17 リィー派の末路
「私の一族について? 今更そんなこと……」
「ツラいかもしれないが、今は一大事だ」
「神に近い悪魔の一族でした」
「ちなみに、マリアは何をしていた? 」
「……私は、神様の声を聞く最上位の巫女でした。今まで私達を散々頼ってきた悪魔が私達を迫害し始めたのは、私が巫女になってすぐ。私は建物の奥で震えるしかありませんでした。神頼みもしましたが、気づいたら一人だったのです」
「それでは、他の仲間は」
「逃げたとしても、ヒステリーに陥った悪魔の戦争に巻き込まれ、殺されています」
「……では、ロドノスは誰が化けているんだ」
「ついでにルマントも」
「リサテア! 何を」
「あんな子じゃない。もっとおとしやかな子だった」
「……」
リサテアの目は本気だった。本当のルマントまで亡くなっているかもしれない。しかし、ロドノスの様な悪人ではなかった。病死か事故死?
「儚げで、もうすぐ死ぬのかもしれない、と悲しそうに言っていた」
「……それではルマントも疑うとして。マリア、誰か見かけなかったか? 」
「全然」
マリアはそのまま去った。どうしようかと考えていると、甲高い悲鳴が聞こえた。あれは、リンか?
駆けつけると、謎の土の塊を側に置いたロドノスの偽物が立っていた。見たことない謎の土の塊。あれは何だ?
「やあ、ソフィア。俺は君を捕まえるために、ロドノスを殺して殻を被ったんだ」
「なっ……」
「あの、その……ルマントは? 」
「ああ、ロドノスのそばにいた女の子のことだろ? もちろん、殺したさ」
「っ──」
謎の土の塊に体を掴まれ、私はあっという間にロドノスに捕まった。な、速い……。
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私は突然のことに驚いた。彼の能力は確かに最強。でも、あの古代魔法使いとは格が違うのでソフィアを捕まえることなど不可能だと思っていたのだ。
いつまでもハナの中にいるわけにはいかないが、悪魔たちの抵抗を見るのがすごく楽しそう。ハナを眠らせて、黙って見ていようかしら。
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ソフィアが捕まり、ハナは黙り込んだ。余程ショックが大きかったのだろう。ここは、従姉妹の私がどうにかしないと。
「スフィア、ハナは任せた! 」
「え、ちょ──」
あのルマントを騙る女。彼女に頼ってみよう。そうしたらきっと、ソフィアは救えるはず。