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ボスゴブリン〜諦めないで〜

初日最後の投稿です(^^)

閲覧、ブクマ、評価、ありがとうございます( ^ω^ )

お陰様で、VRジャンルでランキング入り出来ました(^人^)感謝です。



さて、今回は武器の素材集めのお話です(^^)

 俺達は、シャインに案内されるがまま、シャインの工房へと辿り着いた。


「ここが武器や防具を作れる工房よ。」

 特に何もない殺風景な部屋だな。

 鍛治なんて、よく分からないけど、なんか道具とかいるんじゃないのか?


「し、シャインさんは、ここで武器を作っているんですね。凄いです!」

 ヴァンよ。何でそんなに緊張感しているんだ? 鍛治に興味があったのか?


「じ、実は、まだ一度も作ったことがないのよねぇ。材料も中々ドロップ出来ないみたいだし。鉱石を取りに行くにも、レベルを上げてからじゃないと往復するのが大変みたいなのよ。」

 ……光。未経験者だったのか。


「つ、つまり、シャインさんの始めてがもらえる訳ですね!」

 ん? ヴァンの発言がおかしいような。


「そうね。私の初めてはクラウドに贈るわ。」


「俺が一番か。ありがとな。」

 光の頭を撫でてやると、嬉しそうな顔をしていた。

 猫みたいだな。


 !? 今、凄い殺気を感じたんだが? 気のせいか?


「それで、防具なんだけど、何か素材は持っているの?」


「あるぞ。」

 俺は、ウルフの毛皮とワイルドボアの毛皮を取り出した。


「うわぁ、毛皮中々落ちないって聞いてたけど、よくドロップしたね。でも、毛皮だけだとあまり防御力は上がらないみたいなのよね。色々と鍛治職人のNPCに聞いて回って、レシピももらっているんだけど、毛皮系は、鉱石と組み合わせて防御力の高い防具にするのがいいみたいなのよ。」


「そうなのか? 鉱石ってどこで採れるんだ?」


「フィールドに出て、西側にしばらく進むと鉱山があるそうよ。そこで鉱石を採って来て、防具を作りましょう。」


「成る程ね。じゃあ、今から鉱山に行って来るか?」

 善は急げって言うし、早く防具が欲しいしな。


「そうね。回復アイテムは買い揃えてあるよね?」


「ああ。買ってあるよ。」


「それじゃあ行きましょう。」

 あれ? 光も行くのか?


「シャインも行くのか?」


「当然でしょ? 私も少しは戦えるんだよ。」

 あ〜光も俺と一緒で、昔から剣道をしていたからな。

 この見た目からは想像も付かない程強いし。


「シャインは、どんな戦闘スタイルなんだ?」


「私? 武器は杖。属性はレア属性って書いてあった光だよ。職業はさっき言ったように鍛治職人。タイプは支援回復型よ。」

 杖? あんなに剣道強いのに?

 と言うか、属性や武器が職業に影響している訳では無いのか?


「武器は剣にしなかったのか?」


「ゲーム世界なんだから、剣以外で戦いたかったの。魔法使いと言えば、杖でしょ?」

 成る程。そういう考えもあるか。


「でも何で支援回復型にしたんだ?」


「クラウドそんなことも分からないのか!」

 うおっ!? いきなり大声出すなよヴァン。


「ヴァンには分かるのか?」


「当然だ! シャインさんの支援回復(エール)があれば、負けることは無い!」

 確かに支援回復役が居たら、戦闘は楽になるよな


「ん〜私はいつも剣道の試合の時にみんなから応援してもらっていたから、ゲームの中では、応援する、支援する方をやってみたかったの。」

 成る程ね。

 だから冒険者をバックアップする鍛治職人を選んだのか。


「シャイン。……成長したな。」

 お兄ちゃんは感動したぞ。




 早速俺達は、北門から草原フィールドへ出て西側にある鉱山を目指した。



 俺達の進路上に、ウルフ2匹が姿を現す。


「いつも通り、俺が一匹倒すから、ヴァンとスカイでもう一匹を頼むな。シャインは……。」


「私も杖で戦えるよ? 一応ソロでレベル5まで上げてるからね。」


「じゃあ、俺とシャインで倒すから、ヴァンとスカイは見ていてくれ。」


「分かった。シャインさんを見ているよ。」

「わ、分かりました。」

 いや、ヴァンの返事おかしくないか? まあ、俺がピンチになることは無いから、光を見ていてもらった方が安心だな。



「先に行くね。」

 シャインは杖を駆け出すと、ウルフとの間合いを一気に詰める。


 ウルフが大口を開けて噛み付こうとしていた。


「危ないシャインさん!」

 ヴァンが大声が上げ、シャインの身を心配する。


「これでも食べてなさい。」

 シャインは杖の先端の丸くなっている部分を、ウルフの口の中に押し込む。


「ガゥ!?」

 ウルフは苦しそうに、声を絞り出す。


 シャインは、直ぐに杖を引き抜くと、ウルフの頭部目掛けて、素早く杖を振り下ろし、ウルフを消滅させる。


 おおーー。ブレの無い綺麗な一撃だ。


「……。」

 ヴァンは声を失い、大口を開けたままシャインを見つる。


 もう一匹のウルフがシャインへと突進して行く。


 あ!? 俺がもう一匹倒すんだった。


「やぁーー!」

 シャインの連撃により、ウルフは一瞬で消滅する。


 流石、俺の妹だ。


「俺の出番無かったな。」


「次はクラウドにお任せしますね。(やっちゃった!? ここはか弱いところを見せて、お兄ちゃんに守って貰えば良かった! 私としたことが!)」


「シャインさんお強いんですね!」

「つ、杖であんな風に戦える魔法使いがいたなんて、凄いです! 僕もシャインさんみたいになりたいです!」


「普通の魔法使いは、魔法で戦うだろ? シャインを参考にするのはどうかと思うぞ?」

 スカイが変な魔法使いにならないように、注意しないとな。


 鉱山までの道中は、何度か戦闘をしたが、大怪我をすることは無かった。


 途中でシャインのレベルが5になり、スキルポイントで『ヒール』を覚えた。


 ヒールは、自分若しくは味方一人のHPを小回復出来る魔法なので、回復薬を消費しないで済むのは助かる。




 鉱山に到着した俺達は、鉱山内で、防具作成の材料となりそうな鉱石を探し始めた。


 鉱山内は、ゴブリンの他に、バットという蝙蝠型のモンスターが現れたが、バットも大した強さでは無かった。


 ただ、それを飛んでいたり、天井に張り付いていて、攻撃しにくかったけどな。


遠距離攻撃の仲間か、遠距離攻撃魔法を覚えたいところだ。


「どうだ。何かあったか?」

「見つからないな。」

「ぼ、僕も見つかりません。」

 そんな簡単には見つからないようだな。


「あったぁ!」

 シャインの声が鉱山内に響き渡る。


 シャインが見つけたのは、鉱石(銅)のアイテムだった。


 その後も鉱石採取を続け、鉱石(銅)を大量に集めることに成功した。


「そろそろ帰るか?」

「そうだな。」

「は、はい。」

「これだけ集まれば、防具だけじゃなくて武器も作れそうね。」


 俺達が鉱山の出口手前の広場に足を踏み入れると、目の前にモンスターが現れた。


 ゴブリンか? それにしては、武器がいつもの棍棒じゃ無いな。


 長剣、剣、槍、弓か。


 モンスター名を確認すると、長剣を持っていて、通常のゴブリンの3倍の大きさをしているのがボスゴブリン、剣を持っているのがゴブリンソルジャー、ゴブリンナイト、ゴブリンアーチャーとなっていた。


「みんな気を付けろ! いつものゴブリンより強そうだ!」

 人数は4対4だが、敵の弓兵が厄介だな。

 こっちに遠距離攻撃の手段は無いからな。


「どうするクラウド!?」

「あわわわ、どうしよう。」

「クラウド。」


「シャイン、弓兵を任せてもいいか?」

「分かった。みんなには攻撃させないから。」

 いい返事だ。頼れる妹だよ。


「ヴァンは盾を構えて先頭、俺とスカイがそれにつ続く。ヴァンはそのままボスゴブリンの足止めをしてくれ。俺とスカイは、剣と槍の奴を倒すぞ。」


「あんまりもたついてっと、ボス倒しちまうからな。」

「わ、分かりました。」


 俺達が駆け出すと、モンスター 達も行動を開始する。


 シャインは、身体を左右に動かして、弓兵に的を絞らせないように間合いを詰めて行く。


「ふっ。……つぅ。」

 ゴブリンアーチャーの弓矢が、シャインの頬を掠める。


「乙女の顔に傷をつけるなんて、許せないんだからね! やぁ!はぁ!たぁ!」

 シャインは、ゴブリンアーチャーの顔面目掛けて何度も杖を叩き込む。


 間合いを詰められたゴブリンアーチャーは、なす術なく、シャインに消滅させられた。


「こんな顔お兄ちゃんに見せられないじゃない。『ヒール』。これで良しっと。」



 シャインが弓兵に駆け出した時、クラウド達も戦闘に突入していた。


 ゴブリンソードとゴブリンランスが、ヴァンの盾目掛けて攻撃を繰り出す。


「うおぉぉ!! 負けるかーー!!」

 ヴァンは少し盾がブレたが、何とか攻撃を持ち堪える。


「ナイスだヴァン! はぁ!」

「やぁ!」

 俺がゴブリンソード、スカイがゴブリンランサーの相手をし、ヴァンはそのままボスゴブリンへと向かう。


 通常ゴブリンよりやっぱり強いな。……だが、この程度なら俺の敵じゃない!


「はっ! はっ! おらぁ!」

 ゴブリンソードの攻撃を石剣で受け止め、そのまま流れるようにゴブリンソードの剣先を地面に落とし、ガラ空きとなった頭部目掛けて石剣を振り下ろす。


「ギギァァ!?」

 石剣がゴブリンソードの頭部にめり込み、ゴブリンソードのHPゲージを0にし、消滅させる。




「ぼ、僕だって強くなったんだ!」

 スカイは杖を振り回し、ゴブリンランサーと武器をぶつけ合う。


「痛ッ! 痛ッ! な、なんで!?」

 徐々にスカイの攻撃は、ゴブリンランサーに届かなくなり、ゴブリンランサーの槍がスカイの身体に傷をつけ、HPゲージを削って行く。


「ギギ!! ギギィ!」

 ゴブリンランサーは、槍を光らせて連突き繰り出す。


「や、やだ、いやだ!! まだ死にたくない!」

 スカイのHPゲージが徐々に0に近付いて行く。


 トドメの一撃と、ゴブリンランサーは槍の先端をスカイに向けて突き刺す。


(もうダメだ。ごめんなさい皆さん。)

 スカイはこの攻撃で自分がやられると確信し、目を閉じる。


 キンッ!


「目を閉じない! 最後まで諦めないで!」

 シャインがスカイの前に立ち、ゴブリンランサーの突きを受け止めていた。


「シャ、シャインさん!?」


「『ヒール』これで、まだ戦えるわね。」

 温かみのある淡い緑色の光がスカイを包み込み、HPゲージが回復する。


「は、はい!」

 スカイの目に再び闘志が宿る。


「行くわよ! はぁ!」

「やー!」

 シャインがゴブリンランサーの槍を打ち上げで、胴体をガラ空きにし、その瞬間を逃さずにスカイが胴体に杖を打ち込む。


「「はぁ(やぁ)!!」」

 続けて、シャインとスカイの同時攻撃をお見舞いし、ゴブリンランサーは消滅した。


「やったね。」

「は、はい。」

 シャインとスカイは、ハイタッチをして喜びを分かち合った。



「うらぁぁ!! 負けるかーー! 『 盾突撃(シールドアタック)』!!」

 ヴァンはボスゴブリン相手に、やられることなく、なんとか持ち堪えていた。


「ギギ!!」

 ボスゴブリンは、『パワースラッシュ』を発動して、ヴァンの盾突撃へとぶつける。


「くぅ!」

 ヴァンの高い防御力を持ってしても、ボスゴブリンの一撃を防ぎきれず、盾突撃がキャンセルされる。


「ギギ!!」

 ボスゴブリンは、ヴァンの隙を見逃すことなく、長剣で追撃する。


「うわぁ、がぁ、あぁ。」

 ヴァンのHPゲージが止まることなく、0へと近付いていく。


「ヴァーーン!!」

 ヴァンの防御力でもあんなにダメージが!! 早く助けないと!


「シャイン! ヴァンにヒールを!」

 シャインへと目を向けると、スカイを助けている最中だった。


 ダメだ!! 俺も間に合わない!



「うっ……。」

 ついにヴァンのHPゲージが0となり、deadの表示が浮かび上がる。


「ヴァン。……お前のことは忘れないぞ。」

 まあ、実際ゲームの中だから、本当に死ぬわけじゃないけどな。


 このゲームのデスペナルティは、所持金が半分になることと、ステータスが24時間半減してしまうことだ。


 所持金は、銀行に預けていれば痛手は無いが、ステータスの半減はかなりの痛手だ。


 dead扱いになったアバターは、一定時間経過すると、最後に訪れた街に戻ることとなる。


「「ヴァンさん!?」」

 スカイとシャインもゴブリンランサーを倒し終えて、ヴァンがやられたことに気がつく。


「俺が正面から攻めるから、スカイは背後から攻めてくれ。シャインは、俺とスカイがダメージを受けたら回復してくれ。」

「り、了解です。」

「分かった。」


 俺は、ボスゴブリンと向かい合い、石剣を構える。


 深く息を吐き出し、集中力を高める。


「行くぞ!!」

「ギギ!」

 俺の石剣とボスゴブリンの長剣が、激しくぶつかり合う。


「『サンダースラッシュ』!」

「ギギ!!」

 俺の魔剣技とボスゴブリンのパワースラッシュがぶつかり合い、弾け飛ぶ。


「『ヒール』! クラウド頑張って!!」

 シャインのヒールに包まれ、ダメージを受けた俺のHPゲージが回復する。


「やぁ!」

 スカイも背後から隙をみて、攻撃を繰り出すが、スカイの攻撃では、、ボスゴブリンのHPゲージは少ししか減っていない。


「ギギィ?」

 ボスゴブリンがスカイの攻撃に気付き、背後へと振り返る。


「ひぃ!?」

 スカイは、ボスゴブリンの目に射抜かれ、身体が動かなくなる。


「今だ! 『サンダースラッシュ』!!」

 俺は、石剣に雷を纏わせ、隙をみせたボスゴブリンに魔剣技を叩き込む。


「ギギィー!?」

 サンダースラッシュの一撃で、ボスゴブリンのHPが一気に削れる。


「まだまだ! 『サンダースラッシュ』!!」

 一撃で終えることなく、俺は更に魔剣技を叩き込んだ。


「ギ、ギ、ギィ……。」

 ボスゴブリンは、多くの光のエフェクトを発生させて飛び散った。


「……勝った。」

 危なかった。

 コイツは、初心者が相手にするレベルのモンスターじゃないだろ。


「やったねクラウド!」

「うぉ!」

 シャインに後ろから飛びかかられて、少しよろけてしまう。


「ああ。シャインのヒールのおかげだな。」

「でしょ? クラウドには私が必要なのよ。」

「そうだな、」

 俺達は鉱山を出ようと思ったのだが、俺はボスゴブリンを倒した場所辺りに違和感を感じた。


「どうしたのクラウド?」

「これは?」

 俺は違和感を感じた場所へ近付くと、錆び付いた剣が落ちていることに気が付いた。


『錆び付いた剣』

 詳細を見ると、『ただの錆び付いた残念な剣』


 うわぁ、使い道のなさそうなゴミアイテムだな。


 俺は一応錆び付いた剣をアイテムボックスへと収納した。


 こうして、俺達は鉱山からエアストへと戻ったのだった。





「みんな、俺のこと忘れてないよな?」

 一人、エアストで蘇生したヴァンの声は、街の喧騒によって消えていたのだった。

今回のおまけ


ヴァン:もたついてっと、俺が倒しちまうぞ。


クラウド:倒してくれても良いんだぜ。


ヴァン:俺がカッコよくボスゴブリンを倒して、シャインさんのハートをゲットだぜ! 行くぜボスゴブリン!


ボスゴブリン:うるせぇ脇役だなぁ。パワースイング!


ヴァン:がはぁ!? はぁはぁはぁ、俺は負ける訳にはいかない!


クラウド:ヴァーーン! シャイン、ヴァンにヒールを!


シャイン:あっ!? クラウド怪我してるよ! ヒール。


クラウド:あ、ありがとう。俺はかすり傷だ。それよりヴァンにヒールを。


シャイン:ヴァン? あの人もうやられてるよ。


クラウド:え? あ!? 本当だ。


ヴァン:......。


スカイ:返事がないただの


作者:こらスカイ!? 最後まで言わせねぇぞ!


ヴァン:目が覚めたら知らない


作者:天井じゃねぇぞ!? 街だからな! あ!?


クラウド:やれやれ。



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