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第4話



街に向かう途中、情報収集のためにおっさんと会話。


おっさんの名前はカイヌスと言うらしい。カイヌスは商人で、商品を輸送した帰り道にゴブリンの集団に襲われたようだ。


ゴブリン達が荷馬車を漁る中、何とか逃げ出したものの1匹だけしつこく追いかけてきて必死に走り続けたらしい。


そのポッチャリ体系でよく逃げられたなと感心しちゃったよ。


護衛はつけてなかったのか?と聞くと馬車で6時間程度の距離だったのと今まで魔物に襲われなかったため大丈夫だろうと判断したんだとさ。


お馬鹿さんだなHAHAHA!


そしてカイヌスに名前を聞かれたのでMMOでよく使っていた岩男から取った『ロック』って名前を言っておいた。


『地』属性最高!


「ロックくんは旅人かい?」


唐突にカイヌスがそんなことを聞いてくる。


「ん?まぁそんなもんだよ」


「にしては何も持って無いように見えるんだが」


「あぁ、盗賊に全部荷物を取られちゃってさ。災難だったよ」


さらりと嘘を吐いてみる。


「おぉ、それは災難だったね」


簡単に信じたみたいだ。本当に商人をやってるのか?と不安になるが演技かもしれないので油断はしない。


「ゴブリンに襲われたカイヌスも災難だと思うけどな」


「ははっ、確かに私も災難だったよ」


などとくだらない会話をしつつ30分くらい歩くと高さ3mくらいの石壁に囲まれている街についた。


「ふぅ、ようやく街についた。これで安心だ」


とカイヌスが言う。


「街に入るのって手続きとかいるの?」


とりあえずの疑問を聞いてみる。


「ギルドカードを持っていればいらないよ、持ってなければ名前などを書かねばならないがね」


「ふぅん、ところで街で手っ取り早く儲けるにはどうすればいい?」


「腕に覚えがあるなら冒険者ギルドに行けばある程度の仕事は貰えるはずだ。元手があるなら商人ギルドで商売の許可を貰うといい」


「二つのギルドは掛け持ちできるのか?」


「多分できたはずだが・・・滅多にいないよ、そんな人は」


まぁ、普通の人はそうだろうな。俺はある程度の資金が貯まれば『地』属性の魔法を使って商売を始める気だがな!


「わかった、それじゃ元気でな、カイヌス」


「あぁ、本当に助かったよ。ありがとう、ロックくん」


そう言って門にいる衛兵にカードを見せて通っていくカイヌス。


「俺も行くか・・・」


門に近づいていく。


「ギルドカードは持っているか?」


そう衛兵が聞いてきたので


「持って無い」


と正直に答える。


「だったらこの紙に書かれている項目を埋めていって、字は書けるか?」


「大丈夫だ」


と言って渡された紙を見て項目を埋めていく。



名前:ロック


年齢:23


街に来た理由:ギルドに登録するため



ふぅ、書き終わった。他にも出身地とかを書く欄があったけど異世界出身なんて書くわけにはいかないからな。



「これでいいか?」


と衛兵に渡す。


「あぁ、問題ないよ。ようこそカルナッタの街へ」


この街はカルナッタと言うのか。とここで疑問に思った事を聞いてみる。


「ギルドに登録したらギルドカードを貰えるらしいけどさ、あんたみたいな衛兵とか住人はどうしてるんだ?全員ギルドに登録してるのか?」


「いや、俺達みたいな国に従えてるものは国から専用のカードを貰っている。ギルドに登録して無い住人は街から出る時に一時的なカードを発行して渡すようになっている。

まぁそんなことをしてるのは出入りを管理している大きな街ぐらいだろうけどな」


ふぅん、まぁ全部の街や村で出入りを管理できるわけないしな・・・そんなもんか。


「この街を管理してるのって誰?」


これは非常に重要な事である。厄介事に関らないためにも聞いておかねばならない。


「この街を管理しているのは領主のジングス様だな」


ジングスか・・・覚えておこう。


「わかった、色々とありがとう」


「いや、これも仕事の内さ。あぁ、そうだ。街に入って真っ直ぐ行くと広場があるんだが冒険者ギルドならそこにあるぞ」


聞いてもないのに場所を教えてくれるとは何て親切な奴。今後も何かあれば利用させてもらおう。


だが何処のギルドに登録するかは書いてなかったはずなんだが旅人だから冒険者ギルドと思われたのかね。まぁいいんだけどね。


とりあえず門をくぐりぬけ街に入る。


流石に大きな街だけあって通りには全部石畳が敷き詰められている。建物も石材と木材を組み合わせてできているようだ。


衛兵に教えてもらった冒険者ギルドに行くために広場を目指す。広場へと続く道には露店が多くあり賑わっていた。


歩いている人の多くは人間っぽいがたまに耳が長かったりかなり小柄な人がいて気になる・・・が先にギルドに登録をしておかないとな。


そんな事を考えている間に広場についた、中央で噴水が湧き出ている。そんな中、辺りを見回してみると・・・


でっかくと冒険者ギルドと書かれた看板が取り付けられている建物を見つける。


「わかりやすいな・・・」


とりあえず中に入ってみる。両開きの大きな扉がついているが開きっぱなしだった。


中はかなり広くなっていていくつかテーブルもあることから待ち合わせ場所も兼ねてるみたいだ。


それにかなり明るい。窓がついているからとも思ったがどうも違う。よく見てみるとランプの様な物が置いてある。

ただ、俺がいた世界と違うのは中にあるのは燃え盛っている火ではなく光る石だったということだが・・・


石が光るなんてすげーなー異世界。


とりあえず正面にある受付らしき場所に行くとしよう。


何かジロジロと見られてる気がする。まぁ変な格好してるからな。

ジャージにTシャツだし、ジャージがこの世界にあるのかは知らないが・・・


受付にいるメガネのお姉さんに声をかける。


「ちょっといいかな」


「はい、ご依頼の申し込みですか?」


「いや、冒険者登録をしたいんだが」


「・・・冒険者登録ですか?」


ジロジロと受付のお姉さんに見られる。まぁ武器も何も持っていない冒険者なんて始めてだろうな!


「もしかして魔導師の方ですか?」


「あぁ、そうだ」


都合よく勘違いしてくれたのでそれで通す。

まだ魔法は使えないんだがな!にしてもこの世界で魔法を使う人は魔導師というのか覚えておこう。


「それではこちらの紙に名前を書いてください」


名前を書き込んで渡す。


「はい、ロック様ですね。それではこちらの水晶に手を置いてもらえますか?」


と言われて大き目の水晶が出てきたので手を置く。


「・・・はい、以前に登録歴や犯罪歴はありませんね」


「そんなのわかるんだ?」


「はい、この水晶はギルド専属の魔導師が作った物でして複数登録や犯罪者の登録を防ぐためにあるんですよ」


便利だな魔法。


「その情報って国で共有されてるの?」


「そうですね、国と言うよりギルドで共有されてますね。」


「他国に行ったら登録しなおさないといけない?」


「いえ、ギルドがある国でしたら問題ありませんよ。」


なるほどなるほど。超便利じゃん。


「ギルドが無い国ってどこ?」


「魔族の国には無いですね」


魔族の国かぁ、行ってみたいな。お金が貯まったら行ってみるか。人間より魔族の方が面白そうだしな。会った事は一回も無いんだけどな!


「それではこちらがギルドカードになります、血を一滴垂らしていただけますか?」


と言いカードとナイフを差し出してくる。


「はいよ」


指先をピッと切ってカードに血を垂らすと、カードが光りだした。


「お疲れ様でした。これで登録は完了しました。カードは無くさないようにしてくださいね。再発行には手数料が掛かりますから」


まぁ、そんな何回もポンポン発行できないよな。受け取ったカードを見てみるときちんと名前が刻印されていた。名前の横にはFと書かれている。


「依頼を受けるための説明を聞いておきますか?」


「うん、頼むよ」


「冒険者ギルドのランクはSSS、SS、S、A、B、C、D、E、Fとなっていまして、ロック様は登録したばかりなのでFランクとなっております」


「名前の横に書かれているFがランクって事でいいんだよな?」


「はい、そうです。ランクを上げれば受諾できる依頼が増えるのですが、ランクを上げるには昇格クエストを受けて頂かなくてはなりません」


「昇格クエストを受けなければランクは上がらないのか?」


「そうですね、基本的には上がりません。もちろん例外はありますけどね」


「例外って?」


「そのランクでは倒せないと言われている魔物や魔獣などを複数倒した場合ですね」


なるほど・・・1匹なら偶然もありえるから複数か・・・まぁ俺は目立ちたくないからCくらいで止めるかな。


「他に注意する事は?」


「依頼を受けたあとに自分勝手な理由でキャンセルされる場合は違約金が発生しますので注意してください。とりあえずはそれくらいですね。


他の細かい事は依頼を受ける時に説明いたしますので・・・」


「わかった、書店って何処に行けばあるかわかる?」


「書店ならここを出て右に入った所にありますよ」


「ありがとう、それじゃ」


そう言って受付に別れを告げ冒険者ギルドを後にする。


書店の場所を聞いたのは魔法の使い方を学ぶためだ。使い方さえ分かれば後はアレンジをしてどうにかできるだろうし・・・


あぁー武器と防具も買わないとなぁ・・・さすがにジャージとTシャツではいられないだろう、目立つし。あと靴も欲しい。


まだまだやることは多いが・・・結構楽しめそうだ。

街や風景の描写は難しいですね。これから上手くなれると良いのですが・・・

それとようやく主人公の名前が出てきました。

安易な名前だと思いますが自分では結構気に入っています。


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