32 邪魔者
「──散れ」
病棟を出ると、小さな呟き声と共にいきなり上から何かが降ってきた。──魔力を感じるけど、これは……。
「私の従順なる僕たちよ、散れ! 」
「これって特殊能力の《洗脳》!? 厄介すぎるよ」
「とにかく魔法で防ぎながら、急ごう」
降ってきているのは、コウモリ。洗脳されており、とてつもなく凶暴。うう、何でこんなのまで……。
「きゃあ! 」
「メグ! 」
メグに近寄ってきたコウモリを燃やす。すると、誰かが現れた。ゴスロリに銀髪。青白い肌に真っ赤な瞳。まるでヴァンパイアだ。
「私、戦う系メイドですのよ? 適いはしませんわ」
「っ……」
つまり、あの特殊能力者の仲間なのだろうか。私は炎を止めた。
「大人しく死ぬのね」
「……」
「さあ、死ぬのよ」
私は別の方法でいくことにした。師匠からもらった剣をそのメイドに振りかざす。こ、こうなのかな?
剣はメイドの肩を切った。うわあ。
「っ……」
そのメイドから溢れ出た血はこれまた綺麗な空色だった。な、何なの?
《そのメイドは空色のあざを足に持っていた女に仕えているのよ》
師匠からいきなり声がかかる。そして、思い切りのどや顔をしてそうな声で
《私が呪いを二人にかけたの。そのメイドにはまだ効果があるはずよ》
「イルフォニア、あれ……」
「……あ」
コウモリが消えていく。まさか、呪いって……?
「あなた、その剣……あいつから……」
メイドはそう言って消えた。血まみれ(空色)だったけど、大丈夫かな。いやいや、心配しちゃダメよ、私。
「今度こそ、行こう」
私はメグの手をとった。




