若きを感じて衰退を払う
「精神に生じるよどみ 影響を受ける世界 変わらず咲く美しい花々 ほっと一息つき、花をなでる 衰退とは、精神の老化だ」
人は日々生きるなかで様々な感情と出会う。喜びや悲しみ、怒りと愛情、恐れと期待。そのすべてが私たちの大切な感情だ。あなたはこのような経験をしたことはないだろうか。友達とお出かけしたときに、はしゃぎすぎて、くたくたになってしまった。試験や課題が積み重なり、そのあまりの量に、思わず目を見張った。そんな時、心には感情という名の雪が舞い始める。喜びでも、悲しみでも――どんな感情でも、その雪は降り積もる。そして、その量は、あなたが感じた感情の大きさによって変化する。間違わないで欲しいことは、感情が悪いという話ではないということ。感情とは、私たちが生きている証だ。感情とうまく付き合うことによって、あなたの世界は、より色のついたものとなる。
心に降り積もった雪はその量に応じて重みを持つ。イメージして欲しいのは、木の枝に乗った雪だ。少量であれば、木の枝はその影響を受けず、真っ直ぐとした姿を保つ。だが、枝に付着する雪の量が増えるにつれて、枝は垂れ下がり、酷い場合には折れてしまうことがある。怖がらせたいわけではない。ちゃんと、対処法もある。ここで言いたいことは、感情という雪はあなたに影響を与えるということ。それが少量であったとしても、雪から伝わる熱は、あなたの世界の見方に影響を及ぼす。
その雪が、暖かい感情から生まれたものであれば問題ない、とあなたは思うかもしれない。暖かい感情から生まれた雪は、あなたが見る世界を優しく美しいものにしてくれる。だが、注意しなければならないことがある。感情というものは、その全てが重みを持っている。強すぎる喜びや期待、興奮は、あなたを知らないうちに、疲れさせてしまうかもしれない。
意識することは、この世界に確かに存在するものに、感覚を集中させるということ。手に持った飲み物から伝わる熱、ただよう香り、口に入れた時に感じる味。その全てをひとつ、一つ丁寧に確認していく。視界に花が入れば、その花がどのように揺れ、なぜ美しいのかを観察する。その余白が、あなたの心に降り積もった雪を静かにとかしていく。雪の重みは、私たちを強くすることもあれば、弱くすることもある。老いとは、私たちの心の中に降り積もった雪が、その重みを伝えてくることによって引き起こされる現象だと私は思う。雪に気づき、それを優しくとかしながら、再び世界を眺めよう。そこには、今まで見たことのない景色が広がっているかもしれない。
感情という雪が静かに降り積もるこの世界で、懸命に生きるあなたに敬意を。心の中にある雪は、あなたの世界を、より深く、意味のあるものにしてくれる。どうか、あなたがその雪とうまく付き合えますように。あなたが持つ雪とは、この世界を彩る色にほかならない。今日もあなたという灯りが、世界に確かに灯っている。




