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王子に婚約破棄され、白豚令息との婚約を命じられました  作者: 灰銀猫


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意外な提案

「い、一体なんでしょうか?」


 一つよろしいでしょうかと仰ったリートミュラー様ですが、一体どうしたと言うのでしょうか。呪いで生じた獣毛を嬉々として触りまくった私に呆れて、この話はなかった事に…と思われたとか?


「ゲルスター公爵令嬢がお望みなら…暫くは術の解除はしなくても構わないと思いまして」

「え?!」


 思わず声が裏返ってしまいましたわ。そ、それって…またあのもふもふを…?


「ご令嬢はこの毛がお気に召したようですからね」

「そ、そんな事は…」


 嫌ですわ、やっぱり変な女だと思われたのですね。でも…いくら毛があって猫ちゃんの様だと言っても相手は男性ですもの、失礼な行いでしたわね…


「でも、リートミュラー様はよろしいのですか?元の姿に戻りたいのでしょう?」

「それは勿論。ただ、十年もこの姿だったので、正直どう変わるのか予測がつきません。もしかしたら今よりも見苦しくなる可能性もありますし、複雑ですね」

「そんな事は…」


 その可能性は私の頭には殆どありませんでしたわ。聞けば呪いで肥満体になったと聞きましたし、だったら解除すれば痩せる筈です。そうなれば今よりもずっと見目はよくなるでしょう。少なくとも今の様にお肉に埋もれて表情がわからない…という事はない筈です。


「それに…解除する前にお願いがございます。私をゲルスター公爵家のお抱え魔術師にして頂きたいのです」

「我が家のお抱え魔術師に?」

「彼女の事です。私に掛っていた呪いが自分に戻って来れば、私が呪いをかけたと言い出しそうで…」

「まさか!そんなバカな事は…言いそう、ですわね…」


 しないだろうと言いかけましたが、最後まで言い切れませんでしたわ。そもそも婚約者がいる身で、婚約者がいる男性と浮気した方です。彼女に常識的な行動を求めるのは…無理、ですわね…確かに呪いが自分に戻ってきたら、マイヤー侯爵令嬢は魔女ではなくリートミュラー様を責めそうな気がしますわ。


「問題はクラウス王子…ですわね」

「はい。殿下までそう言いだすと面倒な事になるでしょう。でも私がゲルスター公爵家の専属魔術師になっていれば、多少の抑止力にはなるかと」

「なるほど…」


 我が国では魔術師の立場は非常に強く、王家も彼らを無下にするような事はしません。強い力を持つ魔術師は、例えば騎士千人以上の戦果を挙げる事も出来るからです。だから国は魔術師が他国に奪われないように、この国から離れていかないようにと篤く保護しています。

そして彼らの立場を一層強固にするのが、専属という肩書です。例え王家でも他家の専属になった魔術師に命令する事は出来ないのです。これはかつて王家が魔術師を無下に扱って戦場に送り、有能な魔術師を大量に死に追いやった事に起因しています。この事を快く思わなかった五大公爵家が、魔術師の保護を目的にこのような制度を作ったのです。


「そうですわね。王家には大きな貸しが出来ましたわ。少なくとも父の目の黒いうちは王家が何を言ってきても突っぱねる事は可能でしょうが、専属となれば一層安心ですわね」


 我が家の専属になればリートミュラー様の立場は一層安全でしょう。今は婚約破棄の一件もあるので、王家もこれ以上我が家やリートミュラー家を無下には扱えない筈です。

でも、王家の立場に忖度せず、平気で無謀をやらかすのがクラウス王子です。彼は兄君の出涸らしと言われるほどに色々足りないお方ですから…


「わかりましたわ。お抱え魔術師の件は直ぐにお父様にお願いしますわ」

「ありがとうございます」


 これで我が家は優秀な魔術師を手に入れましたわ。しかも素敵なもふもふ持ちです。これは…やっぱり私専用にしたいですわね。




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