7 裁判─混乱─
「私はモーキュネストのシスターたちと共に解決にあたった。あと、赤穂の協力も得た。赤穂が報告しないとは意外だったが」
「……知ってるか? モーキュネストのシスターの現状を」
「……」
「随分と疲弊していたぞ? 契約も切られた」
「まあ予測はしていた」
スミレは力を解放したのだ。疲れないはずがない。契約を切るほど嫌気がさすのも当たり前だ。予測した上で協力してもらった。
「しかし、シスターの協力で全ては上手くいった。感謝をしている」
「……では、ナトリの行方不明については」
「ああ、聞いた。お前も分からないのか」
傍聴席が先ほどよりもざわつく。もしロドノスがナトリを殺してしらを切っていたら怖いものだ。
私はさりげなく聞くことにした。
「それでは、もし死んでいたらどうなる? 」
「まあ、仕方ないな。私が長となる」
「ほう、そうか」
「──私が長よ」
私の横にいたハナがロドノスを睨む。ハナはなぜ、そこまで執着をするのだろう? 幼い頃から自由を奪った長という忌まわしき立場に。
「執着しても意味がないだろう」
「貴方を殺してでも長に戻る。そう、ここで──」
「よせ、ハナ! 」
私のローブにあるナイフをとろうとしたハナの手を掴む。元長の現状にまわりは混乱気味だ。仕方ない。
裁判は一旦中断をし、また明日に行うことにした。傍聴席の一般民は真実に怯えながら帰って行った。
「ハナ、大丈夫か? 」
「ん、さいばん、おわったの? 」
この落差は何だ? ──思い当たるのは多重人格だが。
「ハナの中に何が……」
「──その内分かるわよ」
「!? 」
ケタケタと狂ったかのように笑うハナではない何者か。誰だ、誰なんだ?




