地味な姉に芸能人は似合わない!?
弟×姉のラブコメ。
「なんだ、今日は休みか? 売れてない芸能人は大変だな」
家に帰るなり、少年は言う。
「あるよ、仕事」
少女、彼の姉は返す。
姉は19歳、芸能人である。
芸能人ではあるのだが、眼鏡で、髪も目が隠れるくらいなので、可愛い系というよりかは、地味系。体つきも、太くなく、細くもなく、胸もない。
そして、弟の彼は17歳、高2。
「それよりも、今日は何の日?」
姉は聞く。小さな声で。
「知らない」
即答。
それでもめげず、
「今日は12月25日」
「芸能人が一番忙しい日だな」
「クリスマス」
「だから、芸能人なら一番忙しい日だな」
「ケーキ、あってもいいのに」
「? 聞こえなかった」
「はあ」
静かな時間を2人は過ごす。
クリスマスの夜。だが、ケーキを食べたりプレゼント交換することはなく。
そして、姉はソファーから立ち上がると、
「仕事行ってくる」
「無理するなよ。ないんだろ? 仕事」
冷たく返される。
玄関にて、
「行ってきます」
ドアを開け、閉める。
姉がいなくなると、弟の彼はすぐに項垂れる。
「…はあ。
ラジオで推し活しよう」
「10代の方たち、こんばんわ。今日はクリスマスですが、いかがお過ごしでしょうか。今週も終わりに近いですね、頑張っていきましょう!」
少女はマイクの前で明るく喋る。
その子は、主にラジオで活動している。たまに、テレビに出るが、ラジオが多い。明るく可愛い子で、人気である。
今は、10代の若者に向けたラジオ番組の、コーナー。時間は短い。だが、同じ10代が元気に喋ることもあり、人気のコーナーである。
「さて。じゃあ、投稿を読みますね。クリスマスらしいのがたくさん届いていますが、どれにしよっかなー」
「こんばんわ。いつも応援しています。
今日はクリスマス。だけど地味な姉には仕事がなく、弟として不安です。姉は一応芸能人ですが。姉に芸能人として頑張ってほしい、でも地味な姉に芸能人は似合わない。ケーキくらいは買ってあげようかな」
「お姉ちゃんに伝わるといいですね、その気持ち。絶対に喜びますよ」
と、返す。
コーナーが終わるとすぐに、
「やだ…尊い」
赤面して、彼女は呟く。
「弟が尊すぎる」
弟は知らない。
推しが実姉だということを。
姉は、住所や本名で気付いているのだが。
ありがとうございました。




