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しるし2(詩集)

夏の尻尾

作者: さゆみ


蔦の葉が絡みつく白い家

あなたは葉の間から

蜥蜴の尻尾を捕まえる

かわいいでしょ

あなたは誇らしげに言う

わたしは怯える

大丈夫蜥蜴は足があるから


蔦の葉がどこまで行くか

知らないまま

さよならをする

もうここにはいられない

蜥蜴はどこにでもいるわ

あなたはひとりしかいない

わたしだって


あの頃は幸せだった?

それから幸せだった?

聞きたかったと気付いた

わたしはあなたの子どもだったから

あなたがいれば幸せだった

あなたもそうだった?


もしあの尻尾が蛇だったら

あなたはどうしたのだろう

夏の空は教えてくれない





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― 新着の感想 ―
[良い点] 夏独特の懐かしさに溢れた作品だと思います。 もうかえってこない一時、それを思い返しても、返事はなくて。 みたいに感じました。 [一言] 蛇は過去にしがみついてしまう、とかですか? …
[良い点] 胸が締め付けられるような、切ない作品でした。 親子で過ごした夏の何気ない一日の記憶が切り取られた絵画のようです。 蔦の絡まる家や、夏の光や、一匹のとかげをめぐってはしゃぐ母親と少女の姿…
2015/08/20 00:59 退会済み
管理
[良い点] 叙情的です。季節感もあります。なにより静けさがあります。それは透明に連なる言葉の雰囲気です。 [一言] 夏空の突き抜けた薄情を最終行で思い出しました。此方を向いていないのです。そっぽ向いて…
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