5 裁判─開廷─
リィデがやってきた。側にはシルディの姿がない。
「これより、ソフィア=アルロイドを裁く」
「罪状は主に報告を怠ったこと」
法廷に立つ私をニヤニヤ眺めながら罪状を読み上げるロドノス。気持ち悪い。
「どうして随時報告しなかった? 」
「あまりこちらを動かしたくなかったからだ。全面戦争になりかねない」
「──敬語についてはまあいいとして、どういう意味なんだ? 」
「イリスはアリスや戦神の子供である鎖と協力し、そこにいるとある古代神の末裔の願いを叶えようとした。これで分かるだろ? 」
「……」
傍聴席がざわつく。戦神の伝説なんて幼い子供だって知っていることだ。
「次にリィデ、お前に聞くが願いとはなんだ」
「私というよりも、祖先の願いです。私は叶ってほしくなかったのです。──全ての人を自分の言うことを聞くお人形にするという願いを」
「!? 」
傍聴席の一部の者が悲鳴をあげる。該当する古代神はあれだけだ。
「ほう。なるほどな。確かに危険だ」
「ああ、だろう? よって私に責任はない。だが、一つ言わせてもらおう」
「なんだ」
「お前はなぜ、ハナの代理ではなく長になっている? スフィアは辞めたと言っていたが……」
「異論があるのか」
「当たり前だ」
こほん、とロドノスは咳払いをする。
「その前に事件について説明をしてもらおう。話はそれからだ」
ロドノスはニヤリと笑った。




