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連載? まさか?

「いいですね。来月号から連載しましょう」

「へ」


全員が、「へ」と反応することしかできなかった。花井部長ですらそうだ。


「あの。何かオプションとかある訳じゃないですよね。彼女の小説連載する代わりに御社の株を1000株購入しろとか」

「そんなわけないじゃないですか。はっきり言って長谷さんの小説は需要は少ないかもしれませんけど、少なくとも私は読みたいと思いましたので」

「いいんですか? 助代じょだいさんの上司の方から叱られませんか?」

「花井部長〜、作者の前でそういう言い回しは傷つきますよ〜」

長谷ハセちゃん、ごめんごめん。いや、『ネマローム』さんは文芸誌の中でも攻めてる月刊誌っていう評価を私もしてたけど・・・ここまでアグレッシブだとは」

「助代さん〜ありがとうございます〜。ところで助代さんの下の名前ってお聞きしてもいいですか〜」

「あら、いいですよ。サキハスです」

「え〜? サキハス〜? どんな字書くんですか〜?」

「花が『咲く』に、『蓮の花』で、助代ジョダイ咲蓮サキハスです」

「うわ〜、キラキラネームですね〜」

「そうか?」

「セヨ、サキハスさんなんてとても素敵なお名前じゃないか」

「それに〜、サキハスさんて美人さんですね〜。お若いし〜。お幾つなんですか〜」

「今25ですよ」

「あ、私とそう変わらないんですね」

「花井部長さんは業界でも有名ですよ。まだ大学生なのにmarusanさんなんてコアなサブカル誌の部長さんですもんね」

「私のことより、サキハスさんこそ。メジャー月刊誌の連載小説をこうもあっさりと決める権限があるなんて」

「そうじゃないと変化し続ける誌面にならないんですよ。うちの社長は危機感持ってますから、私みたいなペーペーにも20ページ分の決裁権限を持たせてくれてるんです」

「それはすごいですね」

「花井部長、サキハスさんもすごいですけど、その権限をフルに注ぎ込もうとしていただいた長谷ハセちゃんもすごいですよ」

「いえいえ〜。わたしはひたすらありがとうしかないです〜」

「では、皆さん。早速連載の打ち合わせをしましょうか」


そう言ってサキハスさんは席を立ち、僕らを会社の入っているビルから外へと連れ出した。


「あの、どちらへ?」

「ええ。願掛けです」


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