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第2話 初陣

更新は不定期

「・・・・ろ・・・き・・・」

「お・・あ・・き・・・」




何か聞きなれた声が聞こえる。だが意識が朦朧として起きる事が出来ない。




「おい!起きろ阿希、おい!」




どうやら兄の様だ。しかし何故こんなに焦っているのだろう?




「くそ、仕方ない・・・恨むなよ」




ドオォォォン!という轟音が聞こえ私は飛び起きた、恐らく兄の「恨むな」というのはこの轟音の事だろう。

だが考えて見てほしい。私は中学生に上がったばかりのか弱き少女、しかも寝起きだ。そこにいきなり轟音が聞こえたらどうなるか?

勿論飛び起きるだろう。逆に飛び起きないほうがすごいと思う。




「うわぁ!何があったのですか兄さん!?」

「あーゴメン!今囲まれてるんだよ!」

「え!?まじ!?」




すぐに起きて周りを見ると最早RPGゲーム御用達ともいえるモンスター『ゴブリン』の群れだった。

とはいえ、RPGなど殆どやらずモンスターなど全く知らない阿希はその凶悪な姿を見た途端金縛りを受けたように動けなくなった。




「・・・・え?」




ゴブリン達は反撃してくる蒼夜からその場で動けないでいる阿希に狙いを変えたが、攻撃される一歩手前で蒼夜が叫んだ。




「阿希!戻って来い!んでもって避けろ!」

「え?にいs・・・うわぁぁぁ!?」




我に返った阿希がゴブリンの粗悪な造りの剣を避ける。

その後は一方的な攻防となった。

たった十数秒がとても長く感じられた。

いきなりだった、それまで剣を振り回していたゴブリンが笑った・・・いや、嗤ったのだ。




「阿希!後ろだ!」

「ッ!?」



『グシャァ!』



何が起こったのか分からなかった。ただ分かったことといえば脇腹を焼けるような痛みが襲ったことだけ、どうやら私が攻撃を避けている間に別のゴブリンが攻撃の準備をしていたようだ。




「ゴフッ!ガホッ!・・・痛い・・・ですね。これ」

「くっそ・・・阿希!これ使え!」




もうさっきから何度びっくりしているか分からない。ゴブリンが出るは脇腹切られても(どちらかと言うと抉られてる)あまり痛くないわで完全に脳がオーバーヒート寸前だ。

とはいえ攻撃をくらったんだから二倍返しにしてやる、と兄が投げてきた物を取る。




「ドラグノフとグロックの使い方はわかるだろ!」

「いつつ・・・余計なお世話です!・・・じゃあ全身の風通しをよくしてあげますよ」




阿希がG18Cを構えフルオートでゴブリンに射撃する。




『バラララララララララララ!』




放たれた弾丸は真っ直ぐにゴブリンに向かって行きゴブリンの胴から上を穴だらけにした。

残りのゴブリン、4体。

左から2体剣を構え飛び掛かってくるが阿希はSVDに銃剣を装着し、ゴブリンの頭を突き刺す。そしてそのまま右足を軸にしてSVDを横に振り抜き回転、もう1体のゴブリンの首の丁度頸動脈が通っている箇所を斬る。ゴブリンの首が地面に落ち赤い液体を辺りに撒き散らした。

残りの2体の内一体は兄さんが倒したようで今立っているのは1体だけ、しかもどうやら逃げているようでかなり遠くまで行っていた。

仕方なくSVDの光学照準器(スコープ)を覗き、レティクルの中心を風向きや重力の事を考えゴブリンより少し右上のところを照準し、引き金を引いた。




『ダァァァァン!』




弾丸は的確にゴブリンの頭を撃ち抜き、ライフリングに与えられた回転によって頭を吹き飛ばした。




「終わったか」

「うん・・・・・兄さん、少しいいかな?」

「どうした・・・・っておい阿希、顔色悪いぞ?大丈夫か?」

「ははは・・・正直・・かなり・・・ヤバ・・・」




視界がぼやけ、体から力が抜け地面に倒れ込んだ。




「一体何の音・・・どうしたんだ君たち!」




という声が聞こえ、私の意識は途絶えた。

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