28 認定試験
師匠の気が知れない。あの土の魔法使いを懐柔する気なのだろうか。いやいや、ないない。あんなに強い魔法使い、それも古代魔法使いならば殺したくなるぐらいだろう。
師匠と再び接続されるまで私は退屈だった。だから私は別館の部屋にいた。しかし、突然連絡が来た。
《今からヴィザート様のところに連れて行くから》
《ええっ!? 》
ヴィザート様とはお偉い方──つまり、この人が認めなければいつまでも自称魔法使いなのだ。私も最近までそうだった。
師匠はあの恐ろしいヴィザート様と仲良しなのだろうか。下手したら殺し合いが始まりそうなのだけれど。
ヴィザート様と初めて会ったのは認定試験を受ける時。高等部の卒業前に必ず受けなければならないが、合格者は中々出ない。天才を見極めるために行うらしい。そして、審査の結果次第では難関コースに合格していても落とされるという未来を決める試験でもある。
私はあの時、自信たっぷりだった。友達のメグにも合格してみせるよ! 、と話したりしていた。(メグは冗談だと思っていたらしい。)
でも──。
「君には才能が違う方向にある。火以外はさっぱりだ。今すぐとは言わないが、誰かに弟子入りすべきだ」
私をにらみながらそう言ってきたのだ。それはそれは怖かった。メグもメグで何か言われたらしく、泣いていた。
「メグ……大学では別だったもんなあ」
メグは結局、その審査が影響したのか難関コースから落ちてしまった。私は難関コースだったため、非常に忙しい日々を送った。
それに、そこで出会ったのが師匠だった。基礎魔法が相当おかしい、と最初は怒られてばかりだった私も、師匠から習ってましになった。
そして、今では古代魔法も少しは使えるようになった。でも危なっかしいみたいだけど。
「師匠……まだかな」
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私は今すぐ『鎖』を倒し、逃げ出したかった。しかし、そうすればリサテアに危害が及ぶ。
私は葛藤していた。




