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Bush Pilot  作者: フラップ
第四章
21/27

4-8


 消息を絶ってから、7時間。F-35は二回も空中給油を受け、E-2Dは地上のレーダーサイトに仕事を引き継いで着陸してしまった。

 元気を取り戻したレナも、今はソファーで沈んでいる。

 「……こ………か?…………」

 飛び起きて、スピーカーを睨む。

 「お……こ…………おう…………」

 「こちら嘉手納!おい、聞こえるぞ!おいっ」

 Alley mur murの画面を無断でリアのカメラに切り替える。砂嵐しか見えない。

 「こ……氷川だ、……離脱してきた。援護頼む。」

 その声と共に、

 画面の砂嵐は、暗闇へ。

 暗闇は晴れていき、

 蒼。

 空の蒼へと。

 変わっていき。

 「こちら氷川。キャンプから脱出してきた。搭乗員8名、全員生きている。電子支援で通信はできるが、機体の様子が分からない。確認頼む」

 「バーナー・オン」

 レーダーに、二機の機体が表示される。一機は200キロ程で巡航、もう一機はマッハ1.6で接近している。

 やがて交差し、機体は横並びになる。

 「氷川、どうだ?」

 「こちら氷川。前面ガラスが何も見えない。斜めに進入するから、そのつもりでいてくれ」

 「嘉手納だ。酷いことになってるな。エンジンは?」

 「何とか回ってはいるが、もうこいつはダメだろう」

 「ご愁傷さま。先導する」

 「サンクス」

 安堵でも、脱力でもない感覚。

 頭の後ろが、軽くなったような。

 画面には、機内の映像が映し出されている。飛行場に救急車が配置される。それを、逐一放送していく。

 彼らは、生きていた。


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