第一話【2035年ー渋谷ー】
初投稿
2035年 渋谷
渋谷から少し離れたところにある展望台から渋谷を眺める。
昔は学生や、サラリーマンなどが行き交い、休日にでもなると人でごった返し、深夜でも光が消えることはなく、とにかく賑やかな場所だったと聞いた。
だが、今は建物があちこちで崩れ落ち、まるで戦争でもあったかの様なひどい有様になっている。
そして、一日中人の姿が見れなくなり、夜は闇と静寂に包まれ、本当に人がいたのかと言える様な状態になってしまっていた。
そんな変わり果てた渋谷の中心にそびえるまる木の幹が何重にも重なり合い、捻れた様な白く禍々しい塔。
世界の各地をこの渋谷の様にしてしまった要因。
それを「バベル」と世間は呼ぶ。
世界中に突然出現し、使徒を際限なしに生み出し世界を侵食しようとする....魔の塔。
世界は協力してバベル対抗組織「BAF」を結成。使徒の一種が扱う瞬時に武器装備を展開する科学技術を活用し「偽装」を開発、それを使用する事でようやく使徒と対等に戦えている。
唐突なバベルの出現で渋谷区は激戦区と化し、態勢はまだ完璧とは言えないが、生存者を捜索しつつ使徒を撃破している様だ。さすがBAFと言うべきだろう。
この時代の状況が分からない今、俺はいち早くBAFと合流する必要がある。
渋谷のバベルを攻略し、未来に起こる人類の命運を左右する決戦に向け準備をしなければならない。
俺の名前は 江城 仁
つい先ほどこ未来からこの世界に来た。
世界を救うために。