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異世界で平凡を  作者: みちお
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1話 仕事辞めたら異世界に行けた。

 ついに辞めてやったぜ。

 これから俺は平凡な暮らしを手に入れてやる!!


 俺はこの春、自衛隊を辞めた。


 給与が安定していることに惹かれ平凡ライフを送るにはもってこいの職だと思ったんだ。

 大学卒業後、幹部候補生を受けた。

 それから6年間自衛隊を務めた。

 最初はよかったのだ。


 しかし、気が付くと幹部レンジャーをとり、さらには第一狂ってる団こと第一空挺団に所属してしまっていた。

 元からミリタリー関連のことは大好きで、ハイポ-ト走などのきつい訓練でも喜んでやってしまう。

 

 そんな性格もあって部隊内の成績は良、そしてますますハードな部隊に……

 

 こんな負の連鎖から逃れ、平凡を手に入れるべく転職を決意。

 そして今、退職祝いに実家で一人で飲んでいるところだ。

 

 明日から就活だなぁ……

 今日は早めに寝るとしよう。





 目が覚めたら暗い路地にいた。

 湿っぽく、カビ臭い。

 カビの臭いの他にも様々な臭いが入り混じり、むせ返りそうな悪臭となっていた。

 

 凄い臭いだ。

 早くこの路地から出たい。


 そう思うが、道がわからない。

 道なりに進んでいくうちにどんどん陰気臭そうな場所になってきた。


 ここはどうやら、スラム街というやつだろうか。

 しかも、迷ったうえにスラムの中心部へと来てしまったようだ。

 

 地べたに寝転んでいる人が何人もいる。

 生きているのか死んでいるのかがわからない。

 

 それにしても、ここは日本なのだろうか。

 今まで見てきた建物はすべて木造かレンガ造りで中世のヨーロッパのようだ。

 もしかしたら異世界かも……

 

 そんなことを考えながら進むうちに少し開けた場所に出た。

 人だかりができている。

 ちなみに5人だ。


 道を聞こうと思ったが彼らの様子がおかしい。

 様子というより、格好だ。

 よく見るとナイフや棒を持って武装している。

 その5人が誰かを取り囲むようにしている。


 絶対かかわらないほうがいい。

 なんかヤバそうな感じがしてきた。


 引き返すため、回れ右をしようとしたが遅かったらしい。

 5人のうち棒を手に持った2人が俺に近づいてきた。


 はぁ……見つかってしまった。

 なぜいつも、面倒ごとに巻き込まれるんだ。

 どうやら俺は本当に平凡な生活はできないらしい。


 これはあれだろうか。

 金を払えば見逃してくれるのだろうか。

 

 いや、どうやら違ったらしい。

 問答無用で持っていた棒を振り下ろしてきた。

 

 確かに、ここで人を殺しても誰も何も言わないだろう。

 自分たちに不利な目撃者は殺す。

 それが賢い選択なのだろう。

 特にこのような世界では。


 だが、ここで死ぬわけにはいかない。

 というか死にたくない。

 少なくとも平凡を手に入れるまでは!


 自衛隊では格闘術をいやというほど習った。

 そもそも、小さいころから様々な格闘技に手を出してきた。

 中学や高校では全国大会の常連だった。

 正直、銃を使われない限り負ける気はしない。


 振り下ろしてきた右手を左手で受け流し、脇に挟む。

 そして、そのまま足をかけ地面に抑え込む。


 ドスンと鈍い音がした。

 どうやら気絶したみたいだ。


 もう1人は虚を突かれたようで固まっている。

 その呆けた顔に回し蹴りをおみまいする。


 手ごたえがあった。

 首の骨がいったのかもしれない。


 他の3人は仲間が一気に片付けられたのを見てご立腹のようだ。

 3人が一気に俺のほうに向かってきた。


 俺はさっきの二人が持っていた棒を拾い、3人のうち1人のナイフを弾き飛ばした。

 そのまま右手をもち背負い投げをくらわす。

 他の2人はやみくもに突進してきたため楽に倒せた。


 他に仲間がいないか見渡すがそれらしき人影はない。

 が、5人がたむろしていたところにうずくまっている人がいた。


 近づいてみると、どうやら女の子のようだ。

 

 「大丈夫か?」


 声をかけると、ビクッと体を震わせた。

 相当怖い思いをしたのだろう。


 「助けていただいてありがとうございます……」


 よかった、言葉話通じるみたいだ。

 だが、俺にもおびえているようだ。


 それもそうだな、さっきあんなことがあったからな。


 「大丈夫だ。君には何もしない」

 「私とはあまりかかわらないほうがいいです……あなたのためにも」


 そういうと女の子は立ち上がった。

 この子もやばい組織の一員なのだろうか。

 細い手足には複数のあざがあった。

 それに、身にまとっているものは布のぼろきれのような服だ。

 

 見る限りいい子そうで、しかもかなりかわいい。

 肩らへんまである淡い茶色の髪に細い体、だが胸はあるほうだろう。

 歳は10代、身長は160ほどだろうか。


 だが、かわいい顔より頭に目がいってしまう。

 だって、犬耳…… 


 「あのさ、その耳って……」


 そう言いかけた瞬間その子は後ずさり、その耳を隠すようにうずくまり頭を抱え込んだ。


 「お願いします! 乱暴だけはしないでくださいっ!」


 なぜだ?

 俺、なんかしたかなぁ……

 「そんなことしないって」

 「本当に……? でも、私犬族ですよ?」

 「だからどうしたの。いや、確かに初めて見るけど」


 犬族って……

 やっぱここは異世界!?


 「犬族を初めて見たのですか。……どこから来たのですか?」

 

 どこからって……

 目が覚めたら異世界だもんな。

 まだ決まったわけじゃないけど。


 「日本からだよ」

 「二ホン…… 聞いたことのない国です。」


 ダメだ。

 頭の上にハテナマークが浮かんでいる。

 やはりここは異世界なのかもしれない。

 

 この子の名前はエレナというようだ。

 奴隷の身で奴隷商館を逃げ出し、スラムに入り込んだところさっきの5人組に襲われかけたらしい。


 奴隷商館では毎日暴力を受けていたらしい。

 どおりで、体中あざだらけなわけだ。


 この世界についてもいろいろ聞きたいが、今はこのスラムをぬけるべきだ。

 何しろここは治安が悪い。

 それにさっき片づけた5人が目を覚ますかもしれない。


 「早くここから離れよう」


 だが、エレナは困惑した顔で俺を見つめている。


 「私を奴隷商に引き渡さないのですか?」

 「エレナはあの場所が嫌だから逃げ出したんだろ。それとも戻りたいのか?」

 「それは嫌です! もう…… あの場所には戻りたくない……」


 相当辛い思いをしてきたのだろう。


 「それなら、俺と一緒に暮らさないか? 面倒はしっかり見るから」

 「それではあなたに迷惑が…… 本当にいいのですか?」 

 「あぁ、大丈夫だ。任せろ」

 「あっ、ありがとうございます!!」

 

 女の子を放っておけることはできない。

 それにかわいい子と一緒に暮らすなど男の夢ではないか!

 そうして俺たちはスラムを後にした。


初めて投稿します。

てか小説書くのも初めてなんで文章がかなりヘンかも……

あと、書きたいことがたくさんあって文字数多くなりました。

次回からはもう少し少なくしていきます。

週一連載めざしてがんばります!

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