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第13話




はい!到着!到着したよ!


魔獣とか売ってる店なんてあったかなー?って思ったけど立ち寄った事の無い東門に隣接されてたよ!


店は頑丈そうな石壁と柵で覆われている。万が一があると大変だもんな・・・


だったら街の中に作るなよっ!ってツッコミは野暮ってもんだ!


そんな事を考えつつ中に入ると・・・


「ギャンギャン!」


「ギョエー!」


「ヌッフゥ!」


「グルルルル・・・」


などなど様々な鳴き声?遠吠え?が聞こえてきた。


というか聞き覚えのある鳴き声が混じってるぞ。


っとこんな事考えてる場合じゃなかったな。


「ちょっといいか?」


と店員らしきおっさんに話しかける。


「おっ、お客さんか!すまねぇな!ちょっと待ってくれ!」


ふむ、餌っぽい物をあげているようだ。おっさんは飼育員も兼ねてるのか?


「いやぁ!すまないな!で、何かお探しで?」


「あぁ、騎乗用の魔獣を探しているんだが・・・売っているか?」


「お客さん運が良いな!今日の朝に新しい魔獣が届いたばかりなんだ!」


マジで!?やったZE!!


「とりあえず全部見せてもらって良いか?」


「あぁ!ここにいるのが騎乗用の魔獣だからな!ゆっくり見ていってくれ!」


そう言って示された場所を見ていく。


魔獣の前には種族名と特徴が書かれた紙が張られていて非常にわかりやすくなっている。


どれどれ、と早速目の前に張られている紙を読んでみるが・・・



種族名:ウニコーン



・・・ちょっと待て、ユニコーンなら知ってるがウニコーンって何だ。


軍艦巻き?ウニとコーンの軍艦巻きなのか?


ちょっと期待して中の魔獣を見てみる。



・・・ふむ、白い体に黒いタテガミが生えた馬か・・・普通じゃないか?


と思ってよく見てみると、タテガミの額部分だけがウニみたいにトゲトゲしていた。


「刺さると痛そうだな・・・」


そんな事を呟いていると向こうもこちらに気づいたらしく目があったが・・・


「ブルルル・・・」


と首を振ってそっぽを向かれた。


あれ?嫌われたのかな?と思って特徴を見てみると・・・



特徴:異種族の異性を乗せると走る速度が上がる、草原を走るのが得意。割と扱いやすく初心者にもお勧め。草食性。


・・・こいつ♂だな、間違いない。


うーむ、扱いやすいのは魅力的だが性別で性能が変わるのはなぁ・・・次、いってみよー!



種族名:ヌッフゥー


想像ができねぇええええ!どんな魔獣だ?


見てみると・・・ピンク色の毛の塊があった。


「これがヌッフゥー?」


そう呟くとピンク色の毛がモコモコと動き出した。


毛の塊から頭が出てきてお互いの目と目が合う。


見た目はブタ鼻の羊だな。まぁサイズが2m超えてるから騎乗は出来るんだろうけどさ。


「ヌッフゥ!」


種族名は鳴き声から来てるのか、ちなみに鳴き方はヌッって鳴いた後に鼻からフゥと息を荒く吐いている。


擦り寄って来たから撫でてみた。


モコモコだなぁ、触り心地は抜群だ。


「ヌッフゥ~♪」


うむ、可愛いな。特徴はどうなってるんだ?



特徴:ゆったりと旅をしたいあなたにお勧め、寒い地域に強いが暑い地域に弱い。草食性。



ふむ、ゆったりかぁ。俺の場合は体質的によく襲われそうだから逃げる時に困りそうだな。触り心地は抜群なのに残念だ。


撫でていた手を離し次の魔獣へ。



種族名:レティルス


ふむ、かっこいいネーミングだな。


姿はどうだろ?


「グルルルル・・・」


おぉう、かっこいいじゃないか。


見た目は狼だが尻尾が二本あるな、銀色の毛も綺麗だぞ!


「うーむ、良いな!」


っと特徴はどうだ?



特徴:主と認めた者に尽くす習性がある、俊敏性も抜群で戦闘もこなせる。王都の騎士団でも騎乗されている人気種族。肉食性。



あー、王都の騎士団も騎乗してるのか。じゃあパスだな。


そんな種族に乗ってると絶対に目立っちゃうからな、目立つのは嫌いです。


次の魔獣さーん!



種族名:エイレッグリザード



ふむ、これは何となく想像できるな。


そう思って中を見てみたら、どうやらお食事中だったようです。


無言でこちらをジッと見ながら何かの肉を貪っています。


足が8本もある、でかいトカゲが肉を貪ってる姿はちょっと怖いな。


特徴はどうなってるんだ?



特徴:足も速くスタミナも防御力も言う事なし!だが乗り心地が悪く食費もかなり掛かる為、上級者向け。雑食性。



うーむ、燃費が良くないのは頂けないな。乗り心地も気になるし。


次の魔獣は・・・


っともう居ないようだ。


この4種かぁ、どうっすかなぁ・・・と考えていると、


「ギョエー!」


と鳴き声が聞こえてきた。


奥の方にまだ1体残っているようだ。


「お気に召した魔獣はいましたかい?」


「いや、まだ決めかねている最中だ。ちょっと聞きたいのだが、奥の方に居るのは騎乗用の魔獣じゃないのか?」


と鳴き声が聞こえた方を指で示しておっさんに聞いてみる。


「あぁ、アレはなぁ・・・騎乗出来る魔獣なんだけど・・・ちょっと問題があってねぇ」


「能力に問題があるのか?」


「いや、種族的には体力もあって足も速い、防御力は期待できないが良い種族なんだよ・・・だがアイツには別の問題があってな・・・」


ふむ、能力は問題なさそうだ。となると、何が問題なんだろうか?


「前に騎乗者を置いて逃げ出してるんだ」


逃げ出した?


「それはどういう状況で逃げ出したんだ?」


「アイツを持ってきた奴が言うには、盗賊に襲われた時に騎乗者を置いて逃げ出したらしいんだ」


ほぅ!面白いじゃないか。


「それで騎乗者はどうなったんだ?」


「そのまま盗賊に殺されたらしい。流石に騎乗者を置いて逃げる魔獣を売る訳にもいかなくてなぁ・・・」


ふむ、騎乗者が勝てないと思って逃げたのか?それとも怖くて逃げただけか?


前者だったら良い魔獣だと思うぞ。面白いし。


というか持って来た奴は、魔獣捕まえるより騎乗者助けてやれよ、って思うのは俺だけじゃないはず。


まぁ、俺自身がそういう場面に遭遇したら、同じように見捨てるんだけどね!


ハッハッハ・・・って笑ってる場合じゃない。


「とりあえず見せてもらって良いか?」


「あぁ、お客さんがそういうなら・・・」


案内をしてもらって魔獣を見てみる。


「ギョーエー!」


と鳴く、その姿を観察してみると全身を茶色の羽に包まれているダチョウのようだ。


額には1本の角が生えている。


・・・そこ!角が無かったら某有名ゲームのチョ○ボに似てるとか言わない!


まぁ、毛の色が違うから間違うことはないだろうけどね。


「ギョエ?」


とジロジロと観察していた俺を見て首を傾げている。


っていうか朝に鳴いてた鳥ってこいつだよな?すっごい聞き覚えがあるんだけど・・・


「この魔獣って朝に鳴いてないか?」


おっさんに聞いてみた。


「あぁ、いつも鳴かない様に口枷をしてるんだが、いつの間にか外しちまうんでそれも困ってるんだ」


器用な奴だなぁ・・・


こいつにしようかな!


でもその前に、騎乗者が勝てないと思って逃げたのか、怖くなって逃げ出したのかどうか試したいな・・・どうしようか。


う~ん、魔力を集めれば気づくかね?とりあえず試してみようっと。


おっさんに気づかれないように右手に魔力を集めてみる。


「ギョエ!?」


おぉ、俺の右手の魔力に気づいてるようだ。俺の右手を注視したまま動かないぞ。


「ん?どうしたんだ?」


と、おっさんが魔獣に注目している間に俺は右手を振り上げてみた。


魔力に気づいてるなら、この動作で何かしらの反応を見せるだろう。


「ギョエッ!」


と言う鳴き声と共に魔獣は横へと飛んだ!


「うぉっ!」


おっさんがビックリしているが俺もビックリだよ!まさか横飛びをするなんて予想外だ。


この反応だと騎乗者が勝てないと踏んだから逃げたって事っぽいなぁ。


臆病ならもっと違った反応を見せるはずだし・・・多分ね!俺の勘だよ!勘!


そして右手の魔力を解放する。


「ギョエー」


と言いながら何度か頷く魔獣。


「・・・?・・・何なんだ一体?」


おっさんが不思議そうな顔をしている、俺も何で頷いているのかわからないが面白そうだからこいつにしよう。


「こいつをくれ」


「えっ!?お客さん良いのかい?逃げられても責任取れないよ?」


「あぁ、構わない」


逃げようとしたら、他所の街で売れば良いだけさ。


その後も鞍や手綱など必要な物を買って店を後にした。


ちなみに種族や特徴は下記を参照。



種族名:ギョエックバード


特徴:足が速く体力もあるが防御力はほぼ皆無なので不意打ちには弱い。乗り心地はさほど悪くなく、飛ぶ事は出来ないが割と人気のある種族。雑食性。



あっ、ちなみにまだ街の外に行かないから預かってもらってるよ。


まだ買う物が残っているのだ!


そうして俺は市場へと向かって歩き出した。



ギョエックバード 5万ギル


手綱       1000ギル


鞍        2000ギル


水筒       500ギル



合計     5万3500ギル


主人公の所持金 9万1470ギル→3万7970ギル




――――――――――――――――




良かった!今日は市場やってる!


いやぁー昨日は馬鹿息子のせいで買えなかったからなぁ。


調味料の他に乾麺もあるといいなぁ。


生麺でも良いけど日持ちしないだろうしね。


さて、とりあえず値段の違いと品物を見るために一周してくるか。


そういって歩き出した所で・・・



子供がこちらへ向かって走ってくるのが見えた。


やばい!これはぶつかりフラグだ!


そう思った俺は即座に横に避ける!


しかし現実はそう甘くは無いっ!


避けた方向に方角を修正してきやがった!


チィッ!面倒くさい!


えぇい!こうなったら・・・誰かを生贄にするしかないな!


ちょうど横を通りがかった男が子供のいる方向へと向かっているので、そいつの後ろへと移動する。


案の定、走ってきた子供は男と俺が居る方へ方向修正してきた。


そしてそのまま・・・


ドンッ!


っと俺の前を歩く男にぶつかった。


よっしゃ!生贄作戦成功!


「いてぇな!何するんだこのガキ!」


おぉっと、これはこれは・・・面白い事になりそうな予感!


「うるせぇ!邪魔なんだよ!」


「なんだとこのガキッ!」


そう言って男は子供に殴りかかろうとするが・・・


「当たるかバーカ!」


サッと避けた後、そのまま子供は走り去っていった。


大して面白くなかった・・・残念だ・・・と思っていたら


「あっ!俺の金がねぇ!」


と男が騒いでいた。


危なかったな・・・あのままぶつかっていたら俺の金が盗まれる所だった。


盗まれてもすぐに捕まえる自信はあるが、捕まえに行くのが面倒なんだよな。


これ以上面倒事に巻き込まれる前に、早く買い物を終わらせて街を出ようっと・・・


まぁ街から出ても襲われる予定があるんだけどな!


ふぅ・・・ハプニング体質はつらいZE!


その後、市場を見回って必要な物を購入。


石鹸はなかったよ!でも乾麺はあったよ!やったね!


それに干し肉も買ったよ!野菜と肉でバランス良く食べるよ!


でも食材用道具袋が貰った野菜で満杯だったから、今は生のままの野菜をボリボリとむさぼってるよ!


生でも美味いよ!うむ、好き嫌いが無くて良かったZE!まぁ初めて食べる野菜が多いから好き嫌いも何もあったもんじゃないんだがな!


ちなみに今、俺が食べてるのは大根の形をしている紫色の野菜。


その名はパープリャン!ほのかな甘みとシャクシャクした歯ごたえがたまらんよ!


煮込むと更に甘みが増して美味しくなるんだとか。


うーむ、良い!良いよ!


タオルも2枚購入してある。準備は万端だぜ!多分!


さて!魔獣を迎えに行って旅に出るか!



各種調味料 2000ギル


タオル2枚 300ギル×2


乾麺    1000ギル


干し肉  1000ギル



合計    4600ギル


ちなみに干し肉と乾麺は1000ギル分購入したって事だからね!


調味料は量より種類を買いすぎてこの金額になっちゃったんだよ!



主人公の所持金 3万7970ギル→3万3370ギル




――――――――――――――――




はい!我が相棒となる予定のギョエックバードを迎えに来ましたよ!


中に入ると店員のおっさんがギョエックバードを引き連れて出てきた。


「もう街から出ようと思うんだが準備は終わってるか?」


「あぁ!鞍も手綱もバッチリつけてあるぜ!もちろん水筒の水も満杯だ!」


「ギョエー!」


うむ、良い鳴き声だ。水筒は首かけ式になってるのか。俺が使ってる水筒と同じ皮でできているようだが蓋の形がちょっと違う。木製のストローらしき物が刺さっていた。


これってもしかして魔獣自身が飲めるようになってるのか?クチバシなのに?


と色々と疑問が思い浮かんだが気にしないことにした。用意してくれたんだから吸えるんだろうきっと。


無理なら無理で、俺が飲ませてやれば良い。


ちなみに保冷する機能はなく、容量だけを重視してるみたいだ。やっぱり魔道具と普通の道具だと、かなり値段に差が出るんだな。


「これからよろしくな」


そう言ってギョエックバードを撫でてやる。


「ギョエッ!」


ふむ、一応撫でられてはいるが、魔力をこめて試したせいか、俺の右手をちょっと気にしているようだ。


まぁ、その内慣れてくれるだろ。


まずは鞍の後に荷物を積む、もちろん依頼の手紙は俺自身が所持している。


ジャージのポケットに入れてあるが落としそうで怖いZE!


「重くないか?」


「ギョエー」


大丈夫そうだな。


「よし、このまま門の外まで行くぞ」


「ギョエッ」


うむ、良い頷きだ。そのまま手綱を引っ張りつつ東門を通り外に出る。


特に抵抗もなく、ちゃんと後をついてきている。


外に出たが逃げる様子も見られない。まぁ、まだ襲われてないからな。


襲われる前に逃げられたら悲しくなるよ。


さて、騎乗するか・・・いやぁドキドキするな!


「街から出たし、そろそろ乗らせてもらうぞ」


「ギョエッ」


鞍に付いている足乗せに足をかけてギョエックバードの背中に乗る。


俺を乗せてもまだ余裕ありそうだな。すげぇなギョエックバード。


「よし!準備完了。走っていいぞ」


「ギョエー!」


こうして俺は、カルナッタの街を後にしたのである。






はい、昨日に引き続き今日も更新です。


大体1日分を書き溜めてから投稿しているので、1日分が終わると更新が開いてしまうのです。


次の更新は明日か、明後日です。

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