第五話
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僕は鬱になった。
急に、昔の記憶が、出てくるのは“フラッシュバック”と言うそうだ。
頭が痛くなるのも、記憶喪失の影響らしい。
よく、わからない。
「痛っ!!」
まただ、フラッシュバックだろうか・・・。
前と同じだ・・・。トラックにはねられる。
「ふぅ・・・。」
治まった。そういえば、泣いたあの子あの日から来てないな・・・。
ガラガラガラ・・・
ドアが急に開いた。だ、誰だ?!
思わず、身構えた。
あの子だった。
ー2ー
「?」
あの子は首をかしげたまま、花瓶を持って、水をくみにいった
なんで、身構えたんだろ?
人が怖いのか?!僕らしくないな。
「ははは」
笑ってみる。けど、何も変わらない。
変わるのは、世界だ。
あの子が帰ってきた。
「水、くんだよ。」
顔いっぱいの笑顔で言ってくる。なんで、この子はこんなに優しくしてくれるんだろ?
「ありがとうございます」
一応敬語で・・・。
「もう、ヒロシらしくないなぁ。あはは」
「あなたの名前はなんて言う名前なんですか?」
「ん?あたしはね、あいこって言う名前。一応ヒロシの彼女だったんだよ。
あ、敬語じゃなくてもいいよ。」
そう言われてもなぁ・・・。やっぱり、僕は人が怖いんだな。
改めて実感した。
「あ、えーと、あいこさん、これからもお願いします。」
「まだ、敬語じゃん!!あはは。よろしくね」
笑うと、えくぼができてる、彼女の事を見てると、
なんだかこうゆうのもアリだなって思った。