6 ルナティアの心の光
ルナティアはやってきた頃はまだ大人しいただの女の子だった。私はそう感じていた。
でも、お母さんは近づいてはダメ、と私達に注意をした。それからは別の場所に住んでいたから遠くから見ているだけだった。
私達が次に訪れたのは鳥籠で一番大きな神殿。ここにはあの神がいる。
「というわけで、時の管理者。その頃に行きたいのだけど」
「……私ね、散々怒られたのよ。兄とも喧嘩したし」
「でも勝って一人で時の管理をしているんでしょ」
「赤穂、確かにそうだけれど……」
時の管理者はぬいぐるみをぎゅっと抱き、むうっと唸っている。ぬいぐるみを持ち歩くなんて可愛い。
すると、意を決したかのように時の管理者が立ち上がった。
「分かったわ。後悔しても知らないんだから」
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目を開けると、あの頃の綺麗なモーキュネストにいた。まだボロくない頃だ。
「スミレ、レンゲ、キク。これから一緒に暮らすルナティアよ」
「よろしくね」
「……」
私が可愛らしく挨拶をしてもぎこちない笑いしか浮かべないルナティア。この時、私は大人しい女の子なのだろうとしか思わなかったが、今は違う。何かがある。
私と妹二人に近づいてはダメ、と注意し去らせた。ここからは私も知らない。
「ルナティア、笑顔の練習したのに忘れたの? 」
「でも、分からないの」
「ん……そう。今は本当のルナティアね。じゃあ、練習しようか」
「はい」
本当のルナティア──つまり、『鎖』ではない頃。少女のように可愛いのに、笑顔どころか感情をほとんど持っていないらしい。
「スミレ、『鎖』とルナティアって全然違うわね。真逆というか」
「そうだね。『鎖』は演技していたのかな」
「ここまでは光の部分。闇も見る? 」
私達は頷いていた。




