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多重世界の旅人  作者: りゅう
無限回廊編
49/128

49 世界Nの空間転移研究所

ー ちょっと、よろしいですか?


 食事を終えたあと、浜辺で遊んでいたら防護スーツに通信が入った。思わず俺たちは無言で見合ってしまった。


ー 誰だ?

ー こちらは、空間転移研究所のリジンです。

 またかよ。これ、この島にいるときのお約束なのか?

ー なに? ロジンじゃないのか?

 レジンの次は、ロジンだよな?

ー いいえ。私はリジンです。リュウさん御一行ですよね?

  あっさり否定したあと、ツアコンみたいな事を言ってきた。てか、なんで知ってるんだ?

ー 俺たちの事知ってるのか?

ー はい、クロスワールド通信を聞いていましたので。

 なんだそれ?

ー 多重世界通信のことか?

ー あ、恐らくそうです。


 多重世界通信機を傍受してる人いた~っ! てか、この世界で使えない筈だけど? なんで傍受出来てたんだ?


ー 宇宙人か?

 とりあえず、聞いてみた。

ー 別世界人の宇宙人じゃない?

 メリスもノリノリだ。

ー ルジン一族は宇宙人だった!

 ユリ、それドキュメンタリーの見すぎ。

ー 違います。ええと、これからお迎えに行こうかと思ったのですが? 必要ないなら止めますが?


 あれ? 宇宙人ネタが通じない?

ー すみません。お迎え、よろしくお願いします。

ー 失礼しました。

ー ごめんなさい。

ー すまんのぉ! 世界ゼロの人間は礼儀を知らんのじゃ。

ー ツウ姫さんですね! あ、すみません。分かりました。では、少々お待ちください。

 リジンと名乗った男は、それで通信を切った。


 確かに色々知ってるっぽい。

「なんだか、ツウ姫が人気だぞ」

「ロリコンなんじゃない?」とメリス。

「歴史オタクかも」とユリ。

「わらわの事がパレてたのじゃ。ちょっと怖いのじゃ」

「ってことは、私も知られてるよね。絶対」とメリス。

「私たち、多重世界の有名人ってこと?」とユリ。

「なんか、妙な感じがするな。南極行ったら、ペンギンに『よぅ!』とか言われた気分」

「ペンギンが人語話すんだ。ていうか、リジンさんはペンギンなんだ」ユリに突っ込まれた。

「というより、この世界が南極なの?」とメリス。

「まぁ、そのくらい遠いところってことだ。じゃ、南極だから、世界Nだな」

「なにそれ、そんなんでいいの?」とメリス。

「ペンギンでもいいけど」

「ペンギンだと絶対怒られる。南極でいい」とユリ。


  *  *  *


 空間転移研究所のリジンは、三十分ほどで到着した。エアカーのような未来的な乗り物だった。もしかして、リュウ〇イ号とか言わないよな?


「すっご~い。かっこいい車ですね!」ユリが絶賛した。

「いえ、これは車ではありません」と冷たく返すリジン。

 確かに、丸いタイヤはない。砂浜の上にちょっと浮いている。やっぱエアカーだな。この世界では車とか言わないのか? 拘ってるのか?

「初めまして。私がリジンです」

「初めまして。私は美人です」

「初めまして。私も美人です」

「わらわは、もっと美人じゃ」競争してるし。

「すみません、俺は他人です」もちろん逃げる俺。

「あはは。でも、本当に美人なので、びっくりです。サインください」

「「「えっ?」」」

 おお。この三人を引かせるとは大したものだ。

「ごめんなさい。俺がリーダーのリュウです」

「はい、よろしくお願いします」

 このリジンって人、ギャグ通じないかも? それともツワモノ?


「そう言えば、日本語を話す宇宙人って知ってます?」

「なんのことですか?」

「あれ? 知らないのか。じゃぁ、俺たちが一度元の世界に戻ったのも知らないんだ?」

「戻れたんですか!」リジンは思いっきり驚いて聞き返してきた。どうも、全部を傍受してた訳じゃないらしい。俺たちの通信機とちょっと違うのかも?


「そうなんです。そのあと、改めてそれぞれ集まったんです」

「なるほど。それで四人だけなんですね!」ああ、レジンたちといた時の通信を聞いたんだ。

「リュウ、その話はあとにしようよ!」後ろからメリスに突っ込まれた。

「そうだな」

「そうですね。すみません。興奮してしまいました。では、どうぞ乗ってください」そう言って、リジンはエアカーに俺たちを乗せた。


 エアカーと言っても研究所の送迎バスっぽいものだ。全員乗っても余裕だった。

 ちなみに、世界Nの命名理由をリジンに話したら、流石に苦笑いだった。ストーカーだから文句言えないよな?


  *  *  *


 エアカーは世界Lの垂直離着陸機よりも速かった。流石にマッハ十五とは言わないが、マッハ五くらは出せるそうで空間転移研究所へはあっという間だった。ただ、浅間山麓にあるのは同じだが建物は全く別ものだった。世界ゼロや世界Lの研究所にエアポートなんて無かったしな。

 研究所に向かう途中の景色で気付いたが、眼下の街並みから見てこの世界は世界ゼロより進んでいる。関東平野の都市化は進んでいたし研究所周辺にも街が広がっていたからだ。


 俺たちを乗せたエアカーは、ゆっくりと空間転移研究所の屋上エアポートに降りたった。


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