祝勝会でのハプニング!?
今回は、ちょっとドキドキするシーンがあるかも知れません\(//∇//)\
初イベントのランキングの発表もあります!!
少し長めです(^^)
俺達はボス討伐の祝勝会をするために、シグレの妹が経営しているカフェに足を運んだ。
因みにカフェの名前は、シロップだそうだ。
メイプルが経営している、シロップ。
繋げて読めば、メイプルシロップ。
まぁ、店のことはこのくらいにしておいて、メイプルは次々と料理を完成させ、俺達の前にはどんどん料理とお酒が並べられる。
鯛の塩釜焼き、ちらし寿司、トリュフ、フカヒレ、深海魚?、キャビア、ファアグラ、ステーキ、焼き鳥、ピザ、唐揚げ、フライドポテト、たこ焼き、焼きおにぎり、卵かけご飯? ホールケーキ。
ここカフェだよな? カフェって普通軽食しか出ないんじゃないのか? てか、料理のジャンルおかしいよね?
「ここってカフェだよね?」
俺の疑問は当然だろう。
「ゲーム世界なんだから、細かいことは気にしないの。それにしてもメイプルったら奮発してるわね。」
奮発してるって、確かにこの料理達は、凄くない? 色んな意味で。
「これめっちゃウメェぞ!」
「こんな豪華な料理始めてです!」
ヴァンとスカイはかなり、ガッついて食べてるな。
「どれどれ。 こ、これは!?」
確かに美味い!? こんな美味いもんは食べたことないぞ!
「どう? 美味しいかしら。」
何故シグレがドヤ顔してんだよ。
「かなり美味い。」
「メイプルは現実世界でも、料理が上手なのよ。いつも作ってもらっているんだから。羨ましいでしょ。」
だから何故シグレが威張る!
「そうなのか? メイプルは凄いな。」
「そうでしょ!」
なんか悔しい。
俺だって、そこそこ料理は得意なんだぞ。
一人暮らしが長いから。
なんか、悲しくなって来た。
「お兄ちゃんのご飯は、私が作ってあげるからね。」
シャインは優しいな。
シャインのご飯も絶品なんだよな。
「ありがとなシャイン。」
「一緒に住めば毎日作れるよ。」
「シャインの学校は俺の所からじゃ通えないだろ。」
「全然大丈夫!」
「父さんと母さんが、シャインがいなくなったら悲しむだろ。」
「……寧ろ応援してくれそうだけど。」
シャインの言葉はよく聞き取れなかったが、全くいつまでも兄離れ出来ない妹だな。
「クラウドさん。追加の料理です。」
メイプルさん、今度は煮物ですか? めっちゃいい匂いしてますよ。
「ありがとうございます。メイプルさんは料理上手ですね。いいお嫁さんになれますね。」
こんな良い子をゲッド出来た人は、ラッキー過ぎだね。
「えへへへへ。ありがとうございます。でも、お嫁さんになる前に、やりたいことにチャレンジしてみたいんですよね。」
「結婚しても、やりたいことにチャレンジ出来るだろ?」
「まだまだアルね。結婚したら、家庭に縛られて、やりたいことにチャレンジ出来る人間なんて限られているアルよ。」
えっと、リンって見た目は少女だけど、凄い説得力のある言い方だな。
本当の年齢が気になる。
「リンちゃん!! そうなんですよ!!」
「メイプルは、本当にしっかり者アルね。」
「自慢の妹よ。」
確かに、メイプルさんは、自慢できる妹だな。
うちのシャインも自慢の妹だけどな。
「シグレは、もう少し恥じらいを持つアル。」
「なんでよ?」
「そんなに胸を見せびらかす服を着ているからアル。」
確かに、この胸に、この衣装じゃな。
「いいじゃない。減るもんじゃないし。」
「変な男に襲われるアルよ。」
「返り討ちにするわよ。」
「最近の若いもんはこれだから。」
リン、語尾のアルはどこ行った?
「リンって、絶対年上でしょ。」
「秘密アル。」
まあ、リアルの歳を聞くのは失礼だな。
「悪かった。もう聞かないよ。」
俺はリンに謝り、スノウの横の席へと移動した。
「クラウドのキングゴブリンに放ったあの技は凄かったね。」
「サンダースラッシュのこと?」
「うん。あれはかなりの威力でしょ。」
「攻撃力だけじゃなく、魔力も上乗せになるから、かなりのダメージを出せるんだよ。」
そう言えば、バーニングも槍に火を纏わせて攻撃していたような? あれも似たような技なんだろうな。
「あれは、反則だよな。正に勇者に相応しい技だ。」
「え? クラウドって勇者なの?」
あっ!?
おいおい、人の職業を勝手にバラすなよな。
然も、ヴァンがそんな反応しちゃったら、勇者みたいなとかって言って誤魔化せないだろ。
「……ヴァンが言っちまったから仕方ないか。俺の職業は勇者だ。ネットでも勇者の職業は見かけていないし、職業が激レア指定だった。」
「すっごーい!? 勇者なんて職業聞いたことないよ?」
「凄いですね。」
「相当レアな職業アルな。」
シグレとリンにも聞こえてたか。
「まぁ選択出来る職業が勇者しか無かったから、他に選択の余地は無かったよ。」
「羨ましい。」
シグレは、どんな職業なんだろう? 弓関係なのかな?
「そ、そうだね。」
なんかスノウの反応が変だな?
「いや、スノウも激レアでしょうが!」
え? そうなのか? シグレはスノウの職業を知ってるのか?
「う、うん。私の職業は剣聖です。私もクラウドと同じで、職業はこれしか出なかったの。」
剣聖か〜、カッコいいな。
「スノウの剣の腕なら、剣聖ってのも頷けるな。」
「私なんて、まだまだだよ。」
アットホームな感じで祝勝会は続き、不意にメッセージが届いたのに気がついた。
「運営からメッセージが届いたぞ。」
「ランキングの結果発表みたいアルね。」
『初イベントお疲れ様でした。これより部門毎のランキングの結果発表を行います! 尚、報酬については本人が直接ギルドへ赴いて受け取って下さい。』
「誰かランキング入りしている人がいないかな?」
「絶対、クラウドは入ってるよ!」
「お、おう。シャインありがとな。」
「じゃあ、ランキング入りしてた人は、一気飲みな!」
ヴァンの奴なんてことを。
「「イェーイ!!」」
然もみんな賛成なんだな。
「じゃあ、最大攻撃値部門からだな。」
『最大攻撃値ランキング。第1位クラウド、第2位リン、第3位破壊神、第4位殺し屋、第5位メガネくん。』
第5位の人、メガネに拘りがあるんだろうか? ってか、メガネってインテリなイメージなのに、攻撃値で5位ってすげぇな。
「すげぇ!! クラウドが1位でリンが2位に名前があるじゃんかよ!」
おお!? 俺の名前もあったか。
てか、リンに負けたのか?
「クラウドもリンも凄いね!」
スノウは、自分のことのように喜んでいた。
「ん? 大したことはしてないアルよ? ゴブリンに普通に突きを放っただけアル。」
いやいやそんな、普通の突きでランキング4位って、どんな攻撃力してんだよ。
「シャインのアタックアップと、キングゴブリンに防御ダウンの魔法を掛けてくれた人のお陰だよ。」
「それでも、ランキング1位は大したものアルよ。」
「ただの突きでランキング2位の人に言われてもねぇ。」
「やはり、勇者はランキング入りしていたな。」
「名前で言ってくれよヴァン。」
職業で言うとか嫌味か!
「おめでとうクラウド!」
「ありがとう、シャ……、これを飲み干せと?」
大きいグラスに並々に注がれた
「はい。グイッと!」
ごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごく
「ぷはぁっキッツ!! これ濃過ぎじゃね?」
「良い飲みっぷりですクラウド。」
俺がジト目でシャインを見ていると、そそくさと退散し、何やらメイプルと握手していた。
一体何があったんだ?
俺が一気飲みしている間に、リンも俺と同じものを一気飲みさせられていた。
「ぷはぁ〜美味いアル!」
コイツ、ぜってぇのんベェだろ!
「次行ってみよう〜!」
なんかシャインがノリノリだな。
『最大コンボ数ランキング。第1位スノウ、第2位シグレ、第3位ロック、第4位ゴンザレス、第5位メガネくん。』
「スノウとシグレがワンツーだ。おめでとう。」
「ありがとうクラウド。」
「私の連射にかかればこんなものね。」
てか、またメガネくんがランクキング入りしているし。
どんだけ凄いんだよメガネくん。
「おめでとうございます。スノウさん、シグレさん。」
スノウは、2人にも大きいグラスを手渡す。
「「ありがとう。」」
2人とも一気にグラスのお酒を飲み干す。
2人とも良い飲みっぷりだねぇ。
「次は、討伐数ランキングだな。」
『 討伐数ランキング。第1位バーニング、第2位破壊神、第3位ミナゴロシ、第4位クラウド、第5位リン。』
おお!! またランキング入りしてた!
「おめでとうクラウド。」
「おめでとうございますクラウドさん。」
「おめでとうクラウド。」
「やるなぁ勇者!」
「流石勇者ね。」
「さ、さすがですクラウドさん。」
勇者で弄るな!? 名前で呼んでくれるのはシャインとスノウとスカイとメイプルだけだよ。
「リンも結構倒したんだな。」
「取り囲まれたから仕方なかったアルよ。」
「俺らも取り囲まれた。あれで結構稼いでたんだな。」
俺らを助けてくれたバーニングは、第1位か。
ここに来て、メガネくんがランキングに入れなかったのか。
「はい。クラウド。」
「あ、ありがとう。」
またしても、シャインは俺とリンに大きいグラスで並々のお酒を手渡す。
「カァー!! だから酒が濃いって!!」
「美味いアル。」
リンとは、絶対サシで飲みたくないな。
「続きまして、受傷ダメージランキングだ。」
『受傷ダメージランキング。第1位スカイ、第2位ダウン、第3位ドM、第4位変人、第5位メガネくん。』
「スカイ第1位だぞ!!」
「あ、ありがとう、ございます? なんか、喜びにくい部門ですね。」
「シャインを助けてくれた時の攻撃だろうな。ありがとなスカイ。」
「いえ、シャインさんは回復の要でしたから。僕なんて落ちこぼれ魔法使いですから。」
「そんなこと言うなって。ほら、一気に飲め。」
「あ、ありがとうございます。」
スカイも良い飲みっぷりで、俺の手渡した大きいグラスに入った酒を飲み干した。
一応、ツッコンでおくけど、3位と4位の名前おかしいだろ!?
後、まだメガネくん出てくるのね!
「さぁ、回復魔法ランキングだ。これはシャインさんに期待だな。」
そう言うこと言って、ランキング入りしてなかったらどうすんだよヴァン。
『 回復魔法ランキング。第1位シャイン、第2位呪い、第3位聖女、第4位性女、第5位メガネくん。』
やった! シャインが1位だ!
ん〜2位の名前は回復っぽく無いんだけど? 何故呪い?
てか、4位の人変換ミスですか!? その字はダメでしょ!
そして、メガネくん。君はどんだけ万能なんだ。
「やったなシャイン。」
「はい。ありがとうございますクラウド。」
「シャインのヒールが無かったら、危なかった時が何度もあったからな。」
「私が何でも治してあげますよ。」
「俺からはこれをあげるよシャイン。」
俺はシャインに並々にお酒の入った大きめのグラスを手渡した。
「え、えっと。」
「一気に飲めよシャイン。」
ごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごくごく
良い飲みっぷりだな。
「ふわぁ〜、兄さんが3人に見えるぅ〜。」
流石にこれはキツかったか?
シャインは俺の腕に絡みついて身体をくねらせて来る。
「さいご〜行ってみようぉ〜!」
シャイン呂律が回ってないよ!? お酒弱いんだな。
リアルじゃ飲ませたことないからな。
『 ボス討伐貢献度ランキング。第1位クラウド、第2位スノウ、第3位ヴァン、第4位シャイン、第5位バーニング。」
「1位から4位まで独占だな!」
「初のランキング入りだぜ!」
「ヴァンさんおめでとうございます。」
「ありがとうスノウさん!」
「やっぱ勇者がボス倒したから第1位かぁ。俺の盾のお陰だろ?」
「そうだな。ヴァンの活躍があったからだな。」
「もっと褒めろ。ホレホレ!」
「うざい。」
「皆さん、おめでとうございます。さぁどうぞ!」
メイプルがここにいる人数分のグラスを盆に載せて差し出して来た。
「メイプルさん。コレ、更に大きくないですか?」
「気のせいですよ? ささ皆さんでどうぞ!」
気のせいだろうか? 俺も良いが回って来たのかな?
俺とシャイン、ヴァンとスノウの4人以外のメンバーもメイプルさんが用意したグラスを一気に飲み干した。
あ、……コレダメなヤツ。
俺の意識は次第に遠のいて行った。
しばらくして目を覚ますと、横たわる俺の横に、綺麗な銀色が目に入ってきた。
……綺麗な色だな。
俺は回らない頭で状況を整理し、酒の勢いで寝込んでしまったことに気がついた。
ゲームの世界でも、お酒を飲み過ぎると寝る設定とかあるのかよ。
俺が身体を起こそうとした時に事件は起きた。
「う、う〜ん。」
甘い香りが俺の鼻をくすぐり、俺の身体にはきめ細やかな肌が絡みつく。
更に唇には柔らかい感触と温もりが伝わってくる。
え?
す、スノウ?
横で寝ていたスノウが寝返りをして、そのまま勢い余って俺に抱きつき、俺の唇とスノウの唇が触れ合っていたのだ。
「……。」
「……。」
スノウは目をパチクリさせ、俺と見つめ合う。
「きゃーー!!」
スノウの叫び声で、目を覚ましたシャインに何が起きたのかと問い詰められたが、答えることは出来なかった。
「……私の作戦が。」
シャインが何かボヤいていたようだが、俺は先ほどのことで頭の中が一杯だった。
「若いアルなぁ。」
一部始終を見ていたりんは、呑気に酒を飲み続けていたのだった。
今回のおまけ
シャイン;メイプルさん。ご相談があります。
メイプル;どうしたんですかシャインさん?
シャイン;みんなが飲むお酒を強めに作ってくれないかな?
メイプル;え? 強めにですか?
シャイン;折角の祝勝会なんだから、酔わなきゃ損じゃない。
メイプル;そうですね。分かりました。
シャイン;ありがとうメイプル。(ふふふ。酔ったお兄ちゃんを私が……)
メイプル;う〜ん。強いお酒ねぇ。これくらいでいいかな? うわっ濃すぎたかな? でも、これくらいでいいよね?
シャイン;メイプル完成した?
メイプル;完成したよ〜。
シャイン;どれどれ。少しだけ。うっ!?
メイプル;シャインさん? 大丈夫ですか?
シャイン;......。
メイプル;誰か回復を!?
シャイン;……。
メイプル;あ!? シャインさんが回復役でした!?
クラウド;シャイン大丈夫か!?
メイプル;結局、酔わせるつもりがシャインさんが潰れちゃいましたね。
クラウド;何のことだ?
メイプル;いえいえ。膝枕してあげて下さい。
クラウド;? おう。
シャイン;えへへへへ。




