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chain 魔法と悪魔編  作者: 神崎美柚
Ⅱ 推理
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15 新たな疑惑

 明石との話を切り上げ、戻ってくると別館のロビーにスフィアが倒れていた。駆け寄ると、すやすや眠っているようだった。


「ハナはどこだろうか。車いすはあるのだが」

「確かに……。誰かが開けてくれて戻って来れたけれど、本館には人がいなかったし」


 すると、豪勢な螺旋階段からルマントが下りてきた。ハナを抱えている。


「ルマント、何があったんだ」

「イリス様が現れるなり、ハナ様が対抗しだしたの。たぶん、いつも守られているから真似したのかもしれない」

「スフィアも巻き込まれたのか」

「ええ、そうよ」


 ハナを車いすに乗せ、ルマントは軽く礼をして去った。──イリス、だと?


「おい、待て。イリスって」

「お兄様がイリス様をそそのかし、逃がしたと思うけど二人ともいないの」

「……そうなのか」


 横でリサテアがぽかんとしている。どうしたのだろうか。


「今の、誰? 」

「ロドノスの妹、ルマントだ。そうか、リサテアはあまりいなかったからな」

「一度だけ話したけど、あんな人だったかな……」

「ルマントも疑っていると言うなら、筋違いだ。ハナを助けてくれたのだからな」

「そうよね……」


 しかし、信用しすぎるのもよくない。もう一度、関係性を見直す必要があるのかもしれない。

 その時、ハナが目をさました。


「おかえりー、ソフィア」

「ああ、ただいま」


 ハナの頭をなでなでする。リサテアが叫んだ。


「誰よ、この幼女ーーーー!! 」

「……リサテア。心が傷ついているのが分からないのか? 」

「え? 」

「両親が嫌いだったリサテアには分からないのか……両親を想う気持ちが」

「……ごめんなさい、分からない」


 スフィアを別館の客室のベッドに寝させ、ハナ、リサテアと共に本館に向かう。本館は随分とボロボロになっていた。

 悪魔たちはいない。すごく静かだ。どこに消えたのだろうか。

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