第02章 最強の経歴
次の日……
「おはようございます」
斬雪は大きな欠伸をしながら、食堂へやってきた。
「おう!おはようさん」
食堂にいたのは、従業員の“今田杏”と“吉岡悠二”と“杉並英二”だった。
「みなさん、早いですねぇ…」
斬雪は眠そうな顔をして言った。
「そう?まぁ、俺たちは部活があるからな」
英二はご飯を食べながら言い、杏はそれに頷いていた。
「え?吉岡さんは?」
「僕はちゃうよ。ただ早起きしてるだけ。もう少しでみんな起きてくるんちゃう?」
そう悠二が言った瞬間…
「みんな、おはよう!」
渉と宗一郎が食堂に入ってきた。
「おはようございます!あれ?耕介さんは?」
「アイツなら、学校へ行ったよ」
「じゃあ、みなさんは?」
斬雪は不思議そうな顔をして聞いた。
「俺たちも学生だよ。今、三日月学園高等部2年生だ」
と渉は言った。
「えっ!じゃ、じゃあ、耕介さんは何歳なんですか!?」
「俺らと一緒だよ」
今度は英二が言った。
「けど、耕介さんだけが途中から入ったって…」
「アイツはもうとっくに卒業してるよ。バケモノみたいな経歴でな…」
「どういうことですか?」
渉は静かに語りだした。
「三日月学園高等部に10歳で入学し、大学院生までをわずか13歳でやり遂げ卒業している。おまけに生徒会長を2期連続で務め、成績は3年間ぶっちぎりのトップ。最優秀生徒に贈られる金時計を3つも持っている。さらに、元最強と呼ばれた特殊部隊“ブラック・サン”のリーダーも務めていたんだ」
「す、すごい…。つーか、人間?」
「まぁ、一応人間じゃない?」
「誰が一応人間なんだ?」
「うおっ!耕介!お前、学校に行っただろ!?」
いきなり食堂に入ってきた耕介に全員が驚いた。
「まだ行ってねぇよ…。…ったく、人の悪口を言うのも程々にしろよ」
「悪口ではないぞ!お前のただならぬ人生を語っていただけだ!」
渉と宗一郎はガッツポーズをしながら言った。
「バカが…。それより、学校に行かなくていいのか?もう7時だぞ」
「そうやな、そろそろ行きますか。耕介はどうするん?」
「後から行くよ…」
「この遅刻魔!」
今度は杏が言った。
「俺はとっくに卒業してるんだぞ?正直言うと行く意味ないんだから」
「ま、そうやな!じゃあ、俺たちは行ってくるわ」
そう言って、5人は学校へ行った。
「斬雪。留守番、頼んだぞ!」
「はい!」