、生息モンスターの把握、採取出来る素材の調査がクエストの内容だった。


 クエスト達成の判断は、報告した内容から判断されるそうだ。


「今回のダンジョンは、バーニング様のパーティーが発見されたものになります。」

 ああアイツか。

 ボス戦でも良い動きしてたからな。




「それと、先程クラウド様とヴァン様は、悪人を懲らしめたと報告が来ております。街の治安維持に貢献した為、街の長より報酬が出ております。」

 悪人を懲らしめたって、さっきの奴らのことか?

 ああ言うことでも報酬が貰えるんだな。


 俺とヴァンは、それぞれ1000マネを報酬として受け取った。


「あんなことでお金が貰えるんだな。」

「全くだ。」

「ねぇねぇ、何があったの?」

 俺とヴァンはシャイン達に、先程路地裏で起きた事件について状況を説明した。


「そんなことがあったんですね。」

「やるわね二人共。」

「さっすがクラウドね。」

 と、三人から褒められて悪い気はしなかった。


「それじゃあ、物資を買い揃えたら早速ダンジョン調査に向かおう。手持ちのお金も増えたことだし。」

「賛成。」

 こうして、俺達は行きつけのお婆ちゃんの道具屋で回復薬を買い揃えに向かった。




「だ、か、ら、回復薬を売ってくれって言ってんスよ!」

 ん? 聞き覚えのある声がするな。


 俺が道具屋の扉を開けると、何やら揉めているような声が聞こえてきた。


「仕方ないじゃろうに。現在回復薬は全て売り切れ中なんじゃよ。」

 は? 何だって? そんなことが起こるのか。


「婆ちゃん、ボケちまったっスか? 回復薬が売ってないゲーム何て、聞いたこと無いっスよ?」

 おれが扉を開け切ると、道具屋のお婆ちゃんとバーニングが言い争いをしていた。


「もう止めようバーニング。他の道具屋も売り切れだったんだから。」

 他の道具屋も売り切れだって? 一体何が起きているんだ。


「ちくしょう。折角ダンジョンを見つけたのに、回復薬が無いんじゃ、攻略なんて出来ねぇっスよ。」

「仕方ないよバーニング。」

 俺はバーニング達に事情を聞くために近付くことにした。


「久しぶりだな。」

「ん? ああ、ボス戦のヒーローッスね。」

「……ヒーローって。それより、回復薬がどこも売り切れって話は本当なのか?」

 回復薬が売ってないなんて、プレイヤーにとっては死活問題だぞ。


「ほんとっスよ。次に販売出来るのは、どこの店も1ヶ月後になるって言われたッス。」

「1ヶ月も掛かるのか?」

「そうなんスよ。誰かが買い占めたんス。」

 買い占めたって? ゲーム内の回復薬を? かなりのマネが必要なんじゃないか? 現状でそんなマネを持っているプレイヤーがいるとは思えないけど。


「買い占めた奴がいたとして、そんなに次の入荷までかかるのか?」

「在庫分全てを買って行ったからねぇ、お陰でうちは大儲けじゃ。」

 婆ちゃんは随分ホクホク顔をしているが、商品は売れたけど、それじゃ客が離れて行くぞ。

 実際の商売で、そんなことしていたら上手く行かないだろうな。

 それにしても、店頭に出している物だけじゃなく、在庫も全て買い占めてしまったということか。


「買い占めたプレイヤーが居たとして、そんなお金どこにあるんだ?」

 ヴァンの疑問は最もだな。


「現実の現金だろ。」

 この世界の武器や道具、その他色々な物は、ゲーム内の通貨以外にも購入する方法がある。

 それが現実の現金で購入する手段である。


「あっ!?」

 ヴァンも俺の説明で状況を理解したようだ。


「絶対、金持ちの仕業っスよ! 頭に来るっス!!」

 そうなると、回復薬を買い占めた金持ちがダンジョンを一番最初にクリアしようと考えているか、回復薬を独占して金儲けを考えていると言ったところか。


「バーニング!?」

 バーニングのパーティー仲間が道具屋へと駆け込んで来た。


 相当慌てているが、何かあったんだろうか。


「噴水広場で回復薬が売られているぞ!」

「な、マジっスか!? ランサー行くっスよ!」

 バーニングは、パーティー仲間の槍使いに声を掛けると、直ぐに噴水広場へ向けて駆け出した。


「俺達も行ってみよう。」

 道具屋に回復薬が売っていないなら、ここに居る意味がないからな。


 こうして、俺達もバーニングの後を追って、噴水広場を目指した。


 噴水広場には多くの人だかりが出来上がっていた。


「道具屋に回復薬は売っていないぞ!」

「回復薬はここでしか買えないよーー!」

「回復薬は数量限定だ! 早い者勝ちだよ!」

「回復薬は一個30マネだ!」

 噴水広場の中央に露店を出して、回復薬を売りさばいている集団を見つけた。


 アイツらが回復薬を買い占めた連中だな。

 一個30マネだと!? 通常価格の3倍じゃないか!?


「ふざけんじゃねえよ! 回復薬買い占めたのはテメェらだろ!」

「何が一個30マネだ! 3倍の値段じゃないか!」

「プレイの邪魔すんじゃねぇよ!」

 噴水広場に集まったプレイヤーから、罵声が飛び交う。


 この光景は当たり前だろうな。

 こんな迷惑な行為をする奴らがいるとはな。

 俺には、一個30マネの回復薬を買うプレイヤーがそんなにいるとは思えないけど。


「ほぉ、君達は回復薬は要らないということだな。なら、君達は一生回復薬を手にすることはないだろう。」

「どう言うことだよ!?」

「私達は回復薬を独占し続ける。次の入荷があれば、それも直ぐに買い占めるだけだ。」

 おいおい、そんなことされたら、奴らは回復薬だけでボロ儲けじゃないか!?


「ふ、ふぜけんなよ!」

 噴水広場で成り行きを見守っていたプレイヤー達の気持ちは、皆同じ気持ちだろう。


「何とでも言えばいいさ。さぁさぁ、回復薬を買いたい人は前に来て下さい。」

 すると、数名のプレイヤーが前に進む。


「回復薬30個下さい。」

「俺は40個。」

「僕は30個。」

「俺は100個くれ。」

 な、なんなんだコイツら? 30マネもする回復薬を大量買いだと!? 何かおかしい。


「毎度あり。いっぱい買ってもらえたから、どんどん数がなくなっちゃうなぁ。」

 そうか!? 狙いが分かったぞ!


 数名のプレイヤーが購入したことで、購入を悩んでいたプレイヤー達は、回復薬が無くなる前に購入しなくてはと焦り、回復薬を買うための長蛇の列が直ぐに出来上がってしまった。


 やられた。奴ら、人の心理を突いて来やがった。


「ど、どうするバーニング? 俺らも買いに行くか?」

「取り敢えず買えるだけ買って、ダンジョンに挑むしか無いっスね。」

 バーニング達も、ダンジョン攻略に向けて回復薬を購入するしかないと判断し、長蛇の列に並び始めた。


「おいクラウド。俺らも並ぼうぜ。」

「気に入らないな。」

「は?」

「アイツらのやり方が気に入らない。」

「そんなこと言ったって、回復薬を独占されちまったんだぜ? 今並ばないと回復薬無しでダンジョンに行くことになるぞ?」

 ヴァンの言うことも分かるが、俺はどうしてもアイツらの思い通りに動きたくなかった。


「先程回復薬を購入していた連中は奴らのグルだったアルよ。」

 いつの間にか、リンが俺の横に立っていた。


「リンか。やっぱりグルだったか。」

「なんだ? 気が付いてたアルか?」

「ああ。群集心理を利用したんだろう。」

「所謂サクラという連中アルな。」

 俺とリンの会話に、みんなは驚いていた。

 気付いてなかったのか。


「どうするアルか?」

「……考え中だ。」

 何か良い案はないだろうか。


「クラウド。回復薬って作れないのかな?」

 回復薬を作る? 材料があれば作れるのだろうか? 専門の職業や道具で何とか出来るのか? スノウの言葉に俺は考えを巡らせた。


「道具屋の話では、東の森に生えているキノコと薬草を調合すると回復薬が完成すると聞いたことがあるアルよ。」

「本当か!?」

「間違いないアル。」

「なら、道具屋の婆ちゃんに回復薬の詳しい材料と作り方を聞いて来よう。」

 こうして俺達は噴水広場を後にし、再び道具屋の婆ちゃんの元を訪ねた。


「回復薬の材料と作り方を知りたい? 変わった連中じゃの。」

 道具屋の婆ちゃんによると、東の森で全ての素材が手に入るとのことであった。

 体力回復薬の素材となるキノコは緑色で、薬草は森の川辺に生えている赤色の草の葉っぱ部分だそうだ。

 魔力回復薬の素材となるキノコは青色で、薬草は体力回復薬で使う赤色の草の根っこ部分になるらしい。


「材料は分かったけど、それでどうやって作ればいいんですか?」

「この調合キットを使えば簡単じゃよ。ただし調合の腕前が未熟じゃと粗悪な品となって、回復量は少なくなるんじゃ。逆に、腕が良ければ良質な回復薬となって回復量が多くなるんじゃよ。」

「調合キットはいくらするんですか?」

「1個100マネじゃよ。」

 俺達はお金に余裕もあったので、一人一個ずつ調合キットを購入した。


 今までお店で調合キットなんて見たことなかったんだけどな。


「調合キットなんて今まで売ってましたか?」

「いんや。つい先程入荷したんじゃよ。」

 コレは、タイミングが良過ぎないか? 運営が回復薬の独占に気が付いて、直ぐに調合キットを導入したというところか。

 対応が早過ぎるから、こうなることは想定していて、その対策として調合キットの仕様も出来上がっていたってことか。


 調合キットの存在に他のプレイヤー達も気が付いて、直ぐにアイツらの回復薬は売れなくなるだろう。


 あんな方法で金儲けする奴に腹が立った俺は、再び噴水広場へと戻った。


「道具屋で調合キットが売られている。それを使えば回復薬を作ることが可能だ。詳しくは道具屋に聞くといい。」

 俺の声が聞こえたプレイヤーが、更に周りのプレイヤーに伝え、長蛇の列は蜘蛛の子を散らすように無くなってしまう。


「良い情報をありがとうっス。あんな奴らから買わないで済んだっス。」

 バーニングや他のプレイヤーからお礼を言われていると、回復薬を買い占めていた連中が近付いて来た。


「何営業妨害してんだよ!!」

「そうだ!! まだ利益が出てねぇんだよ!!大量に売れ残っちまっただろが!」

「責任取りやがれ!」

 男達は口々に文句の言葉を吐き出して来た。


「貴方達が買い占めたりしたからでしょ。」

「売れ残りなんか知るかよ。」

「自業自得ね。」

 スノウ、ヴァン、シグレが直ぐに男達に言い返し、にらみ合いとなった。


「別に俺たちは営業妨害なんてしていないさ。道具屋に調合キットが導入されたのを知ったから、無償で情報提供したに過ぎない。言い掛かりは止めてもらおう。」

「くっ!? 」

 何も言い返せなくなったの、男達は黙り込む。


「行こうぜみんな。」

「覚えてろよ!!」

 背後で吠える男を無視して、俺達は東の森を目指したのだった。


先に、番外編のおまけを追加しました(>人<;)

こっちのおまけはまだです(>人<;)

夕方頃にこちらのおまけも更新しますので、おまけを楽しんでくれている方は、もう暫くお待ち下さいm(_ _)m



今回のおまけ


クラウド;回復薬を買いに行こう。


スノウ;賛成。


バーニング;何で回復薬が無いんスか?


婆ちゃん;全部買われちまったんじゃよ。


バーニング;くそッ! 回復薬無しでダンジョン攻略は不可能っス。


クラウド;そんな!? 回復薬を買い占めるなんて金、現時点で稼ぎ出せる額じゃないだろ!


スノウ;きっと現実世界の通貨で購入したのね。


クラウド;だって、いくら掛かるんだよ?


スノウ;さぁ、普通の人には無理ね。


バーニング;婆ちゃん、次の入荷はいつになるんだよ? 1週間後? 1ヶ月後?


婆ちゃん;明日じゃよ。


クラウド&スノウ&バーニング;へ?


婆ちゃん;じゃから、次の入荷は明日じゃ。


クラウド;……一日待てばいいのか。


バーニング;まぁ、一日だけなら待てるな。


スノウ;買い占めた人は何がしたかったのかしら?



ゴールド;俺様は天才だ。この回復薬を売りさばけば大儲けだぜ。


部下;流石ゴールド様。


ゴールド;だろ? さぁ、手分けして売りさばいて来い!


部下;へい。1個30マネで売りつけるんで、利益は購入額の2倍ですからね。


ゴールド;楽して金儲け出来るとは、このゲームは最高だな。



ー噴水広場ー


ゴールド;さぁ、早いもん勝ちだ。


部下;ここ以外じゃ回復薬は買えないぞ。


部下;今なら1個30マネだ。


部下;無くなり次第終了だよ。


サクラ役の部下;30個下さい。


サクラ役の部下;50個下さい。


プレイヤー;お、俺も買おうかな。


クラウド;アイツらが買い占めた連中だな。


バーニング;明日には回復薬も元通り店で買えるんスけどね。


スノウ;みんなに教えてあげる?


クラウド;ん〜、まぁ彼らも購入するのにかなりお金を使っただろうからな。


バーニング;楽して金儲けなんて、腹が立つっス。


クラウド;まぁそうだな。


バーニング;みんな聞くっス。そいつらが買い占めた回復薬は、明日にはまた道具屋で買えるっスよーー!


プレイヤー;な、何だと!? じゃぁ、高い回復薬なんて買う必要ないな。


ゴールド;な、な、な、何だとーー!?


部下;そんな!?


バーニング;残念だったっスね。まぁ回復薬を買い占めて儲けようなんて、考えが甘いんスよ。


ゴールド;ち、ちくしょーー!! 完全に損じゃねぇか!?


部下;ど、どうしますかゴールド様。


ゴールド;腹いせだ! アイツを殺せ!


部下;了解!!


バーニング;は? 俺に勝てるとでも思ってるっスか? 返り討ちっス!


クラウド;手を貸す。


スノウ;私も。


部下;がはぁっ!?


ゴールド;つ、強過ぎる!? だが、こっちには大量の回復薬があるんだよ!


部下;ふっかーつ!


クラウド;キリがないな。


スノウ;そうね。


バーニング;こういうのは親玉を先に倒すっス!


ゴールド;あぎゃ!?


バーニング;弱っ!? 一撃で終わりとは驚いたっス。


部下;ゴールド様ーー!?


クラウド;まぁ、楽して金儲けは出来ないってことだな。

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