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彗星の飴  作者: 千疾
彗星の飴
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第九章:氷の祈りと終末の幕

「……ここが《氷の聖域》か」

空が白く、地が凍りついた世界。リオたちは六つの星印を胸に抱え、最後の星“氷の星印”を求めて北の地へ辿り着いた。

その地に立っていたのは、一人の巫女。

全身を白銀の装束で包み、瞳は透き通るような蒼。彼女の名は――シルフィア。

「あなたたちが、継承者……」

静かにそう言った彼女の胸には、七つ目の星印が淡く輝いていた。

「氷の星印は……私自身の命に結ばれているの。 これを継承するには、“未来を託す覚悟”が必要よ」

その時、地響きとともに“黒のゲート”が開いた。

「ちょうどいい。覚悟が本物か、見せてもらおう」

仮面の道化、エンシュツシが再び姿を現す。

だが今回は、彼の仮面が静かに割れた。

現れたのは――リオと瓜二つの顔。

「俺の名は、リオン。 かつて、君と同じように星を集めようとした“もう一つの継承者”さ」

「な……」

「俺は、星に選ばれなかった。 だから俺は、選ばれる側をやめた。選ぶ側になることにしたんだ」

エンシュツシ=リオンの指の先、空が引き裂かれ、世界の裂け目が現れる。

「この世界はすでに崩れ始めている。 残された七つの星を核に、“新世界”を創るしかない」

「それじゃ、今の世界は……!」

「消えるよ。だが、価値あるものだけが残る。 君も、君の仲間も、“試されている”んだよ。 本当に星を託すに足る者かどうかを」

リオンは手を振ると、氷の聖域に影が落ちた。

現れたのは、黒の継承者全員。そして、その中央に再び現れたレン――レイヴンが剣を構える。

「今ここで決着をつけよう、リオ」

◆氷の戦場:星継のほしつぎのわ

ここは七つの星印が共鳴し、世界と繋がる中心。この地で勝者となった者が、すべての星を束ねる“真の継承者”となる。

◆激突:リオ vs レイヴン(レン)

剣と魔法、風と影、過去と未来――全てをぶつけ合う戦い。

「お前は星を支配したいのか!」

「違う……守りたいんだ。だが、それには“力”がいる!」

剣が交差する中、二人の記憶がフラッシュバックする。

かつて幼い頃、星に願った夢。二人で星を見上げ、「世界を変えよう」と誓い合ったあの夜。

「……レン、俺はまだ信じてる。お前の願いが間違ってなかったことを」

その言葉に、レンの剣が止まった。

「……くそ、こんなやり方じゃ、誰も救えないよな……!」

レンが仮面を脱ぎ捨て、力を貸す決意を固める。

その時――

◆最後の継承

巫女シルフィアが、リオに氷の星印を託す。

「託します。あなたの覚悟に、星の未来を」

七つの星が揃った瞬間、天が裂け、すべての星の力がリオに流れ込む。

だが同時に、リオンが嘲笑する。

「それでようやく、扉は開いた。 “FINAL JACKPOT SHOW”……いよいよ開演だ!」

彼の背後に現れるのは――かつて星を破壊したとされる《虚無の獣》。この世界すべてを喰らう存在。

リオンはそれを操り、“すべてをリセットする力”を使い、世界を作り変えようとしていた。

「さあリオ。君がこの星を継ぐに相応しいか、見せてもらおうか」

幕が上がる、最終決戦。

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