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リアローフオンライン  作者: Mr. Suicide
第一章 その男鍛冶師につき
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リアローフオンライン

 「リアローフオンライン」は、VRMMORPGが世に出てもう十年の月日が流れ、初のVRMMORPGを出した「マッドソフトウェア・エンターテインメント」より発売された最新鋭のVRMMORPGだ。

壮大なグラフィック、広大なマップ、綿密なシナリオ、数百に留まらない武器の数々、高すぎる程の自由度、どれをとっても過去最高と言われた。

斬新なシステムやグラフィックは人々に感動を与えた、しかしこのゲームは思った以上に人気は出なかった、所謂スキルといったものがなかったからである。

一番の売りであった「すべての行動が本人のプレイヤースキルに依存する」という「ハンドワークシステム」が足を引っ張った形になった。

誰もが皆、派手な魔法で敵をなぎ払い、洗練された技で敵を打ち砕く、そんな英雄譚に憧れてVRMMORPGというジャンルに手を伸ばす、だがこのゲームはそんな憧れを打ち砕くモノだった。

職業というものはなく自分で考えながらポイントを振って行く、レベルアップするごとにポイントが得られ、それを自分のステータスに振って行く形だった。

魔法にはショートカットがなく長い詠唱を暗記するか、武器スロットに攻撃のできないグリモワールを装備するしかない。

剣技に攻撃スキルなどはなく多少の体捌きの補助と、攻撃力UP等のスキルしかなく、一発逆転やゴリ押しは通用しない。

スキルはあるが補助スキルばかり、それも大きな効果はなくそれなりの効果、あってもなくても変わらないが使わないよりは使ったほうがまし、そんなスキルばかりだった。

更に言えば生産はもっと大変だった、実際の行動を追っていかなければならなかったのだ。

服を作るなら型紙を作り布をカット、それを縫い上げて行く、字で見れば大したことのないモノに見えるが、可愛いものやカッコイイもの、装飾等をつければもっと時間がかかる。

鎧や防具を作るのは想像を絶する大変さ、嬉々として武器や防具を作った人間は軒並みに挫折し見切りをつけて辞めていった。

これだけではやめる理由にはならない、決定的な理由は、NPCの鍛冶屋で金と素材さえ出せば作りたい武器を確実に作れるのだ。

かたや性能がいいものができる可能性はあるが失敗もするプレイヤー、かたや少し割高で性能は普通だが確実に成功してくるNPC、どちらを選ぶかは一目瞭然である。


 無論中にはプレイヤー武器にこだわる者もそれなりにはいるが、やはりひと握りの人間だけだった。

この事実もプレイヤー達の生産離れに拍車をかけていった、そんな中でも生産を辞めずに頑張っている者たちもいる。

「エリーゼ武具店」の店主であるエリーゼ、「シュタイン商会」のまとめ役であるシュタイナー、そして「鍛冶屋ジョンハンマー」のメタルスミスであるジョン・バレル。

リアローフオンラインで有名な鍛冶士としてあげられるこの三人は、それぞれがそれぞれに特徴を持って生産職として認められた人たちである。

まず「エリーゼ武具店」エリーゼを筆頭とした四人組によって女性向けの武器や防具、服を中心に取り扱っている店で主に女性アバターやそういった防具を作る職人が作った物を売りに来る。

次に「シュタイン商会」はおおよそこのゲームに参加している生産職達が売りに来る武具店で、初心者や中級者等に向けた大量生産された武具を扱い、職人に鍛冶場の提供も行なっている。

最後に「鍛冶屋ジョンハンマー」この鍛冶屋は知る人ぞ知るといったNPCの鍛冶屋である、ある程度レベルの行った人間しか店内に入れず、運営の救済措置的な鍛冶屋として広く知られている。

ここの武器を持っているというだけで一人前、防具も揃えていれば一流、店にいつでも入れる紋章を持っていれば超一流の戦士と言われる程に価値のある物を作る。

失敗を今まで一度もしていない事や寡黙で必要な事意外喋らない事、何故かNPCマーカーは出ていないが運営のミスであろうというのがプレイヤー達の見解である。

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