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モモンガ・リリの変なレンジャー魔法  作者: HILLA
サンリカ国 ウスリー・コモウェルの街
71/73

50.皆さん、さすがです

『リリ、戻ったぞ』


レッドさん・ブルーさんの2匹が先に帰って来た。憤っている私の横に降り立っている。


今更な情報だが、レンジャーのみんなは壁抜けができるんです。なぜなら魔法だから。


実体化もできるし、本当に高性能だよね。私も通り抜けしてみたい。


『薬師の人は、どうでした?』


『うん、悪い奴だった。懲らしめてきたぞ』


レッドさん、いい笑顔ですね。最高に可愛いです。


『奴が作っておった薬の半分は開発中の物じゃったぞ。どうやら病人を利用して研究していたようじゃ』


『は? そんな奴が薬師だなんて終わってますね』


そりゃ新しい薬の開発には研究がつきものだ。適当に混ぜたら出来ちゃった、みたいに作れる物じゃない。研究は必要だ。効果も試して調べないといけない。そんなの知識がない私でも分かる。


だからと言って、助けを求めてきた病人に対して、無断で試していいものじゃない。モラルの欠片もなさすぎる行いだ。


テメェの体で、ありとあらゆる薬を試してやろうか、クソが。


『3人のグループだったぞ。だから、3人共痛めつけて、薬を全部燃やしてやったんだ』


確かに要らないけど、燃やして? 火事にはなってないよね?


『我のコントロールは完璧じゃ』


はい、ごめんなさい。もうどのレンジャーのことも疑いません。全面的に信用し、そうなんだーで終わらせます。


私がブルーさんにペコリと頭を下げた時、ピンクさん達4匹も帰ってきた。


やりきった感が漂うピンクさんとイエローさんが眩しい。


一体どこまで本気を出してきたんですか。おっちゃんが起きた時に、腰抜かさないように祈っておこう。


『皆さん、お疲れ様です。ありがとうございました。母ちゃんはどうでしたか?』


『治しましたよ。相当辛かったでしょうに頑張って耐えていて、称賛を送りたいほどでした』


そうか。今日まで頑張って生きてくれていてよかったよ。ありがとう、母ちゃん。明日はおっちゃんと子供達と喜び合っておくれ。


『ホワイトさん、ありがとうございました』


ホワイトさんは、綺麗に微笑みながらカーテシーをして消えた。残っているレッドさん達は、楽しそうに何をしてきたかの報告をし合っている。可愛すぎて尊い。


「リリ、どうしてホワイトさんが居たんだい? 私に内緒で何をしたんだい? 教えてほしいね」


「へ? 悪いことなんてしていませんよ。きちんと決めた件数での世直しです」


私の横でレンジャーの皆さんも深く頷いている。それなのにフェレルさんの眼差しは懐疑的だ。


「今日はどんな世直しをしてきたんだい?」


『薬師を懲らしめてやった』


「とのことです」


「リリ。私はレッドさんの可愛さは分かっても、言葉は理解できないんだよ。だから、通訳してくれるかい」


やれやれ。怒られそうだから内緒にしておきたかったのに、誤魔化されてくれないなんて、フェレルさんは我が強いな。


仕方がない。今回だけだからね。これからは気にしないでね。


私は抑揚を付けずに、淡々と一気に何をしてもらったのかを説明した。少しずつフェレルさんの笑顔が固まっていったが、もう後の祭りだ。


花祭りの後だから、ちょうどいい表現だな。えへ。


「フェレルさん、ため息を吐くと幸せが逃げますよ」


「吐いていないよ」


「吐かれそうだったので、先に伝えておいたんです」


「リリって偏屈だよね」


なぬ。それは喧嘩を売っていると受け取ってよろしいですか?


私は「平和を愛する」「可愛い子供の笑顔を守りたい」「優しくしてくれた人には恩返しがしたい」っていう、人情に厚いモモンガなだけですよ。


それなのに、へそ曲がりだなんて酷い。失礼しちゃうわ、ぷんぷん。


「お伝えして反対されていたとしても、私はレンジャーの皆様にお願いをしていました。絶対に譲れないことでしたから。だから、フェレルさんに相談をしなかったんです」


「それは、どっちにしようか悩むことなら、相談してくれていたってことかい?」


「もちろんです。フェレルさんやルカくんの生活に関わること、私の判断ミスで良くない事が起こってしまいそうなこと、知識が足りなくてどうしたらいいか分からないこと。そういった際は必ず相談いたします」


「そう言ってもらえると嬉しいよ。でもね、相談が必要ない時も、報告だけはしてくれるかい。こんなに面白いことを知らないなんて悲しいじゃないか」


ほ? へ? まさか……さっきのは笑いを堪えていたとか言うんでしょうか? 私の説明のどこに笑いのツボがあったと言うの?


マジでフェレルさんが分からん。


「分かりました。報連相は大切ですからね。怠ってすみませんでした。以後、気をつけます」


って、また笑っている。ゲラだ。フェレルさんは“ただのゲラ”と認定しよう。


フェレルさんは「明日ロントくんに教えてあげよう」と上機嫌で部屋に戻っていった。


私もレンジャーの皆さんにおやすみの挨拶をして、ルカくんのベッドへ。


気持ち良さそうに眠っているルカくんにほっこりし、「いい夢見れそうだな」と瞳を閉じて、5秒後には深い眠りに落ちていた。






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