2 モーキュネスト
久しぶりにモーキュネストに戻り、休憩する。私はもう動きたくないぐらいに疲れ果てた。
「スミレ、お客様」
「ん」
マリアがそう言ってきたので、部屋に来るよう頼んだ。
お客様は赤穂。なぜか、胸元や美脚がよく見えるセクシーな服を着ている。
「こんにちは」
「ええ、こんにちは。その服、何? 」
「たまにはいいでしょう? ──あ、ごめん。きちんと話すのなら、そうね……元に戻った、ってところかしら」
「赤穂に戻った、と」
「ええ。稲美はきちんと元に戻ったわ。今一緒に片付けているの」
「押しつけてる、の間違いでしょ」
「まあ、そうだけれど。大変なのよ? 収入源を壊されちゃうし、市長からこれはどういうことなんだ、と怒られちゃうし」
「後半はほとんどイリスとアリスのせいでしょ。それで、何? 」
「これのこと」
差し出された写真には血まみれの遺体が。髪の毛からして鎖? どういうこと?
「リサテアから少し聞いたけど、鎖は自殺したらしいの。最期は残虐な行いをしたとは思えない、少女らしい笑顔で」
「つまり、鎖本人と『鎖』という中身は別々なのね」
「そうなの、そこなの。イリスは鎖をchainとして封じたらしいわね。じゃあ、鎖本来の少女っぽい性格は? 」
「眠っていたとか」
「……そうね。それ以外ありえないわよね。でも、気になるの。いつごろから眠っていたのか、とか」
「……まさか、聞きにいけ、と? ダメよ。私は休みたいの。もう変なことには巻き込まれたくない。悪魔ともせっかく契約切ったのだから」
「つまり、何が起きても無視なのね。例えソフィアに何かあろうとも」
「……そもそも、ソフィアは神様の一人よ。きっと大丈夫」
そう言いつつも、私は悩んでいた。悪魔と契約を切ったのは悪かったのではないか、と。でも、応じたロドノスさんは笑っていた。とても清々しい顔で。
「とりあえず、事件のその後について話すわ。凛子を含め、人間は元通り。死者は出ていないわ。きちんと皆生きている。でも、中河原は誰かさんが爆弾で破壊したせいで復興するのは難しくなってる。しかも、血の臭いがするし。だから、あそこはきっと更地になるわ」
「ソフィアはどうしたの? 」
「ハナのところへ帰ったわ。ところで、契約を切ることに応じた悪魔は? 」
「ロドノスさんという男の悪魔」
「──ハナに何かあったのかしら」
「ハナの母親が捕まっているのだから当然よ」
「そうよね。じゃ、私達は神様のところに行きましょう」
私は頷く。リンに治してもらおう。そうすれば、元通りになるはず。
赤穂を待たせ、私は体を治すためにリンのところへ。
「リン」
「歩きにくそう。治してあげる」
「ありがとう」
さあ、神様のところへ!




