怒りよ、花を咲かせる熱となれ
「煮えたぎるマグマ 噴煙をあげる火口 湧き出す温水 その熱はいのちを暖め 花を咲かせる熱となる」
人は生きるなかで様々な葛藤を経験する。考えたことが思うように進まない苛立ち、不測の事態が起こったときに生じる動揺、対人関係の衝突から生じる苦悩。その全てが切実なものだ。あなたはこのようなことを経験したことはあるだろうか。重要なテストで思うように点数がとれず、天を仰ぎ、ギュッと手を握りしめた。人と気持ちがすれ違い、言いようのない重みと苦みが胸の中に広がった。それらは全て心の中に生じたマグマのようなものだ。そのマグマはあなたの強い感情から生まれたもので、とてつもないエネルギーを秘めている。覚えておいて欲しいことは、そのマグマは決して悪いものではないということ。深呼吸をして、そっと受け止めてあげて欲しい。その熱はあなたを身体の芯から暖める熱源となる。大切なことは、そのマグマをしっかりと受け止めて、適切に扱うこと。
あなたの内にあるマグマは、非常に強力なものだ。感情の制御がうまくいかなくなったり、思ってもない行動をとってしまうことがあるかもしれない。そんな時は、目を閉じてゆっくりと深呼吸をしよう。どれだけ時間をかけたってかまわない。大切なことは、マグマの熱に振り回されないこと。そのマグマはあなたの強い感情が作り出したものだ。だが、あなたの全てではない。ゆっくりとその熱をどう使うのかを考えよう。言葉や行動で発散するのもいい。芸術作品を作るのもありだ。けれど、その行動があなた自身の在り方を、傷つけるようなものであってほしくはないと思う。
マグマは周囲を焼き尽くす炎にもなれば、静かに揺れる花を、そっと暖める温泉を作り出すことも出来る。あなたはそのマグマを手にしている。悩んでもいいし、戸惑ってもかまわない。あなたの胸の中にある熱は、あなたの未来をそっと暖めてくれる。それがどのような感情から生まれたものであれ、その熱をどう使うかは、あなたの手に委ねられている。覚えておいて欲しいことは、そのマグマには色々な使い道があるということ。自分の周りを暖める熱として使うこともできるし、極寒の中で進み続けるエネルギーにもなる。マグマとはあなたが生み出した命のあつさなのだ。どうか大切に使ってあげてほしい。
感情という熱があふれるこの世界で、懸命に生きるあなたに敬意を。あなたがあなたとして生きている。それだけで、この世界の温度は確かに上昇する。あなたが生み出すマグマは、周囲の氷雪を溶かし、美しい花を育む熱となるだろう。




