4 戦神
神々の世界ではかなり大きめの神殿に戦神はいた。隣には鎖の母親が。
二人の正面に私達は座る。
「スミレさん、かな。お母さんであるはヒナギクさんから話は聞いていたが、美人だな」
「本当にそうね」
「──そういえば、鎖ってモーキュネストには昔からいたんだっけ」
「鎖? 」
その名前に首を傾げる二人。え? 娘の名前なのに。
「そういえばヒナギクさん、あの子のこと鎖って呼んでいたわね。能力の名前だとか」
「そういえばそうだった」
「本名があるんですか!? 」
「ええ。ルナティアよ。能力だなんておかしなことを言うものだと感じたわ」
「……つまり、『鎖』という能力をスミレのお母さんが見抜いて保護したのね」
「成長する前に、と半ば強引にな」
戦神はうなった。まあ強引にならそうでしょうね。
「ルナティアの中にいた『鎖』は止められなかった。なぜなら、お母さんはルナティアを眠らせた『鎖』に殺されたから」
「そんなに強力なのか!? 」
「……ところで、お母さんであるそちらの女性に何か心当たりは」
「ないわよ」
「戦神の加護つき鎌は? 」
「渡すわけない」
ますます鎖が恐ろしく思えてきた。
モーキュネストに戻り、私はあの時のことを思い出す。──元から黒かった髪をうねらせ、目を赤く光らせていたルナティア。その手には鎌。彼女の目の前には私のお母さんの死体。今でも忘れられない。
「次は『鎖』本来の人格、ルナティアについて調べない? 」
「そうね」
また巻き込まれたけれど、前よりマシかしら。




