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レイドボス〜決戦前〜

ブクマ、評価の支援魔法を掛けて下さり、ありがとうございます٩( 'ω' )و

……え? まだしてない?


ボタンをポチッとしてもらえると、魔法が発動しますよ!


登録していない方は、魔法のボタンがありませんが、PV数の魔法を掛けていただきありがとうございます☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆


外は寒いですが、作者の心は温まります(((o(*゜▽゜*)o)))


「この洞窟がゴブリンの巣だな。」

「間違いないだろ。」

「前に来た時には無かったからね。」

「い、いよいよですね。」

 俺達の目の前には、洞窟への入り口が大きく口を開けている。


「HPは満タンだよな?」

 俺の視界の右上にはパーティーメンバーのHPも表示されている。


「勿論。」

「回復アイテムは残り少ないけどね。」

「だ、大丈夫です。」

 回復アイテムの消費が思ったより多かったからな。


「なるべくアイテムは節約して進もう。」

 俺とヴァンが、シャインとスカイの前を歩く形で洞窟内へと歩を進めた。


「薄暗いな。」

「だな。」

「でも、見えないことはないね。」

「ちょっと不気味ですけどね。」

 スカイの言うように、この薄暗い感じが余計に恐怖心を煽っている。


 視界は数メートル先しか見えないので、いきなり敵に襲いかかられてしまう状況だ。


「今のところ一本道だから、ヴァンは盾を構えて、先頭を頼めるか?」

「了解した。シャインさんの身は俺が守る。」

「ありがとうございますヴァンさん。」

 いやいや、ちゃんとみんなのことを守ってくれよ盾役なんだから。


「「キィキィ!」」

「うおぉ!?」

 ゴブリンだけじゃなくて、バットも出てくるのかよ。

 コイツは、前回の鉱山の時も、上空を飛び回って倒しにくかったんだよな。


「ヴァンそのまま盾を構えててくれ!」

「了解!」


「喰らえ! 『サンダーブレット』!」

 俺は掌をバットへ向けて、新しく覚えたサンダーブレットを放つ。


「キィぃー……。」

 命中だ。やっぱり遠距離攻撃があるとかなり楽だな。


 俺は、更にサンダーブレットを放ち、残りのバットも難なく倒した。


「攻撃魔法カッコイイな!」

「さっすがクラウドね。」

「ぼ、僕も早く攻撃魔法を使いたいです。」

 確かに攻撃魔法は便利なんだけど、一体ずつしか攻撃出来ないところがもどかしい。

 もっとレベルが上がれば全体攻撃魔法とかも使えるようになるかもな



 しばらく進むと、少し開けた場所に到着した。


「ここは少し広い空間だな。」

「まだゴールじゃなさそうな感じがすんな。先に通じる穴があるし。」

「休憩場所なのかなぁ?」

「少し疲れましたね。」

 ヴァンの言うように、広い空間の先に、穴が空いており、まだ先がありそうだ。


「まだボス戦前の門に辿り着いてないから、もうちょっと頑張ろうぜ。」

 俺が広間へ入ると、突如目の前にモンスターが出現する。


「「「「ギギィ!」」」」

 現れたのは、ゴブリンソード、ゴブリンランサー、ゴブリンアーチャー、ゴブリンマージの4体。


「コイツらに勝てないようじゃ、ボス戦に挑む資格は無いってことかな? やるぞ! ヴァン、マージをやれるか?」

「任せろ!」

「頼む。俺がランサー、シャインがソード、スカイはマージを!」

「了解!」

「は、はい!」


 俺達が駆け出すと、ゴブリンアーチャーの矢とゴブリンマージの火魔法が放たれる。


「魔法は俺に任せろ! 『ウインドシールド』!」

 ヴァンが新技のウイングシールドを発動し、ゴブリンマージの火を弾く。

 ヴァンの新技は、魔法使い殺しだな。

 味方としては、頼もしいけど。


「ハアッ! スカイ、次の矢を打たれる前がチャンスだ!」

 俺は、ゴブリンアーチャーの矢を銅剣で打ち落とす。


「はい!」

 スカイは、速度を上げてゴブリンアーチャーへと詰め寄り、接近戦を仕掛ける。


 接近戦になれば、スカイでも問題なく勝てるだろう。


 俺の方は、相手の獲物のリーチが長い気を付けないとな。


「ギギィ!」

「甘い! 『サンダースラッシュ』!」

 俺は、ゴブリンランサーが槍で突いて来たことから、銅剣で軌道を逸らし、そのまま魔剣技を打ち込む。


「ギィィーー......。」

 獲物が長い分、間合いを詰めればこっちのもんだけどな。


 みんなはどうだ?


 俺がみんなの状況を確認すると、丁度みんなも敵を倒し終えたところだった。


「問題無く勝てたな。」

「楽勝楽勝。」

「油断するなよヴァン。流石にボスはこんな楽には倒せないからな。」

「分かってるよ。」



 その後も何度か戦闘になったが、苦戦せずに洞窟内を奥へと進むことが出来た。



「お? あの先は明るくなってる。」

 俺達はついにボス戦前にある門まで辿り着いたのだ。


 門の前の広間には、既に16名のプレイヤーの姿があった。


「やっと、次のプレイヤーが来たか。俺の名はナイトだ。門の前に立つとボス戦のルールが表示される。それによるとあの門を一度に潜れるのは30名が限界のようだ。俺のパーティーが一番早く辿り着いたから、この場は仕切らせてもらう。」

 俺達に近付いて来たのは、騎士のような見た目をした青年だ。


 何だこいつ? まぁ一番早く辿り着くだけの実力はあるんだろうし、他のプレイヤーも文句を言ってないようだから、この場は大人しく従うとするか。


「……俺はクラウドだ。30人揃うまで待つ予定なのか?」

 取り敢えず、今後の予定は知っておきたい。


「勿論だ。最後の奴らで人数をオーバーしたら、そのパーティー内で人数調整はしてもらう。」

 そこら辺は公平なんだな。


「了解した。ボス戦の配置はどうする予定なんだ?」

 キングゴブリンとその取り巻きを相手にしなきゃならないから、取り巻きの相手も事前に決めておいた方が素早く対応出来るだろう。


「ボス戦の配置? 前衛と後衛で戦うだけだろ? ボスっつても、ただのゴブリンだろ? ボスゴブリンより少し強い程度なんだから、そんなに考える必要無い。」

 前衛と後衛で戦うのは分かるけど、挟み撃ちされたらどうするんだ?

 後衛の後ろからボスの取り巻きが現れたら、後衛じゃ対処が厳しいだろ。

 ボスゴブリンより少し強い? いやいや、このイベントの親玉なんだから、そんな簡単に行くわけ無い。


「ボスの取り巻きの相手は、決めておいた方がいいんじゃないか? ボス相手に前衛後衛の配置をして、背後を取られると後衛が厳しいだろ。後衛がやられたら、前衛も厳しい戦いになるぞ。」

「あ〜そう言えば取り巻きもいたんだったな。なら、取り巻きはこの後来た10人に担当させる。」

「そうしてもらえると助かる。取り巻き担当の10人は最初は背後を警戒してもらって、もし取り巻きがボスの脇に現れれたなら、背後の警戒を止めてそのまま取り巻きを倒してもらおう。」

 こうすれば、後ろの心配をしないで済むし、取り巻きに邪魔されることもないだろう。


「それじゃ、そう言う方向で。」

 ナイトは俺との会話が終わると、パーティーメンバーの下へ戻って行った。



「お兄さん、中々良いこと言うッスね。」

 ん? 俺達が囲まれてたところを助けてくれた、赤髪の槍使いか。


「事前準備は大事だぞ。やっぱりあんたらもボス戦に来てたんだな。」

「折角ボスの情報を入手したのに、挑まない手は無いッスよ。」

「それもそうだな。」

「そうっスよ。俺らは、廃人プレイヤーからの情報をもらったんスけど、ガセじゃなくて良かったッス。」

 どっかで、聞いたような話だな。

 まぁ、このゲームにドップリ浸かってる廃人は沢山いそうだな。


「そりゃ良かったな。」

「ボス戦の対策まで考えてあるのか?」

「ボス戦の対策っスか? 考えてねぇっスよ。当たって砕けろっス!」

「おいおい、砕けちゃダメだろ。」

「そっスね。砕くのはボスにしとくっスよ。」

 猪突猛進タイプな人だな。


「俺はクラウドだ。宜しく。」

「俺はバーニングっス。」

 俺とバーニングは握手を交わし、バーニングは自分のパーティーへと戻って行った。


 俺が門の前まで移動すると、ボス戦のルールが表示された。


『挑戦者なし』

『これより先は、ボス戦となります。一度にボス戦に挑める人数は30名までです。この門は一度潜るとボスを撃破しない限り開きません。また、既に挑戦者がいる場合は、ボス戦中と表示され、挑戦者の生存人数が表示されます。挑戦者が生存中は中に入ることは出来ません。中の挑戦者が全滅した場合は、次の挑戦者が中に入ることが可能になります。』


 中に挑戦者がいる場合は、次のグループは待たないといけない訳か。



「……。」

「やっと着いたぁ〜。」

 女性プレイヤー2名が辿り着き、ナイトが俺の時と同様の説明をする。


 1人はフードでよく顔が見えないけど、胸があるから女性かな? 武器は剣か。

 もう1人は、……随分と立派な胸だな。


 立派な胸をしている方は、青髪のロングストレートで身長は高く、その存在を主張している大きな胸、露出の多い服を身に纏い、弓を片手に持っていた。



「なぁ、クラウド。アレはやべぇな。」

「ん? アレって?」

「何惚けてんだよ。あの青髪ねぇちゃんの胸だよ。」

「ああ。立派だな。でも、ゲームのアバターだからな。」

 現実世界で、あの大きさの人と接する機会は無いな。


「そりゃそうだけど。ちょっと挨拶でもしてくるかな。」

「おいおい。ボス戦前にナンパすんなよ。」

「え〜お堅いなぁ。じゃぁボスを華麗に倒してからナンパする。」

「お前、盾役なのに、どうやって華麗に倒すんだよ?」

「盾に秘められた力を解放して。」

「……。」

「無言に何なよ!? ボスのHPがミリになったとこで、シールドアタックでラストアタックを奪うのさ。」

「……お前なぁ。」

「俺は、盾役だぞ。一番ボスの近くに居る。タイミングが合えば俺のラストアタックは俺のものだ!ははははは。」

「まぁ、やれるもんなら、やってみろ。」


 その後もプレイヤーが集まり、後3人で定員の30人になるところだった。


「やっと辿り着いたぜ!」

 プレイヤーが4人? 1人オーバーしちまったか。


 ナイトが最後に到着したパーティーへと近付き、同じように説明する。


 折角4人でパーティー組んでここまで来て、1人だけ外せるものだろうか?


「あ? 何でそんなことに従わないといけねぇんだよ!?」

「だから、俺達が先に着いたんだ。定員は30人。最後に着いた君達のパーティーから1人抜けてもらう。」

「ふざけんな。俺のパーティーは1人も抜けさせないぞ。」

「なら、この場から立ち去れ。」

「お前に言われる筋合いは無い! 行くぞお前ら!」

「ま、待てお前ら!? 誰か止めろ!」

「邪魔すんじゃねぇ!」

 最後に辿り着いたパーティーは、ナイトのパーティーを突き飛ばし、勝手にボス戦の門を開けて中へと入ってしまった。


「おいおい。どうすんだよ!? お前がこの場は仕切るんじゃなかったのかよ! 先越されてんじゃねぇかよ!」

 これまで黙ってボス戦待ちをしていたプレイヤーが、ナイトへと摑みかかる。


「い、いや、こ、こんなことになるとは。」

「ふざけんな! これでアイツらがボス倒したらどう責任取ってくれんだよ!」

「せ、責任!?」

「取り敢えず、お前のパーティーの有り金全部いただくからな!」

「ごほごほっ。そ、そんな。」

 そこまでムキになるなよ。全く。


「ちょっと良いかな?」

「何だよ? お前も取り分寄越せってか?」

「そうじゃ無い。アイツらじゃボスは倒せないだろうから、この話は無駄なんじゃないか?」

「はぁ? 何でそんなこと言い切れんだよ!」

「このボス戦は、30人の制限付きだ。運営が今のプレイヤーの実力じゃ、30人居ないと勝てないと判断したからだろ? それを4人で倒せるとは思えない。それに、ナイトが悪い訳じゃ無いだろ。アイツらが勝手に突っ込んだんだから。」

「そ、そんなこと分かんねぇだろ!?」



「お〜い。ボス戦中の表示が消えたぞ。もう全滅してるぞ。」

 流石ヴァン。確認していてくれたか。


「だ、そうだけど。」

「チッ! 次はヘマすんじゃねぇぞ!」

 何とか引いてくれたか。


「す、すいません。助かりました。」

「いや。まぁ、仕方ないよ。次が3人だといいな。」

「は、はい。」

 ナイトは、この場を仕切るために強気で発言していたけど、本当はあまり気が強く無いみたいだな。



「よっし! やっとボスだな。」

 青年2人のペアが辿り着き、ナイトが同じように説明し、いよいよ定員まで後1人となった。


 1人でここまで来るプレイヤーなんているのか?

 また、揉めなきゃ良いんだけど。

 ナイトも気が気でないのか、落ち着きがなさそうだ。


「ゴ〜ル!」

 最後に辿り着いたのは、チャイナドレスを着て、左右にお団子を作った髪型をした小柄な女の子1人だった。


 嘘!? ソロで抜けてきたのか? ってかチャイナドレスなんて売ってるんだな。

 防御力あるのか、アレ?


「えっと、君は1人なのか?」

「うん。私1人アル。」

「そ、そうか。凄いな。」

「もっと褒めるアルよ。」

「この後のボス戦なんだけど……。」

 ナイトの説明を聞いて、少女は少し拗ねたように頬を膨らませていたけど、最後に着いた自分の実力不足と納得してくれた。


「取り巻きを倒したら、ボスとやっても良いアルね?」

「も、勿論。」

「よ〜し。私やっちゃうアルよ。」

 何とも頼もしい女の子だ。


「か、可愛い。」

 ヴァン、お前のストライクゾーンが分からん。

 触れないでおこう。


「よし。これで30人揃った。俺達の力でボスを倒そう!」

「「「おおーー!」」」

 こうして、俺達は門を潜りボス戦への挑戦を開始したのだった。

今回のおまけ


クラウド;やっとボス戦前まで辿り着いたぜ。


ナイト;俺に従え!


クラウド;へ?


ナイト;俺に従え!


クラウド;何で?


ナイト;俺達が一番最初に着いたからだ!


クラウド;え? 一番だとそんなに偉いの?


ナイト;い、一番最初に着いたんだから偉いだろ?


クラウド;いや、別に。なぁヴァン。


ヴァン;一番最初が偉いとか知るか。


シャイン;偉そうにしないで下さい。


ナイト;ご、ごめんなさい。


クラウド;で? 何を従えと?


ナイト;ボス戦は30人の人数制限があるので、30人まで待って下さい、と。


クラウド;なんだそんなことか。最初からそう言えよ。


ヴァン;全くだぜ。


シャイン;最初からそう言って下さい。


ナイト;ぐすっ。


スカイ;げ、元気出して下さい。


ナイト;き、君は優しいんだね。ど、同志だ!


スカイ;い、いや、同志はちょっと。


男;やっと着いたぜ!


ナイト;俺に従え!


男;はあ? 舐めてんのかコラ!


ナイト;ご、ごめんさな〜い。


男;お前が俺に従え!


ナイト;ひっ!? は、はい。


男;全員俺に従え! がはははは!


少女;ゴ〜ル!


男;へぶしっ!! dead


男の仲間;あ、兄貴ーー!!


少女;え? 出口に止まってちゃダメアルよ〜女の子は急に止まれないアルよ。


男の仲間;テメェよくも兄貴を!!


少女;いや〜ん。こんな可愛い女の子を男達が寄ってたかっていじめようとしてるアル。


男の仲間;うらぁ!


少女;……金髪のお兄さ〜ん助けアル!


クラウド;え? 俺? はぁ〜。お前らこんな少女にそんなことして恥ずかしくないのか?


男の仲間;うるせぇ! だいたいそんな見た目でもムサイ男がログインしてるかも知れねぇだろうが!


クラウド;え?


少女;デリートします。


男の仲間;うっ! dead、dead、dead


クラウド;いや、金的は反則だろ。


少女;失礼なこと言うからです。


ヴァン;……俺も蹴られたい。


クラウド;怒るとアルが抜けるんだな。

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