第三話 メタル狩るやつやん(笑)
二日酔いがないのがVRのいいところだ。ところでVRの中でも未成年の飲酒は禁止されていたはずだが……まあいいや。
さて、今日から戦闘を始めよう。昨日回復するのは素手だけって言ってたから、武器を装備していこう。防具も。
誰のおうちか知らないが、誰もいないので外に出た。どこで武器と防具が貰えるかな。とりあえず兵長の家に行ってみよう。
◇◇◇
「兵長〜〜〜〜武器ちょーだい」
と言ってドアを叩いたら、今取り込み中だ! 村長のところへ行け! と言われたのでそうした。ゴブサタでさかりパークなのだろう。すごーい!
という訳でそんちょの家に来た。村人に聞いて教えてもらった。
「そんちょ〜〜〜〜武器ちょーだい」
「おお、ろぐあうと師……とりあえず中に入りなさい……」
今にも死にそうなじじいが今にも死にそうにしゃべっている。殴ったほうがいい?
「で…………どういったご用件で……」
「武器」
「おお……武器とな……」
「あと防具も」
「おお……あと防具もとな……」
喋るのが遅い。はよしろいそいでんだこっちは。
「だが……鉄は貴重でな……そんな大したものはやれん……」
は〜〜〜〜つっかえ……。これがこのゲームのやり方か〜〜〜〜〜〜!!!!
「じゃからこの村に伝わる宝物を一つ授けよう……」
「おっ、やりますねぇ! では見せていただこう」
「ミロスラヴァ! 持ってきなさい!」
「はい、おじいさま」
しばらくしてミロスラヴァちゃんと他の女の子二人が布を被せて武器を持ってきた、台車で。ミロスラヴァちゃんは昨日チューしてくれた子だった。かわいいね。
「こちらになります」
ミロスラヴァちゃんが布を外す。なんだろな〜〜〜〜。
「ぱんつぁーふぁうすとです」
「いや世界観!!!!」
若干布からはみ出てたよ! 初期装備が使い捨ての対戦車兵器のみって過酷すぎるだろ!
次は二人目の女の子が布を外す。なんだろな
〜〜〜〜。
「火炎放射器です」
「近づいたが……燃料がない!」
魔力で使えるのか聞いたら燃料じゃないとだめだって。それで燃料はあるか聞いたら灯油はあるってさ。そうですか。
次は三人目の女の子が布を外す。なんだろな〜〜〜〜。
「どくばりです」
「そうきたか〜〜〜〜」
いや銃とかに寄ってく流れだったじゃん……魔力を射出する拳銃みたいなさ……。何? 前置きの近代兵器は? これメタリックなあいつ専門のやつやん(笑) ロマンとは……。
「じゃあどくばりでお願いします……」
「ここで装備していくかの……?」
「いや、このゲーム装備ってコマンドないでしょ……」
「げえむ? なんじゃそれは……。では次は防具じゃ……。ミロスラヴァ!」
「はい。おじいさま」
ミロスラヴァちゃんたちはまた裏に引っ込んでくると、また台車に載せてやってきた。
「こちらになります」
「全部一斉に見せてくれ……」
「分かりました」
宇宙服! ◯なっしーの着ぐるみ! 学ラン!
「学ランでお願いします」
「すてえたすは見なくていいかの……?」
「動きにくいし視界が悪すぎる。著作権も」
「ここで装備していくかの……?」
「ここで服を脱ぐ訳にはいかない」
「そうか……。ではこれで以上じゃな……」
性能は良かったけどさ……。なんで高校を卒業してからまた学ランを着なきゃいけないのだろうか……。コスプレである。だがミロスラヴァちゃんの名前を知れたので、収支はプラス中のプラスである。ミロスラヴァちゃん……すこ。よし、一狩り行こうぜ!
◇◇◇
「ここで会ったが百年目ぇ! お前を殺す」
「キチキチキチキチキチ」
グレネードグラスホッパーである。あれは痛かったぞ……痛かったぞーーーー!!!!(フリーザ)
爆弾蝗が飛びかかってくる。俺はどくばり(思いの外大きい)を叩きつけた。
ドカーン!!!!
「あっつぁーーーーーー!!!!」
叩いても爆発しました。右手壊れちゃ〜う♡(壊れた) すかさず地面に右手を叩きつける。反動のダメージで回復した……。痛いよ。近接で戦うの無理ちゃう? 村人はどうやって戦ってるんだ? まだ倒していない。大分硬かったし、ちょっと頭部に穴あいたけど全然戦えますよという顔をしている。頭がダメなら胴を刺してみるか。
距離を取る。爆弾蝗はまた突っ込んでくる。俺は逃げて避けた。俺を追い越した蝗の背中が見える。着地した瞬間背中をぶっ刺した。
ぶちゅっと刺さった。うわ……。顔めっちゃ硬かったじゃん。なんで後ろはクソやわなんだよ。キモ……。
倒したら経験値がもらえた。火薬もドロップした。あの村で火薬使ってるところあったかな? 何に使ってるんだろう。さて、次の敵を探そう。
◇◇◇
どうやらこの近辺は爆発蝗が一番多いようだ。連続で四匹くらい見つけた。最初はカミカゼアタックを避けてから追いかけて刺していたのだが、どくばりをカチあげて腹をぶっ刺した方が効率がよかった。外すとえらいことになるが。レベルも上がった。AIに聞いたらレベルが上がっても回復能力はそのままだってさ。逆に強くなるって。儲けもんだな。だが、ステータスは下がったままである……。プラスにはなってたけど。あれ、防御力マイナスになってたら受けるダメージ全部回復にならね? と思ったら、AIに防御力マイナスになったら死ぬって言われた。どうして。
お昼になったので帰ろうとしたら、なんか雰囲気がおかしい。動物が逃げたり隠れたりしている。やだなー怖いなーと思って振り返ると、いたんですよ。熊が。
「…………」
熊に会ったときは、目線を離さず後ろに下がれってばっちゃが言ってた……。
と思ったら熊が走ってきた! うお、早
ドンッ
「う」
あ、折れた。骨。
俺は宙に浮かんだあと、地面に叩きつけられた。痛みがやってきた。ここで死んだらどうなるんだろう。現実でも死ぬって言ってたけど、何で死ぬんだ? 脳みそが焼き切れるのか? 痛くないといいなあ。
熊が近づいてきた。どくばりは手元を離れてしまった。届きそうにない。死んだふりをしていようかな。
ボキ。
「あああああああああああああ!!!!」
腕を齧られた! 折れたし、歯で穴も空いた! 俺は錯乱して反対側の手でしっちゃかめっちゃかに熊を叩いた。諦めていたが、たまたま目にクリーンヒットした。ダメージはないので痛みはないはずだが、何故か熊は驚いて逃げていった。俺はその後意識を失ったようだ。




