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chain 魔法と悪魔編  作者: 神崎美柚
Ⅰ 問題発生
10/35

10 絆

「赤穂、もう帰ったのね。何話していたの? 」

「少し、お話しただけ」

「……ふうん」


 部屋にやってきたキクはベットに寝転がる私を見ていたが、ぷいっと目をそらしてしまった。そして、


「隠し事は禁止よ」


 そう、言われた。


「じゃあ、またあとで来るから」


 乱暴に扉を閉めてキクは去った。

 私達三姉妹の絆は今では微妙なものだが、昔は仲良しだった。レンゲもキクも私も、隠し事なしに心の底から仲良しだった。


「隠し事して、ごめんね……」


 そう謝らないといけない気がしてきた。でも、面と向かっては言えない。だから呟くだけにする。

 力を解放して戦った代償は重く、リンの手当てで治ったのは表面上だけ。体中包帯だらけ。体中が軋むように痛い。

 包帯を変えるため、立ち上がる。フラフラする。後で薬を貰わないと……。


────


 スミレが隠し事をしているのは分かっていた。私とキクを避け始めたのも、隠し事がバレないようにするためだろう。

 私はそのことに納得がいかない。正直、イラついている。

 ──お母さんのオルゴールを聞いて落ち着くことにしよう。


「やっぱり綺麗だなあ」


 私がうっとりとしていると、サザンカがやってきた。悪魔との契約を勝手に切られ、仕事がないから暇なのである。


「オルゴールかあ……」

「暇だから、人間たちのとこで買ってきたら? 」

「ついでに人間たちのとこで遊ぼうかな」

「気晴らしになるよ、きっと」


 サザンカやアケボノ、キキョウは戦ってはいないため無傷である。私は力を使ったので、スミレほどヒドくはないが、一応包帯だらけ。


「じゃあ、遊んでくるよ」

「うん」


 そこにマリアが現れた。もう昼か。


「ご飯、早くしないとキキョウが全部食べてしまうよ」

「あれ? スミレは? 」

「あ、呼んでくる」


 テーブルにはキキョウ、リン、アケボノがいた。ああ、少なくなったなあ。


「きゃああああああああああ!!! 」


 悲鳴が聞こえた。マリアだ。死体は見慣れているはずなのに。


「スミレ、大丈夫? スミレ」


 慌てて駆けつけるとスミレが部屋で倒れていた。包帯を外した腕の一部。そこの皮膚がただれていた。

 リンが包帯を変える係で、彼女以外が包帯を外すことは禁じられている。どうして、……?


「熱がある。それでぼうっとしていたのかもしれないわね」


 リンがそそくさと対処をする。スミレを抱きかかえ、治療室に連れて行く。

 結局、この日スミレは眠ったままだった。


────


 目を覚ますと、そこは治療室だった。私はあのまま倒れたみたい。


「起きた? 」

「ん、リン」

「目覚めのお水」

「ひゃっ」


 顔に水、というか氷水がかけられる。冷たいし、痛いよ!?


「きついのなら無理しないで。約1週間寝ても治らないのなら、もっと寝てもよかったんだよ」

「あの時はその……悪魔とどうしても契約切りたくて」

「……もう少し妹を頼れば? 」


 それだけ言い残して、リンは去った。

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