5月のパフェ
「パフェが食べたいです。でっかいやつ」
突然何を言い出すか。
「黄金週間は人が多いよ?」
「そこしか休みが無いんだから仕方ないでしょ、あんたも私も」
ま、確かにそうですが。
長期な休みは日本全国分割して取得するようにならないだろうか。一所に凝縮して集結するのは勘弁願いたい。
「でっかいパフェは一人じゃ食べられないからさ、行こうよ一緒に」
「あなたなら一人でペロリでしょうに」
同時にスタートしても気付いたら完食してるような人物だ。こちらはまだ半分も残っているというのに。
「早く溶けるアイス部分は私が受け持つからさ。あんた食べるの遅いでしょ」
あなたが早いんです。あと、パフェからアイスを取ったら生クリームしか残らないと思うのは私だけかしらね。
「わかった探しとく。日にちは決めといてね」
大きな溜め息を百も二百もつきそうな表情をしている友人を見て、たまにはパフェもいいか、と思う。
この数ヶ月、色々忙殺されそうになっているのだろう。付き合ってやろうじゃない。
どうせならビックリするほど大きなパフェがある店を探してみせるわ、待ってなさい。
いつもさりげなく人を気遣う大切な親友さま。
ジャンボパフェひとつでお返しができるなら安いものです。