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あの時の海は、きっと青かった 2


 教室で友達と笑いあっていた優。

 授業を真剣に聞いていた優。

 テストの点数が悪くて「くっそーちゃんと勉強すれば良かったぁ」とケラケラしていた優。

 地区予選を見事突破して臨んだ県大会は初戦敗退。もっとみんなとテニスをしたかったと大泣きしていた優。

 運動会の応援団衣装を夜なべして縫って、授業でうとうとしていた優。

 文化祭でフリルのエプロンを着て少し照れていた優。

 

 図書室で向かいあって勉強した。ぼくは物理が得意で、優は英語が得意だった。分からないところをお互い教え、時には居眠りしてしまう優を起こした。

 それでも、テストで思うような点が出ず、「くっそーちゃんと勉強すれば良かったぁ」とみんなの前ではケラケラしていたあと、ぼくの前では本気で悔しがっていた。「でもあっくんに教わったとこはできた」と、少し笑顔も見せてくれた。

 部活を引退したあとも、週末はぼくをよくテニスに誘ってくれた。テニスなんかやったことなかったのにラケットも買わされた。だんだんとラリーができるようになるぼくを、自分のことのように喜んでくれた。

 運動会のクラス打ち上げ。途中でこっそり二人抜け出して、初めてキスをした。

 文化祭のエプロン、もう少しスカート短くてもいいんじゃない? と冗談を言ったらぶん殴られた。


 朝、おはようと言う。クラスのみんなはおはようと返してくれる。優はぼくをちらっと見て、笑顔を浮かべる。

 クラスではあまり話さない。多分照れくさかったから。

 その代わり、帰りは二人で駅まで並んで歩く。ぼくは自転車を押して、できるだけゆっくり歩く。それでもあっという間に駅についてしまう。

「また明日」

 バイバイ、と手を振る日々は、どれだけ貴重な時間だったのだろう。卒業式を終えた今となっては二度と戻ってこない、明日また会えることが保証された日々――。


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