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第01章 斬雪

何の変哲もない島『三日月島』

その島に大きな建物が建っている。

その建物の名は、旅館『日向』

この旅館は正直ボロい…。

ボロいわりにはお客さんは結構いるという。

そう、この旅館は普通とは違う…。

全員が不思議な力を持っていたのだ…。



旅館の朝は早い…。

いつも、4時くらいに起きなければならない。

しかし、最近はお客が全く来ない。


「旅館業なんてこんなもんだろ」


と経営者として最悪なことをオーナーは思いながら毎日を過ごしていた…。

そんな旅館に1人の男がやって来た…。



「従業員の皆さん、おはようございます。起きろボケ!!寝すぎなんだよ!!」

午前10時に館内放送が鳴った。

「嫌な目覚まし…」

と言いながらみんなが起きた。

通常なら、午前4時には起きなければならないのだが、お客がいないのでゆっくりしていたのである…。


「いや〜、しかしいい所だな、この町は。けど、本当に旅館なんてあるのかな?」


そう言いながら来たのは“空龍くうりゅう斬雪ざんせつ”。

旅館の経営者、空龍オーナーの親戚で名門校“三日月学園”を目指している。

だが、実家からあまりにも遠いため、この旅館に来たのである。

大きな階段を登り、やっとたどり着いた…。

「ここが旅館“日向”か〜。デカイけど、ボロそうだな…」

斬雪は呟くように言った。


「あの〜、すみませ〜ん!誰かいますか?」

誰も出てこない…。

空龍オーナー以外、他の誰かが出てくれるだろうと従業員は思っているからだ。

斬雪はもう一度言ってみたが、やはり誰も出てこないのでお邪魔することにした。

館内をさまよっていると、赤いランプが点滅した。

そう、警報装置だ。

『緊急事態発生!緊急事態発生!』

これには、斬雪も従業員も驚いた。

「オイオイ…」

斬雪は逃げているうちに、従業員全員に会ってしまった。

「コラ、待て〜!!」

斬雪は屋上に逃げるが、逃げ場所がなく、追い詰められてしまった。

斬雪は“こ、殺される…”と思った瞬間…


「お前ら、何やってるんだ?」


やって来たのは“空龍くうりゅう耕介こうすけオーナー”だった。

「耕介おじさん!!」

斬雪は“助かった”と思った。

「なんだ?オーナーの知り合いだったのか?」

「あぁ。親戚でな」

「耕介おじさん!お久しぶりです!」

斬雪はそう言い、耕介に近づいた。だが…

「耕介さんだ!!」

斬雪は強烈なストレートを食らった…。


ひとまず、1階のフロアで斬雪の話を聞くことになった。

「“三日月学園”に受かったんですけど、家からじゃ遠すぎて…。それで、耕介さんが近くで旅館を経営してるって聞いて…」

「なるほどね…。まぁ、近くじゃないし、旅館でもないけどな」

耕介は笑いながら言った。

すると、従業員の1人“横山よこやまわたる”が言った。

「あれ?“三日月学園”って途中から入学できたっけ?」

「できるよ。偏差値がすごく高いけどな」

耕介は新聞を読みながら言った。

「なんぼなん?」

「平均80点以上だったっけな」

「高っ!!」

「よく受かったなぁ…」

渉は驚きを隠せなかった。

従業員“蒼柳あおやぎ宗一郎そういちろう”が言った。

「まぁ、オーナーの親戚だから、これくらい余裕だろう」

「そうでもないですよ…。それより、旅館じゃないってどういうことですか!?」

「ん?あぁ。旅館というより、学生寮と言ったほうがいいかな。実際、俺たちもまだ学生なんだし」

「じゃあ、みなさんは“三日月学園”の生徒なんですか?」

「…耕介を除いてな」

渉は耕介の方を見ながら言った。

「まだ通ってるだろ!」

耕介は渉の方を見ながら言った。

「卒業してんのに、何で来るのかな? …もしかして」

「それ以上言うな!!誤解を招く!!」

二人の言い争いを宗一郎はやれやれといった表情で見ていた。


「とにかく…」

言い争いは一時的に終わり、元の話の戻った。

「泊まるのなら、少しは働けよ。1週間後だろ?入学式」

「はい。そうです」

「それまではゆっくりしろ。話は以上だ」

「はい。よろしくお願いします!」



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