令嬢と貴公子の駆け引き①
湖畔ピクニックから2日後…私の手元にはユリウス様のお手紙と思われるものが置いてあった。
「あら〜。エルちゃんまた貰ったの?ラブレター!ポピー?便箋よ!」
私は姉を放って手紙を開封した。うんうん。
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ユリウス様
この間の湖畔ピクニックは楽しかったです。
ユリウス様が持ってきてくださったサンドウィッチはとても美味しかったです。ありがとうございました。
さて、お誘いの件なのですが、また日を改めて頂けますか?
伯爵サリヴァンが第3子
エルシア
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後日…
あれ?何で本人がいるのかな?
「姫。お手紙ありがとうございます。私、嬉
しすぎて!もう、今からでも出かけましょう!!」
は?
ユリウス様は私に手紙を見せてくれた。
ん?
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ユリウス様
この間の湖畔ピクニックは楽しかったです。
ユリウス様が持ってきてくださったサンドウィッチはとても美味しかったです。ありがとうございました。
さて、お誘いの件なのですが、私もユリウス様と行きたいです。
伯爵サリヴァンが第3子
エルシア
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はい?
おかしくないです?私たしかに、「また日を改めて頂けますか」って送ったよね?ね?
私はふと姉の顔を見てみる…。
ん?あ、これ確信犯だ。確実に
「さ、エルちゃん?お着替えしましょ?」
結局、私は姉に捕まりユリウス様と出かけることとなった。
___________アラベルク国立劇場
『歌劇 ヘルムベートの戒律』そう書かれた看板がある。
この話は確か、ヘルムベートと言う少年が、自分の国に酷いことをされ、その戒律に嫌気がさし、ヘルム王国を建国をするも自由王国だった為、自由奔放な国民ばかり。ヘルムベートは各諸国を周る。酷くはなく、誰でも守られるような戒律を作るという話だった筈だ。
これは、こういう時にみにくるものだろうか。
私は、少しユリウス様のセンスを疑っている。
ユリウスはエルシアの手を取り、劇場の中にエスコートする。
「姫?どうかされました?」
「いえ…。少し疲れてしまって」
「では、今日はやめて日を改めて来ましょうか」
私はユリウス様の好意に甘えて、退散することとなった。
______________サリヴァン邸
そこには信じられないものがあった。