表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/73

番外編〜1月10日今日は何の日?〜

本日の2回目の投稿は、番外編となります。

皆さん、今日は何の日でしょうか?

「毎年恒例の日がやって来たな。」


「そうだな。」

 今日は俺も風雅も日勤であり、制服姿である。


「この日をどんなに待ち望んだことか!」


「そんな待ち望むようなことだっけ?」

 この日は絶対仕事になるからどちらかと言うと、来ないで貰いたい日だと思うのだが。


「馬鹿野郎!? こんな大事な日に何を寝惚けたことを!」


「す、すまん。風雅。」

 そんなに風雅はこの日を大事に思っていたんだな。


「そうっスよ係長。桃木部長の言う通りっス。」


「番匠まで!? お前らそんなに仕事熱心だったんだな。」


 今日は何を隠そう、いや何も隠してはいないか。

 寧ろ一年に一度アピールしている日なんだが、何の日かみんなは勿論分かっているよな?


 そう、今日は1月10日。


 110番の日だ!


 毎年、110番の適正利用を呼びかける日なんだ。


 これは、1985年に警察庁が制定したらしい。

 未だに適正利用とは言えない通報が無くならないのが現状である。


 例えば……。


『自宅の鍵を閉めたか、確認してくれ!』

 確かに泥棒に入られたら大変ですよね。

 直ぐに確認に向かいます。

 あれ? 玄関空いてますけど、帰ってくるまでどうしろと?


『自宅の鍵を無くしたから開けてくれ。』

 家に入らないと大変ですもんね。

 直ぐに向かいます。

 あれ? 俺らも鍵は開けられませんよ? 泥棒じゃないんだから。

 呼ぶなら鍵屋さんですよね?


『彼氏が浮気したから怒ってください!』

 浮気はダメですね。

 分かりました直ぐ行きます。

 彼女を大切にしなさい。浮気はダメですよ。

 これ警察が言うことですかね?


『車がガス欠で動かない、ガソリン持って来て。』

 車はガソリンが無いと動きませんからね。

 かしこまり〜。

 いやいや、ロードサービス呼びましょうか?

 取り敢えず、手で押して道路端に退けますね。


『家の庭にヘビが出ました。』

 蛇の住居侵入ですね。

 直ぐ確保に向かいます。

 噛みつかれたら大変ですもんね。

 俺って、何の仕事だっけ?


『道に鹿がいます。』

 ここは、田舎で周りは山だらけですからね。

 直ぐ行きます。

 鹿ですね。

 どいて下さい。轢かれますよ! って、言葉通じませんけど?

 鹿とぶつかってもシカトしないで事故の届け出して下さいね。


『終電が無いから泊めてくれ。』

 朝まで長いですもんね。

 仕方ないですね。

 お泊りしますか?

 特に保護する要件はないですね。

 ホテルに泊まるとか、カラオケ屋で始発を待つか、タクシーをご利用下さい。


 本当に110番することでしょうか? 俺達が必要な現場に直ぐ駆けつけられるように、よく考えて通報して下さい。


 って、俺は誰に対してしゃべってんだ?



「来たぞ神!」


「来たっスよ係長!」

 ん? 何の話だ?


「今人気沸騰中の売れっ子アイドルの黒姫ちゃんだ!」

「俺めっちゃファンなんスよ!」

 お前ら、何でそんな団扇作ってんだよ!?


 俺達の目の前には、女性警察官の制服に身を包んだ、黒髪ロングストレートの美女が姿を見せた。


「もしかして? お前らの待望の日ってのは。」


「勿論、()()()()()()に決まってるだろ!」

「当然っス!」

 ……コイツら。


「あっ!? こっちを見てるぞ!?」

「こっちに来るっスよ!?」


「お久しぶりです。神さん。」

「久しぶり。大っきくなったね姫ちゃん。」

「も〜ぅ、ちゃん付けはやめて下さいよ。子供じゃないんですから。」

「そうだね。」

「それより、どうですかこの格好? 似合ってますか?」

「うん。バッチリだよ。こんな綺麗な女警(じょけい)なら、みんな捕まりたいんじゃないかな。」

「そうですか!? ありがとうございます!」

 こんな綺麗な女警が居たら、男性警察官は大喜びだよ。


 何故俺と姫ちゃんが、こんなフレンドリーに話しているかというと、姫ちゃんの本名は、田黒 姫(たぐろ ひめ)と言い、俺の元部下である刑事課の田黒慶次の妹だからである。


 田黒とは、よく遊ぶ仲だったので、何度か姫ちゃんとは面識があるのだ。



「神てめぇ〜黒姫の知り合いだったのか!?」

「何で言ってくれなかったんスか!?」

 うるさいな。


「言ったら絶対騒いだだろうが。」

「「勿論!」」

 はぁ〜。


「そろそろお時間です。」

 付き人が姫ちゃんに声を掛け、キャンペーンの準備に移動となる。


「分かりました。神さん、また()()()して下さいね。」

 デートって、田黒と一緒に遊んでただけだろ。


 姫ちゃんの一言で、火の付いた2人を(なだ)めるのに手古摺ったのは、言うまでも無いだろう。


 キャンペーンは滞りなく進行し、売れっ子アイドルとして、人気のある姫ちゃんを一目見ようと多くの人が集まった。


 はぁ〜一日警察署長で人気者に来てもらって、人を集めて110番の適正利用を訴えても、結局一日警察署長を見に来てるだけだから、殆ど話を聞いてる人がいないんだよな。


 まぁ、姫ちゃんが上手く呼びかけてくれたから、いつもよりちゃんと聞いてくれてる人が多かったかな。



「どうだった? 上手く出来てたかな?」

「ああ。バッチリだよ。」

「ホントに!? あ〜よかったぁ。緊張して肩凝っちゃったよ。」

「お疲れ様。」

 姫ちゃんに手を振って別れを告げた。


 さて、家に帰ってNMやるかな。

正解は110番の日でした!


新たにブクマ&評価の支援魔法ありがとうございます(^^)



風雅:遂にこの時が来たか!


神:そんな大袈裟な。110番の日ってだけだろ?


風雅:バカ言ってんじゃねぇ! この日がどれ程待ち遠しかったこたか!


神:え? そんなに?


風雅:ああ。胸の高鳴りが抑えられん。


神:そ、そうか。


風雅:来たぞ!


神:あの車って、今日の一日警察署長が乗ってくる車だよな。


風雅:ああそうだ! 今日は、売れっ子アイドルの黒姫ちゃんが来る日なんだよ!


神:あーー姫ちゃんね。


風雅:......ひ、め、ち、ゃ、ん?


神:いや、何でもない。


風雅:何だよ早く言えよ。


神:ん?


風雅:お前もファンだったんだな。ほら、団扇使えよ。


神:恥ずかしいだろ!?


風雅:照れんなよ。ほらほら。


神:まぁ姫ちゃんのことは応援してるからな。でも、俺らが団扇持ってたら変だろ?


風雅:それだけ歓迎してるって伝わるだろう。


神:市民の視線が痛いんだが?


風雅:何だよ連れねぇなぁ。そんなに恥ずかしいなら、あのグループに混ざって来いよ。


神:ん? いやいや、あんな完全追っかけの人達の中になんて入れるかよ!


風雅:そんなことじゃ真のファンとは言えないな。


神:はいはい。


風雅:ドアが開いたぞ!? いよいよだ。


神:......なぁ桃木、今日なんだけどさ。


風雅:今、話し掛けるな!


神:はぁ〜。


風雅:な、な、な、な、何で?


車から降りて来たのは、ハゲのお笑い芸人だった。


神:姫ちゃんは、昨日インフルエンザになったから来れないって、連絡があったんだ。


風雅:そ、そんなぁーー!? てか、神知ってたなら早く言えよ!


神:いや、言おうとはしたんだが。


風雅:やる気でねぇ、帰る。


神:帰るな仕事しろ!


俺は、事前に姫ちゃんから連絡が来ていたのだ。


『姫です(o^^o)一日警察署長に選ばれたから、神さんに会えるの楽しみにしていたのに、インフルエンザ_:(´ཀ`」 ∠):と診断されてしまいました(´;Д;`)残念です(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)』


『久しぶりに会えるの楽しみだったから残念だよ。お大事に。』


『私も警察官の制服着てみたかったな。゜(゜´Д`゜)゜。』


『きっと似合っただろうねo(^-^)o』


『ありがとうございます(//∇//)また、前みたいに家に遊びに来て下さいね(=^▽^)σ』


『元気になったらな!』


『やったーー(((o(*゜▽゜*)o)))♡楽しみにしてますねヾ(๑╹◡╹)ノ"バイバーーイ』


神:さて、仕事仕事。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ