表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒薔薇の檻  作者: 麗夜
91/150

第91話「国王の決断」

その夜、ルシアンは国王の部屋に長くいた。

エレナは自分の部屋で待った。

一時間が過ぎた。二時間が過ぎた。

リーナが温かい茶を持ってきた。

「殿下と陛下、まだ話しているみたいです」

「……そうですか」

「大丈夫だと思います。殿下は、絶対に折れないから」

エレナは茶を一口飲んだ。

三時間後、ルシアンが部屋に来た。

顔を見た瞬間、エレナには分かった。

良い話ではない。

「兄上は——認めなかった」

静かに言った。

エレナは少し間を置いた。

「……そうですか」

「セルディアとの婚約を進める意向は変わらないと言った。お前との関係を、公式には認めない」

「陛下の理由は」

「国の安定のため。それだけだ」

ルシアンの目に、珍しく——疲れがあった。怒りではなく、ただ深い疲れ。

「どうするつもりですか」

「諦めない」

「でも、陛下が——」

「兄上が認めなくても、私はお前と生きることを選ぶ。ただ——時間がかかる」

「どのくらい」

「分からない。でも——」

「待てます」

エレナが言った。

「どれだけでも、待てます」

ルシアンがエレナを見た。

「……お前が待つ間、辛いことが増えるかもしれない」

「知っています」

「宮廷での立場が、難しくなるかもしれない」

「知っています」

「それでも——」

「それでも、ここにいます」

ルシアンが、エレナの手を取った。

「……必ず、解決する」

「信じています」

その夜は、二人でいた。

でもエレナの胸の中に、小さな不安が残っていた。

国王が認めない。その事実の重さを——エレナは、まだ全部受け取り切れていなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ