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02_山頂に落ちる天宮さん


   喪


          喪


     喪


 喪


                 喪


    嫌


            望


     主


      望


  主


                索


          探


                    捜


    捜


                      捜


           捜


                  捜


  捜


             捜


       見


                  見


   見









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 なんだか「しゅぽん!」という効果音でもしそうな勢いで、私ははじき出された。


 はじき出され、なにかに激突して転がった。


「あいたたたた……」


 したたかにぶつけた腰をさする。背中も痛むが、そこまでは手が届かない。頭を思い切り打たなかったことは運が良かった――


 あれ?


 私はこの状況に顔を強張らせた。


 痛い?


 何が?


 体が?


 え、なんで?


 私は幽霊だ。当たり前だが肉体的な痛みなんて感じるはずがない。


 慌てて両手を見る。右手に左手を押し付けてみる。


「透過しない……」


 肉体がある? なんで? 生き返った? いやいやまさか。


 胸に手を当てる。


 よくわからん。


 手首に親指を当ててみる。


 脈は無し。


 他の脈を計る場所でも確認する。


 足首に首と手を当てるも、脈は無し。ついでに呼吸も無し。


 うん。間違いなく私は死んでる。


 というか、この体はどっからでてきた!?


「つか、私、裸じゃないのさ!」


 全裸であることを自覚したところ、突如として服が現われた。


 ……。


 ……。


 ……。


 ……わぁ、裸だって思ったら、すぐに服が着れたやー。


 ……。


 ……いや、ちょっと待とうか。理解が追いつかないんだけど。どういうこと?


 えっと、これって白ワンピ? じゃないね。どっちかっていうと貫頭衣だ。


 なんか、ステレオタイプの女幽霊みたいな恰好になったんだけど? 井戸とか押入れの屋根裏につづく出入り口から這い出して来るみたいな?


 残念なことに、私はクセっ毛のショートだから、髪の毛の間から目玉をぎょろりとか出来ないけど。幽霊のくせして。


 いや、違う。そうじゃない。そこじゃない。


 この貫頭衣はどっからでてきた!? 


 思わず頭を抱える。考えがまとまらない。そもそも幽霊なんていう、魂の抜け殻みたいなものだったんだから、深く物事を考えるなんてできるもんじゃない。


 こちとら1989年から幽霊やってる、見た目は少女、中身はアラフィフやぞ!


 ……そういや、ここってどこだろう?


 改めて辺りを見回す。


 石や岩がゴロゴロと転がった、やたらと見晴らしのいい広い場所。


 えっと、山のてっぺん? 確か、昔にふらふらと彷徨って行った蓼科山の頂上がこんな感じじゃ――


 そんなことを考えていたら、突如として吹いた突風に私はゴロゴロと転がった。


 痛い。


「隕九▽縺代◆?」


 は? なに?


 全身の痛みに呻きつつ、私は身を起こし、突如聞こえてきた声の方に目を向けた。


「蜷帙?縺ェ繧薙□??シ」


 ……なんか、白いローブっていうの? そんな感じの服の金髪イケメンがいるんだけど。それもなんかキラキラ光っててフワフワ浮いてる。


 ――っていうか。


「あの、言葉がわかんないんですけど」


 それ以前に私の言葉は聞こえているのかな? 体がなかった時は会話なんてできなかったんだけど。


 それにしてもこのイケメンさんの喋ってる言葉はどこの言葉だ? なんかスペイン語とかポルトガル語っぽい感じなんだけども。


 フワフワ浮いているイケメンさんが眉を潜めた。


「縺ゥ縺?>縺?%縺ィ縺??」

「いや、わかんないんですけど」

「螟ア遉シ」


 うろたえていたら、イケメンさんがスイって寄ってきて、いきなり目を覆うように顔面を掴まれた。


 あだだだだだだだ。


 なんかバチバチいってるんだけど! 電気がバチバチしてるみたいに!


 ひとしきり酷い目に合わされた後、イケメンさんがやっと手を離してくれた。



「あー、どうだ? 言葉がわかるか?」

「バチバチいって、頭が痛いです」

「あぁ、大丈夫みたいだな。だが痛いって……おかしいな、そんな筈はないんだが……。まぁ、いい。君は誰だ?」

「天宮理子といいます」

「なぜここに突然現われた?」

「なぜといわれましても。朝のお散歩をしていたら変な穴? を見つけまして。なんだろうと近づいたら吸い込まれて、気がついたらここに放り出されてました」


 こめかみを両の人差指で揉みほぐしながら私は答えた。


 イケメンさんはなんだか難しい顔をすると、額に左人差指と中指を当てて目を瞑る。


 はて?


「……あー。なるほど。災難だったな。君はどうやら次元の穴に吸い込まれたらしい。極々稀にあるんだ。世界と世界が接触して繋がることが」


 はい?


「え? ということは、ここは異世界ですか? その、私から見た場合ですけど」

「そうなるな。で、どうする? このまま留まるか? それとも帰るか? いまならまだ世界同士が近いから、帰ることができるぞ」

「あ、帰ります帰ります。勝手も言葉も分からない世界でひとりぼっちとか無理です」

「それもそうか。少し残念だな。君は面白そうだったんだが」


 いや、面白そうって。


「それじゃ、これから帰すが、少しばかり場所がズレるのは容赦してくれ」

「いえ、帰れるだけめっけもんです。ありがとうございます」


 イケメンさんが手をかざすと、そこには扉のように四角い――穴? が出来上がった。ここを通れば帰れるのだろう。


「お手数をおかけしました」


 そして私は帰って来た。


 えっと、ここは……あー、隣りの駅だ。


 立っている場所は駅ビルの屋上。距離的には5キロくらいズレたのかな? とはいえ無事に帰って来れたよ。


 私は立ち並んだ空調設備から伸びるパイプをまたぎ歩きながら広い場所へと移動し、疲れ果てたように地べたに腰を下ろした。



※文字化け部分の翻訳


隕九▽縺代◆? 見つけた!


蜷帙?縺ェ繧薙□??シ 君はなんだ!?


縺ゥ縺?>縺?%縺ィ縺?? どういうことだ?


螟ア遉シ 失礼


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