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異世界で平凡を  作者: みちお
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2話 再就職

 スラムを出た後、あまり高そうではない宿に入った。

 宿泊費はさっき倒した5人組から少々頂いたお金を使った。

 お金をまきあげるのにエレナはあまり乗る気ではなかったが。


 まぁ、彼らにとっても自業自得ということだろう。

 宿屋のオッサンに少々怪しまれたが、この辺は訳あり宿泊者が多いのだろう。

 特に何も聞かれず、部屋に案内された。


 「ここが203号室だ」


 って、おい。

 ベッドが一つしかないぞ!

 ということはエレナと添い寝ができる!?


 「わ、私は床で寝ますので……」

 「いや、それはだめだ。俺の横で寝るんだ」


 このチャンスを逃すわけにはいかない。

 

 「で、でも私は奴隷の身で、ご主人様と一緒のベッドなど恐れ多いです」

 「大丈夫だ。そんなこと俺は気にしない」


 まぁ、外はまだ肌寒かったし、夜や明け方はもっと冷え込むだろう。

 布団も一つしかないし、一緒に寝るのが得策だ。

 本当はエレナと一緒に寝たい、が一番の理由だけどね。

 本音と建て前は必要だろう。


 「わ、分かりました。ではご一緒……させていただきます」


 なんだ? この照れ具合。

 めちゃくちゃかわいいではないか!

 やばい、こっちまで照れてきた。


 「ま、まぁ、一緒に寝たほうが温かいしな」

 「は、はい!」

 

 なんだろう。結婚初夜みたいな気分だ。

 結婚したことないけど。

 前の世界では独身童貞、もう少しで魔法使いになれるとこだった。


 ちなみに「ご主人様」というのはエレナが俺のことをそう呼びたいと言ってきたから呼ばしているだけだ。

 強要はしていない。


 それから俺たちは部屋の中で今後の方針を話し合った。

 まず、この世界のことについて聞いてみた。


 エレナ曰く、この国の名前はロレス王国といい、この大陸でもっとも大きな国だという。

 この世界には魔物が存在し、倒すことによりギルドから報酬が出るということだ。

 魔物によっては一攫千金が狙える物もいるが、その分難易度は跳ね上がるらしい。


 つまり危険は大きい分、冒険者が一番稼ぎやすいということだ。

 行商人もいいと思ったが、もとでの金がないため諦めた。

 

 他にも聞きたいことがあったが、エレナはロレス大国から遠く離れた田舎で暮らしており森に迷い込んだところを盗賊に捕まり奴隷商に売り飛ばされたらしい。

 それから10年間奴隷商館で奴隷として暮らしていた。

 

 しかし犬族は社会的に差別の対象になっているらしく、よく思われていないらしい。

 なので彼女は買われることはなかった。

 そのぶん奴隷商人から手ひどく扱われていたらしい。

 10年間も奴隷として暮らしていたため、都会のことはあまり知らないということだった。


 あまりにもひどい話たが、文明が進んでいないとよくある話なのだろうか。

 よく考えると前の世界でもあることだ。

 特に紛争地域や、治安が悪い国では人身売買は実際にある。

 こういうことはどの世界でも一緒なのだろう。

 

 とにかく、冒険者になるためにはギルドに登録しなければならない。

 冒険者ギルドに向かおう。


 行きに、エレナに服を買った。

 あのぼろきれ一枚では悪目立ちしてしまう。


 エレナは最初は遠慮していたが、安いやつなら好きなものを買え、と言うと、どの服にするか一生懸命迷っていたのでそこは年頃の女の子なのだと思った。

 上下合わせて200ニール?(多分お金の単位だろう)を支払った。


 この買い物で一文無しになってしまったが、エレナがすごく喜んでいたので良しとしよう。

 だがこのままでは晩飯が食えない。

 登録したら早速クエストを受注しよう。


 服屋から少し歩くと、石造りの強固そうな建物が見えてきた。


 「あれがギルドです」


 そういいながらエレナはギルドまでかけていく。

 さっきの買い物で元気が戻ったみたいだ。


 エレナの後に続きギルドに入る。

 

 「冒険者登録をしたいんだが」


 近くにいたギルドの職員らしき女性に聞くとカウンターに案内された。

 

 「こちらで必要な書類に記入してください」


 そう言うと女性は去っていった。

 カウンターには金色の髪をした女性が座っている。

 歳は20代前半といったとこだろうか。

 

 はっきり言ってめちゃくちゃかわいい。

 エレナと同等くらいだ。


 「あの……こちらの書類に……」


 おっと、まじまじと見てしまった。

 若干引かれている。


 この微妙な空気を紛らわすように書類に目を通す。

 が、文字が読めない。

 エレナを呼んだがエレナも読めないらしい。


 仕方なくギルドの受付嬢に朗読してもらおう。

 彼女の名前はアリシア ハイドというらしい。

 アリシアが長々と説明してくれたが要約すると、

 死んでも自己責任、ということだ。


 契約書にサインし(代筆だが)、冒険者カードを受け取った。

 しかし何も書いてない。

 

 「もしかしてジョブカードを初めて見るのですか?」


 一生懸命カードに目を凝らしていた俺、にアリシアが目を丸くして聞いてきた。


 「あ、あぁ、ド田舎から出てきたもんで」


 その後、アリシアにジョブカードに関する説明を受けた。

 アリシアが言うには、この世界では鍛冶師や商人など職に就くときに必ずこのジョブカードというものが、配布されるらしい。

 ジョブカードにはその職に必要なスキルや職のレベルなどが表記されるらしい。


 「だが、これ白紙じゃないか」

 「カードの中心部に人差し指をかざしてみてください」


 言われた通りにすると、カードが光りこの世界の文字が浮かび上がった。

 前の世界でいうとホログラムみたいな感じだ。

 

 だが何が書いてあるか全く読めない。

 まずはこの世界の文字を習うのが急務なようだ。

以外にペース良く書けますね。

3日に一度は更新できそうです。

今回は少し少なめです。

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