事件発生?
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俺の目の前には、白袴に竹刀を構える対戦相手の姿。
「ヤァッ〜メ〜ン!!」
俺は、気剣体を一致させた面を繰り出す。
気剣体の一致とは気合、体捌き、竹刀の動きの三つが一緒になって打突することだ。
剣道の試合において、気剣体の一つでも欠けると有効打突とは認められない。
気は、簡単に言うと気持ちだ。
剣とは、正しく打つこと。
刃筋がズレていてはいけない。
体とは、正しい体捌き、体勢のことで、正しく踏み込んで打つことを指す。
剣道の基本である。
俺達は、暫く稽古を続けた後に面を取った。
正座している俺の下へ、白袴を着た対戦相手が正座する。
「ありがとうございました。」
「ありがとうございました。」
大野さんの礼に対して、俺も礼を返す。
剣道は、礼に始まり礼に終わる。
礼儀、礼節をもって試合に臨むことは、勝敗よりも重要だと言うことである。
「大野さん、また腕上げたんじゃない?」
何度か手合わせしてるけど、いつもより技のキレも良いし、身体の動きもスムーズだった気がする。
「私自身、そう感じます。」
「最近もしてるの?」
大野さんは練習熱心だから、よく自主練をしていると言っていたから、その成果だろうか。
「そうですねぇ、これといっしていないのですが。」
「そうなんだ。」
練習してなくて、あれだけ成長出来るものだろうか?
「係長もいつもより良い動きでしたよ。いい汗が掻けました。」
「そうかな。また宜しくな。」
NMで剣を振っているからかな? 確かに、身体の動きは良かった気がするな?
「はい。」
うちの暑では、俺の次に剣道が強いのが大野さんだから、いい練習になるよ。
「なあ、今の会話だけ聞いてると、お前らデキてるのか?」
「え?」
「はぁ?」
はぁっ? 何言ってんだ風雅の奴。
大野さんもびっくりしてるじゃねぇかよ。
剣道の鍛錬をしていたのは、俺と大野さんの2人だけだったが、風雅と番匠は道場に畳を敷いて柔道をしていたのだ。
「明らかに剣道の会話だろうが。」
「だって、感じますとか、してるとか、いい汗とか言ってだじゃんかよ。」
「何で、単語だけ拾うんだよ。アホか。」
「そうですよ。桃木部長、変なこと言わないで下さい。」
「悪りぃ悪りぃ。」
「なんだ違ったんスか。残念。」
「お前は何期待してんだよ番匠。」
「2人が付き合ったら面白そうだったんスけどね。」
何が面白そうなんだよ。全く。
「ゆっき〜!!」
「きゃっ!?」
なあっ!?
「ちょっ、あ、そこは、ダメ。」
白袴を着ている大野さんの胸が形を変え、揉まれている。
背後から大野さんに抱き付いて、胸を鷲掴みにしてる者がいるのだ。
「おい日影。それは犯罪だぞ。」
こんなところで、じゃれあってんじゃねぇよ。
大野が訴えたら性犯罪者だぞ。
「えへへへへ。ゆっき〜の胸は私のものだ。」
全然聞いてねぇし!
「や、やめてよ時雨ちゃん。」
大野さんの胸を弄んで楽しんでいる変態の名前は、日影時雨、お子ちゃまみたいな体型をしている卒配間もない新人で19歳だ。
「……神係長。今失礼なこと考えていませんでしたか?」
な!? 心の声が聞こえるだと!?
確かに、童顔で胸はまな板、身長は小学生に間違われるくらいしか無く、交通安全教室で、ランドセルを背負わせて演技させたら、爆笑を巻き起こす天才とか考えたけど。
「……さっきより失礼なこと考えてますよね!?」
日影さんは泣き顔になりながら、ポカポカと俺の背中を叩いてくる。
やれやれ、こういう行動が子供っぽいって言うんだよな。
それより、今の大野さんを見ていた風雅と番匠が鼻血出して倒れているんだが。
何で道場で流血事件が起きてんだよ。
「……大丈夫か大野さん。」
俺は倒れ込んでいる大野さんに手を差し出した。
「ぐすん。……はい。」
うっ!?
日影の所為で着崩れた白袴からは、大野さんの白い肌と谷間が見えてしまった。
結構、大きいんだね大野さん。
って、ごめん見ようとした訳じゃないんだ!?
「日影、ちゃんと謝れよ。」
「え〜私とゆっき〜のスキンシップですよ。」
「ふざけてないで、ちゃんと謝れ。」
「ぶ〜、ゆっき〜メンゴ〜。」
コイツは、反省してないな。
「……時雨ちゃん。ご飯一食抜きね。」
「そ、そんな殺生な!? ご、ごめんねゆっき〜!?」
「何だよ。日影は自分でご飯作ってないのか?」
「私の料理の腕は壊滅的なのだ!」
「自慢すんじゃねぇよ!」
「私も一度、時雨ちゃんの料理を食べたのですが、3日間寝込みました。」
「あ〜、前に体調不良で休みますって連絡あった時か!? 犯人は日影だったのか。」
「ゆっき〜許してよ。私にはゆっき〜が必要なんだよ!」
「もう、仕方ないな。今後はああいうことしないでよ。」
「……善処します。」
「善処しないで、誓えよ!?」
全く、何で俺には変な部下ばっか居るんだ。
俺は、剣道の汗をシャワーで流し、帰り支度をして署を出ようとしていた。
「あっ、雲河原係長お疲れ様でした。」
「おう、田黒お疲れ。」
コイツは、元俺の部下で、現在は刑事課の強行犯係で勤務している田黒 慶次だ。
田黒が俺の下にいた時は、良く遊んだもんだ。
「もう上がりですか?」
「ああ。刑事課は忙しそうだな。」
「ええまあ。そう言えば、係長が以前捕まえた刃物男なんですけど、担当していた調べ官に話を聞いたら、犯行動機は、今話題のVRMMOで武器を振り回す快感を覚えたって供述したらしいですよ。」
「マジか。確かに、あのゲームは自分で武器を振り回して敵を倒すからな。」
「そうなんですよね。発売間もないってのに、こんな事件起こされちゃ堪んないですよ。」
「全くだな。これからも同じように、あのゲームがキッカケになる事件が増えそうだな。」
フルダイブ型のゲームで得た快感が忘れられないんだろう。
「そのゲームと関係があるのかは分かりませんが、最近管内で犯罪が増加傾向にありますね。どこも警察も忙しくなってますね。」
「全部があのゲームと決めつける訳には行かないだろう。」
「そうなんですけどね。タイミング的には、あのゲームが発売してからなんですよね。このままじゃ、いつうちの警察署管内で殺人が起こることやら。」
「そうだな。警戒するに越したことは無いな。」
「係長のパトロールに掛かってます。発生させないのが一番です。」
「そうだな。まぁ、発生しちまったら田黒の出番だな。」
「そうならないように頼みますよ。じゃないと俺らの休みがなくなります!!」
「田黒の休みは知らないが、市民の為に頑張らせてもうよ。じゃあな。」
この時の俺は、VRMMOが世の中に与える影響を深く考えてはいなかった。
今回のおまけ
雲河原神:め〜ん!
大野雪:どぉおーー!
神:あちゃー。見事な抜き胴だ。
雪:ありがとうございます。
神:腕を上げたな。
雪:はい。最近(ゲーム内で)は剣を振り回してますので。
神:そうなのか。ゲームばっかしてると身体が鈍るからな。少しは身体を動かすか。
雪:その方がいいですよ。私は最近(ゲーム内で)結構戦っていますからね。
神:流石に1人じゃ稽古は出来ないな。取り敢えず素振りでもするかな。(あれ? ゲーム内でずっと素振りしてたら攻撃力とか上がるのかな?)
雪:素振りは基本ですからね。(あれ? ゲーム内で素振りし続けたら何か起きるのかな?)
神&雪:(今日試してみるか(みよう))
クラウド:ハッ! ハッ! ハッ!
スノウ:ヤァッ! セイッ! ハァ!
ヴァン:え? 何してんだ?
シグレ:素振りし続けたら、どうなるのか試してるそうよ。
ヴァン:そんな裏技があるのか!? 俺も盾を構え続けてみるぜ!
シグレ:え? 根拠はない筈......って、聞いてないか。
クラウド&スノウ:......疲れた。
シグレ:で、結果は?
クラウド&スノウ:......敵を倒そう。
シグレ:ダメだったのね。
ヴァン:うぉーー! 重てえぇけど、これも裏技の為!
クラウド:いや、ダメだったぞヴァン。
ヴァン:へ? そうなの?
クラウド:ああ。
ヴァン:早く言えよーー!?
シグレ:アンタが話し聞かないからでしょうが!
ヴァン:いってぇー!?
クラウド:ちゃんと人の話は聞くように。
ヴァン:あい。




