ただ一人の
濡れた緑の梢を通して、柔らかな光が降り注ぐ。大森林の穏やかな空気は、傷つき疲れた者には優しかったが、それでも、ゆっくりと衰えゆく命をつなぎとめる力まではなかった。
フィダエ族の寝床に横たわったオルジンは、己の目覚めていられる時間がそろそろ尽きようとしていることを、恐れも感慨もなく、ただ平静に自覚した。落ち窪んだ目を動かすと、傍らに座るオルグの竜侯が視界に入る。
ウティアもまた、平静だった。彼の死を、看取る、というのではなく、ただ見届けるために来たのだろう。オルジンは萎びた唇を動かし、かすれる声を絞り出した。
「ひとつ、お願いが……」
ウティアは黙ってうなずき、先を促す。オルジンは微かに目を細めた。
「過去に……戻らせて、欲しいのです。私の、記憶……」
時間を巻き戻せというのではない。ただ、もう一度、過ぎ去った日々の記憶を呼び戻したかった。今では思い出そうとしてもおぼろな、数々の出来事、大切な人の面影を。せめて最後に夢を見ながら、眠りにつきたかったのだ。
彼の望みを、ウティアは間違いなく理解した。手を伸ばし、軽くオルジンの目を覆う。
「眠れ」
穏やかで感情のないささやきが命ずる。オルジンの唇から、ゆっくり細い息がこぼれた。
*
――何も、こんなに醜い者を……。
初めて聞いた女主人の言葉は、そんなものだった。奴隷の少年は曲がった背中の続きにある頭を少し上げて、そっと様子を窺い見る。自分を買った男が、貴婦人に言い訳をしているのが聞こえた。
「ですが奥方様、問題なのは見た目だけで、歯も欠けていないし読み書きも出来るのですよ。無駄口はききませんし、大層安かったので」
「それはそうでしょうとも。使い物にならないのではね」
「まさか、私がそのようなものに無駄な出費をすると思われますか。これは言いつけも理解しますし、愚図でもありません。それに……このなりですから、問題を起こす心配はありませんし」
男が言って、ちらりと少年に視線を向けた。女主人もつられるように、眉をひそめて一瞥をくれる。その目つきの意味を、少年はよく知っていた。
「確かに、その問題だけはないでしょうね」
ため息と共に貴婦人が認める。新たな奴隷を補充することになったのは、前にいた雑役夫が下女を誘惑し、孕ませたからだ。この醜い少年なら、そうした心配はするだけ無駄だろう。
事情を知らない少年にも、恐らくそんなところだろうと察しがついた。
ともあれどうにか返品の憂き目は免れ、彼は館の下働きとして居場所を与えられた。が、はずみで誰かの目に触れぬようにと、常に外套で姿を隠すように命じられたのだった。
それから数ヶ月もした頃だったろうか。
影のようにひっそりと、中庭の隅を横切ろうとしたところで、彼はあるものに気付いた。明るい場所に置かれた書き物台に、無造作に載せられている小さな玩具だ。
絵の描かれた正方形の板を縦横四等分して十六の欠片に分割し、ひとまわり大きな枠板に収めてある。隅の一枚を外して出来た空間に欠片を滑らせて動かし、絵を乱したり、元通りにしたりするものだ。もちろん、欠片を枠から外してはいけない。
はてな、と彼は首を傾げた。この館の“子供”は、自分と同じ年頃の若様が一人きりだと聞いた。玩具で遊ぶ年齢ではないだろう。だがほかに誰が?
訝りながら、周囲を見回す。人影はない。彼はそっと近寄って、様子を確かめた。どうやら途中で飽きたか諦めたか、図柄が乱れたままだ。
(馬だな)
ばらばらになった部分からすぐに正体を見出し、彼はもう一度、さっと辺りを見渡した。誰もいない。持っていた籠を下ろして、書き物台に手を伸ばす。素早く欠片を動かして、瞬く間にちゃんとした配置に戻すと、彼は満足してその場を離れた。
翌日もまた、それが置かれていた。誰かがこっそり完成させたのに気付いた主が、気まぐれに置いたのだろう。今度は別の絵で、少し分かりにくい。だがこれも彼は、すんなり完成させた。
それから数日、中庭を通る用事がなかった。しばらくぶりに庭を通った少年は、もう主も忘れただろうと思いながら、書き物台を見やった。やはり、玩具はなかった。
――が、代わりに一枚の使い古した羊皮紙と、ペンとインクが置かれていた。少年は目をしばたき、ちらちらと周囲を警戒しながら近寄った。
(試されているのか)
そこには、三つの問題が書かれていた。年端も行かない子供に対するような、あまりに簡単な計算問題から、少し複雑な図形の問題、そして歯ごたえのありそうな論理の問題。
よし、と彼は台に向き合った。第一問はその動作とほとんど同時に解けていた。次も、時間はかからなかった。俄然面白くなって第三問に取りかかろうとしたところで、人の気配がして、彼は慌ててその場から逃げ出した。
雑役奴隷ごときが仕事をさぼって、主の書き物台を勝手に使っているなど、見付かったら確実に食事抜きだ。
だが解き損ねた問題は、しつこく頭に残って離れなかった。何をしていても、気がつくとそればかり考えている。地面に石で、机に水で、隙を見てはあれこれと試行錯誤の解を書きつけて、正答を追いかけた。
翌日、彼は我慢できなくなって、用事もないのに中庭へ向かった。水盤を掃除していた庭師がいなくなるのを待ち、静かに、用心深く書き物台へ忍び寄る。
羊皮紙は昨日のまま置かれていた。彼が最後の問題を解けなかったのではなく、途中で離れただけだと分かっているかのように。
誰も来そうにないのを確かめてから、ペンを取り、インク壺に浸す。その時だった。
「おまえだったのね」
建物の中から声がして、彼は竦み上がった。ペンを取り落とし、振り返る。最初の日に見かけたきりだった奥方が、薄暗い部屋に半ば身を隠しつつ佇んでいた。
「……申し訳、ございません」
かすれ声で謝罪し、深く頭を下げる。そのまま動けなかった。鞭打たれるだろうか、二度とさぼる暇などない苛酷な仕事に回されるだろうか。恐怖が打ち寄せたが、彼には逆らうことも逃げることも出来なかった。そんな自由はないのだ。
ややあって、衣擦れの音と共に、奥方が歩み寄ってきた。
「顔を上げなさい」
「…………」
少年は体をふたつに折ったまま、小さく首を振った。醜い顔を、相手の視線に晒す勇気はなかった。
「わたくしに、おまえの足元にしゃがみこめ、と言うの? 背を伸ばし、顔を上げなさい」
責めるように命じられ、慌てて彼は姿勢を正した。と言っても、曲がった背骨で出来る限り、だったが。
その時初めて、彼は奥方の顔をまじまじと見つめた。気高く、意志の強さがはっきりと表れた、しかし決して無慈悲でも高圧的でもない表情。鉄錆色の目は鋭いながらも温かく、唇はやや薄いが、穏やかな微笑を湛えている。
「オルジン、だったわね」
「っ! は、はい!」
名前を覚えられていたことに驚き、彼は裏返った声で答えた。その反応に、奥方は目を細める。
カアッと全身が熱くなった。これまでの人生で、誰かに優しく微笑みかけられたことなど、一度としてなかったのだ。蔑みも軽侮もない、純然たる優しさを向けられるなど初めてで、そのもたらす甘美な昂揚にくらくらしそうだった。
奥方は改めてオルジンを上から下まで眺めたが、その視線には一片の悪意もなかった。
「こうして見ると、つくづく無残な容貌だこと。なぜおまえのような知性あるものに、神々はこんな体を与えたのかしら」
「神々のせいでは、ないと思います」
オルジンはためらいながら答えた。奥方が皮肉ではなくただ不思議がり、かつ自分のためにそれを残念だと思ってくれたことが、声音から伝わったからだ。
「最初の主から聞いた話ですが。私は、産婆に相当手荒く引きずり出されたため、あちこち歪んでしまったのだとか。育てば少しはましになるかと、乳離れするまでは様子を見たものの、どうにも駄目だったので……」
「売られた、というわけね。やれやれ、見た目と好き嫌いで人を判断するのは、わたくしたち女子供の悪い癖だわ。おかげでわたくしも、おまえの母親と同じく貴重なものをどぶに捨てるところだった」
「…………」
貴重なもの――それが自分のことだと、すぐには信じられなかった。
彼は目をみはり、絶句して、礼儀も遠慮も忘れて奥方を凝視した。今なんとおっしゃいましたか、本当ですか、私を認めてくださるのですか……そう聞き返したくて、けれど聞いたらすべてが砕け散ってしまうのではないかと恐れて、ただ見つめ続ける。
揺らめく水色の瞳の前で、奥方はにっこりと微笑み、うなずいた。彼のすべてを肯定するように。
オルジンは込み上げる想いを抑えかね、涙で潤んだ目を隠そうと、顔を伏せた。
それからは、仕事をぐんと減らされて、合間に奥方のお相手を務めることになった。奥方は知的な遊びに楽しみを見出す性質だったが、屋敷の女主人としての仕事が忙しく、わずかな合間に遊戯や問答のできる相手を求めていたのだ。
最初のきっかけをつくった玩具も、奥方が短い息抜きに手遊びしていたものだった。
オルジンは館の蔵書を好きに読むことを許され、当主夫妻の寝室と子供部屋以外はどこにでも自由に出入りして良いとまで言われた。
そうして彼は、相変わらず姿を隠して影のように振る舞いながら、ついにある日、渇いた心と知性に染みこむ無限の水脈を掘り当てたのだった。
「奥方様」
発見したものを手にして、オルジンは奥方のもとを訪った。執務室で帳簿相手に格闘していた奥方は、ぎょっとなって竦み上がる。
「オルジン、驚かせないで頂戴。おまえはどうしてそう、足音を立てずに歩くのですか」
「申し訳ありません」
オルジンは頭を下げ、そのままうつむき加減に言い足した。
「私の足音は、どうしても不揃いになりますので……聞いた人はほとんど必ず、振り返るものですから」
元来が安定の悪い脚で、静かに歩くのは難しかった。だが彼は出来るだけ人の注意を引かぬよう、幼い頃から、音を立てずに動く練習を続けてきたのだ。人に見られて良い事のあったためしがない――奥方を除いて。
オルジンの答えに奥方は顔をしかめたが、鼻を鳴らしただけで何も言わなかった。ペンを置いて姿勢を変え、オルジンに向き合う。
「何か見つけたようね?」
「はい。これを」
差し出したのは、一冊の書物だった。相当な年代ものらしく、腐食と変色でぼろぼろだ。が、表紙にはそれでもなお消えず、特徴的な飾り文字がくっきりと浮かび上がっていた。
「……どこで、これを」
「地下室の奥に、別の扉が隠されておりました。そこでございます。ほかにも様々な道具がありました。恐らく魔術に関するものかと」
淡々と説明したオルジンの前で、奥方は青ざめてうつむき、唇を震わせた。
「あれだけでは、なかったなんて……」
「……?」
オルジンはただ、問いかけるまなざしを返しただけで、じっと待つ。ややあって奥方は、滅多に見せないこわばった顔を上げた。
「おまえは、すべてをわたくしに差し出す覚悟がありますか」
唐突な問いだったが、オルジンは一瞬の迷いもなく「はい」とうなずいた。奥方はさらに畳みかける。
「どれほど素晴しい宝を手に入れようと、神々に匹敵する力を手に入れようと、それらすべてをわたくしの為に投げ捨てられると、誓えますか」
その言葉で、オルジンはすべてを悟った。
「――ああ」理解のため息をもらし、うなずく。「この館には、古のわざが眠っているのですね。奥方様は、それを恐れていらっしゃる。その力が、災いを呼ぶのではないかと。だから私に、魔術師になれと仰せられるのですね。魔術のわざを手に入れ、従え、かつ、それを滅ぼせ、と」
なんだそんな事ですか、とばかりの口調だった。実際にも彼はそう思っていた。
彼のあまりに軽やかな返事に、奥方が眉を寄せる。オルジンは微笑み、丁寧に、深く一礼した。
「お安い御用です、と申し上げられるほど、己の頭脳に自信があれば良いのですが……そこまでは、流石に。ですが誓いましょう、奥方様。お望みの通り、私はあなた様にすべてを差し出します。ずっと、そうしたいと願って参りましたから」
「……わたくしには、過ぎた贈り物ですよ」
奥方の声が揺れる。下げたままのオルジンの頭に、そっと、羽根のように優しく指が触れた。
そして彼女は、すべてを告白した。
アウストラ家の屋敷には、忌まわしい魔術の剣が伝わっていること。恐らくは、大戦の折に力を振るった魔術師が、始祖たる竜侯と共にこのナクテに根を下ろしたのであろうこと。その呪いとでも言うべき暗がりが、一族の歴史にも影を落としていること。
過去、何人もの当主やその家族が、先例を知りながら件の剣に手を出し、憑かれて狂い、密かに葬られてきた。
「力を求める者と魔術とは、互いに引き寄せあうのでしょうね。だからわたくしは恐れているのです。……わたくしの息子、セナトが、その道を歩みはしないかと。あの子はいつも、怒っている。父親が不甲斐ない、母親がでしゃばりすぎる、議員らは愚劣きわまり、我が家門の威光が下落している、と……」
だから、止めてくれ。
奥方はそう頼んだ。彼が力を求めて道を踏み外すようなら、彼を上回る力を手に入れ、それでもってすべてを終わらせてくれ、と。
「おまえなら、きっと出来ると信じます。天賦の才に加え、学ぶことへの貪欲さ、理解の早さと粘り強さを見てきました。おまえなら、失われた力と技を手に入れ……そして、惜しげもなくそれを手放せると、信じても良いですね……?」
切実に訴える奥方の表情は、救いを求める一人のちっぽけな人間のものだった。強く気高い竜侯の末裔でも、知性溢れる女主人でもなく。
それでも、否、だからこそ、オルジンはその前にひざまずいた。
「承りました。必ず、お望みを叶えると約束いたします。神々と、この命にかけて」
……とは言え、奥方の憂慮がすぐに現実のものになる兆しはなかった。
その日以来、オルジンは館に残された魔術に関する遺物を徹底的に調べ、必要とあらば各地の神殿を回り、己の身で実験もした。
そんな日々を送りながらも、奥方との関係は相変わらずで、二人の間には穏やかな空気と優しさが常に満ちて、時には明るい冗談さえもが交わされた。
やがて奥方の息子セナトが妻を迎え、奥方の夫君が亡くなり、当主が交代した後のこと。
「大奥様」
初めてそう呼びかけたオルジンに、奥方は若い娘のようなしかめっ面をして見せた。
「よして頂戴、オルジン、おまえまで。待ち構えていたように皆がそう呼ぶのだから、うんざりだわ。そんなにわたくしを老け込ませたいの?」
「申し訳ありませんが、そういうならいですので」
「ええ、大きな顔をされては鬱陶しい姑を少しでも早く隠居させようという、悪しき慣習だわね。いいえ、わたくしは断固抵抗しますとも。ほかの使用人は仕方ないとしても、おまえにまで馬鹿げた慣習は守らせないわ」
「……では、なんとお呼びしましょう?」
オルジンはやや困惑気味に首を傾げた。この方と言えどもやはり女性、若さと力を保ちたいのは人並みであったか、などと今さらな感慨を抱きながら。
すると奥方は、その質問を待っていた、とばかりにっこり笑って答えた。
「名前を呼べば良いではないの。わたくしにはエフェルナという、れっきとした個人名があるのですから」
「――!! そ、それはいくらなんでも畏れ多うございます」
「遠慮は無用です。わたくしが構わないと言っているのですよ」
奥方はつんと顎を上げて、オルジンを突き放す。だがじきに彼女は、いつもの柔らかな笑みを浮かべた。そして、ゆっくり手を伸ばし、そっとオルジンの手を取る。
「本当はね、オルジン、わたくしも時には誰かに名を呼ばれたいのです。これまでの人生で、わたくしは様々に呼ばれました。お嬢様、若奥様、奥方様、そして今度は大奥様。すべて、この家における役割に過ぎない呼び名でね。エフェルナ、と呼んでくれた人は本当に少なくて……きっともう、これからは誰もいないわ」
そう言って彼女は、寂しげに目を伏せた。オルジンは、既に異世に旅立った奥方の両親と夫君を思い、黙って立ち尽くすしかなかった。
「だから、せめて一人だけは、名を呼んで欲しいのです。それが誰かと考えたら……おまえしかいなくて」
「ですが、私は奴隷です」
「いいえ。わたくしの、ただ一人の友達よ」
奥方――エフェルナは、オルジンの手を離し、一枚の書状を取り出して見せた。
「今朝方、届きました。これで、わたくしがいつ隠居させられても、あなたの身は安全です」
耳慣れぬ呼称に、オルジンは当惑した。おまえ、ではなく、あなた、と呼ばれたのは初めてだ。つかのま悩み、そして、理由を察する。
「……! まさ、か」
オルジンは震える手で書状を受け取り、何度も瞬きしながら、繰り返し文面を読んだ。間違いなく、彼自身の解放許可証明書だった。
放心しているオルジンに、エフェルナは悪戯っぽい声をかける。
「さあ、これでもう本当に、遠慮などしなくて良いでしょう?」
オルジンはのろのろと顔を上げ、温かな情のこもった笑みを、正面から受け止めた。
いつ頃からか、彼女の前では己の醜さを意識することがなくなっていたが、しかし、今やっと初めて本当に、わずかな気後れさえなく彼女と向き合えたのが分かった。
「……ありがとうございます、……エフェルナ様」
どうにかそう言って、笑みを浮かべる。涙が勝手に溢れて、頬を伝った。
様、も要らないのに、と応じて笑ったエフェルナも、心から幸せそうだった。
(エフェルナ様、エフェルナ様)
何度も何度も、オルジンは心の中で繰り返し名前を呼んだ。自分のことを、たった一人の友達だと言ってくれた人の名を。
(あなた様も、私の……ただ一人の、……)
*
フゥ……ッ
細い吐息が尽きる。ゆっくりと、静かに。
あとにはただ深い沈黙と、微かながらも満ち足りた笑みだけが残った。
(終)
本来は完結後の『閑話』に入る話ですが、たまたま編集ミスで本編の末尾に入っていた時に読まれた方から「閑話でも幕間でもなく本編最後なのが良い」とのご感想を頂き、また別の方からもこの話を特にお褒め頂いたので、この位置に移しました。
作者としても閑話の中で唯一この話だけは、是非本編と併せて読んで頂きたいと思っている一編です。
ここまで読み切られたなら、評価やご感想など何らかのフィードバックを頂きたく存じます。
機会があれば書籍版のほうもご覧頂ければ幸いです。




