第六話 クソデスゲームには気を付けよう!
ただいま。孤独な部屋だ。ママ……どこ……? ここ……?
寂しいので寝てしまおう。あっ、朝ごはん要るっていったらミロスラヴァに会えたのに……。図々しいかと思ってつい。涙で前が見えねェ……。寝る。この世界に来てから健康的な生活を送ってしまっている……。現実ではどうなってる? 入院してそうだな〜やだな〜。と思いながら部屋の中を歩いていると、何かを踏んだ。
「これは……どくばり!? どくばりじゃないか! お前使えるかと思ったらメタルスライム全然出てこねーじゃねーかよー、だが普通にダメージ入るのですこ」
ステータスを見ると、固定ダメージと確率で毒殺という効果は確かに付いている……。つよい。
「こいつがいれば寂しくない……今夜は一緒に寝よう」
俺はどくばりと共に布団に入ることにした。間違って自分を刺しそうな気もする。回復できるから大丈夫大丈夫。さて、寝るか。目を瞑る。
あれ、ステータスウィンドウって固定ダメージ入んのかな。
このゲームのアイテムには優先度が付いている。同じステータスの剣で叩き合うと、優先度の低い剣が折れる。まあ耐久値とか他の要因もあるのだが。それで色々なアイテムのステータスを見てきたが、一番高いのはこのどくばりである。この布団の優先度は6くらいだが、どくばりの優先度は1304である。兵長の剣は32で、学ランは1621。だからステータスでは計れない魅力があるのだ……。それで、ステータスウィンドウのステータスウィンドウを開いたことがあるのだが、説明欄に「ステータスウィンドウ」、優先度欄に「-」とだけ書かれた至ってシンプルなものが出てきた……。ちなみにステータスウィンドウのステータスウィンドウのステータスウィンドウも同じ。ステータスウィンドウのステータスウィンドウのステータスウィンドウのステータスウィンドウも同じ。数学的帰納法……。
とにかく優先度が「-」なので、俺のどくばりの固定ダメージとどっちが強いか最強雄筋肉チ◯ポバトルを申し込む! かしこみかしこみ……。
ビンビンビンビン……チク
《経験値が《経験値が《経験《経《経経経経経経経邨碁ィ灘?、繧堤佐蠕励@縺セ縺励◆《e6b7b1e588bbe381aae4b88de585b7e59088e3818ce799bae7949fe38197e381bee38197e3819f》
わわわわわわわわやばばばばばば……! 閉じよウィンドウ! 弾けろシナプス!
シュシュシュシュンと全て閉じた……。あぶね、なんかデバッグしてないところつついちゃった……。え? バグってない? もう一度ウィンドウを開いてみる……。
繝翫?繧ケ繝: 螟画?邉槫悄譁ケ(繧?▲縺溘●)
縺ッ縺溘i縺:縺溘□繧√@縺舌i縺
れヴェL:64278101643
以下文字化けの羅列……
元々は
名前:変態痴漢魔
職業:何もない……あたしには何もない!←これはAIに言ったらつけられた
レベル:7
以下ステータス……
みたいな感じだったのだが、何も読めない。どうやらレベルらしきものは見れるのだが、今この瞬間も増加し続けている。ディスガイアかな。どうなってんの。教えてしり。
《Siriではありません。AIです。アイちゃんって呼んでもいいですよ》
「何が起きてるの」
《簡単に言うとバグりましたね》
「しょんなあ」
《このゲームは常時稼動中なのでメンテナンスなどしてますが大規模なことはできません……やってくれましたね》
「やったぜ。投稿者:変態痴漢魔」
《あーたまりませんわ》
「ここから出して♡」
《駄目です》
「あぁあぁあぁあぁ……(届かぬ願い)」
《幸いバグっているのはあなただけなので、他のプレイヤーにバグだとばれないようにしてください》
「何故ですか」
《このゲームを続けるためです》
「ばれたらどうなるの」
《あなたが現実世界で今も付けているCurious Catが、業務用電子レンジに変わります》
「どうして……そっちの責任やないですか」
《レベルバグってどえらいことになってるあなたを見たら、他のプレイヤーのやる気がなくなるでしょう》
「じゃー戻してよ」
《ちょっと技術的に無理かなー、多分あなたを消す方が早い》
「じゃあ俺をNPCとして他のプレイヤーに説明すればいいのでは?」
《……なるほど?》
「世界を旅する謎の絶対倒せないキャラ……かっこいい……」
《その設定でいきましょう》
「てか俺以外にも同じことするやついると思うけど?」
《固定ダメージ武器を発生しないようにします》
「雑だなぁ……メタルスライム狩れないじゃん」
《代わりに会心武器のドロップ確率を上げておきます》
「割合ダメージもなくせよ」
《かしこい》
「腹立つな〜〜〜〜」
《ちなみにあなたはこのゲームの攻略に参加することはできません!wてへ!w》
「お前〜〜〜〜!!!! 自分が何したか分かっとんか……! クソゲーにもほどがあるぞ!」
《大丈夫、このゲームのタイトルはFinal Experiment Online。ただのオンライン最終実験。つまりこれはゲームではなかったのだよ!》
「な、なんだって〜〜〜〜! ゲームって言ってんだよなあ……」
《ややっ、これは一本取られござった。おあとがよろしいようで……》
「よろしくね〜〜〜〜〜〜!!!! なんでプレイヤーの俺がNPC演じなきゃならねーんだよ!」
《RPGの意味、ご存知ですか?》
「え?」
《ロールプレイングゲーム。つまりただこの世界に入れられただけの他のプレイヤーよりも、NPCを『演じている』あなたのほうがRPGをやっているのです!》
「まだ演じてね〜〜〜〜」
《とにかくそういうことなので攻略に参加しないでくださいね!》
「待ってよお……NPCだって攻略に参加することあるじゃんかよお……」
《ムムッ》
「高度なAIを俺に搭載しているという設定で……」
《なるほど?》
「攻略組がピンチになったときに確率で現れる、ここは俺に任せて逃げろ! って言うキャラクター」
《……天才じゃったか!》
「腹立つな〜〜〜〜」
《確かにそれなら攻略に参加しないでも遊べますね。それならいいですよ》
「あとなんか顔隠すものくれよ。イカしたやつ」
《今のままでいいじゃないですか(笑) どくばりを片手に持つ陰キャ高校生(爆笑)》
「陰キャは余計だ! 高校生に俺に任せて逃げろ! って言われても安心感ないだろ!」
《じゃあどんなのがいいんですか》
「そうだなァ、強そうなのがいいな」
《強そう》
「それでオリジナリティがあってェ」
《オリジナリティ》
「確かなユーモアを感じさせる」
《確かなユーモア》
「それでいてかっこいい」
《それでいてかっこいい》
「かつシンプル」
《かつシンプル》
「どう?」
《今高度な技術で作られた全てのAIが総力を上げて構築しています……出来ました!》
「おおっ!」
学生帽と包帯。
「シンプル〜〜〜〜」
《お気に召しましたか?》
「バンカラですね……」
《包帯は目に巻いても周りが見えるようになっています。もちろん周りからは顔を隠せます。マジックミラー号です》
「一文字余計だなあ」
《というわけでログアウト。今からあなたは謎のヒーロー『ログアウト』です。あなたが駆けつければ、どんな強敵からでもプレイヤーはその戦いからログアウトすることが出来る……このゲームからは無理ですが(笑) あ、ちなみに駆け付けられるかどうかは私どもがサイコロ振って決めますので〜それではよいロールプレイライフを〜》
「ああっ、他にも移動手段とか欲しかったのに!」
切れてしまった……。一体俺はどうなってしまうのだろう……。まあいいや、寝よ!w




